「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478006832

感想・レビュー・書評

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  • 初出が2007年、2009年だったりするので、それを考えながら読みました。
    僕は、森氏の「視点のずらし方」が好きです。刺激になりました。

  • ネットで叩かれることも多い著者。主張自体共感できるところも多いし、「共同幻想」についてわかりやすい本。全ての主張に諸手を挙げて大賛成で無いのだが、著者の主張の論拠が明解に書かれているので、心地よかった。メディアに対しての批判で、簡単化しわかりやすい、需要のあるもののみ伝えること、組織(例オウムや連合赤軍)のリーダーの決断が、そもそも周囲の影響によって極端に強化されてしまうこと、マスによる解釈の固定化。ノルウェーのこと、死刑のこと。面白い本だった。

  • ノルウェー社会の冷静さに感動。ノルウェーについて調べてみたいと思った。

  • 考えてしまいます

  • 本書の題名を、貴方にこそ言いたい。上杉氏との対談本をよんでいてなんかしっくりこないこんじがあった理由が今分かりました。

  • ネットで非国民、売国奴、ブサヨと非難される森達也さんの連載をまとめた本。
    タイトルにおよそ内容が凝縮されてしまっています。
    善意は陶酔しやすく、一方向に加速する。今日もネットにはたくさんの、誰が誰に対して向けているのかわからない善意があふれています。怒りも同じ。
    ただ森はニーメラーの警句を引用し、そしてそれについて解説を加えない。読むたびにいろいろ思う、考える、とだけ述べて。
    反射的に水に落ちた犬を叩くようになった正義の味方たちと、ニーメラーの警句。きちんと想像力を働かせておかなければいけない。水に落ちた犬をいつも叩くべきではないが、叩いたほうがいいかもしれない。
    「日米同盟」とか「安全神話」とか、誰も作っていないものが、さも存在するように語られる。その背景にだって思いを馳せなければならない。それか、そうじゃないなら沈黙したらいい。と、僕はそんなふうに読みました。どうぞ正義の味方の方々にも読んで欲しい。ネットにも元連載載ってますから。
    http://diamond.jp/category/s-mori

  • 普通なら知りたくないこと、フタをしておきたいこと、目をそらしたいことに、いつでも真摯に向き合って取材している森達也さん。すごいことだと思う。問題に向かってなにかをするのは難しいけれど、せめて知らなきゃいけない。その姿勢がすばらしいと思う。
    著者本人が、自分の本はなかなか人に読んでもらえないと嘆いていらっしゃるけれど、そりゃそうだ、見たくないこと・聞きたくないこと・知らずに済ましたいことしか書かれていないもの。でもだからこそ、私も森達也さんの本を一人でも多くの人に読んで欲しいと願う。もう、目を逸らして知らずに済ましてもなんとなく幸せに生きている時代ではないのだから。
    ここにあれこれ感想を書くより、とにかく読んでみてほしい。散々書き散らしておきながら言うのもなんですが。

  • みんな魂の死んだ、抜け殻をコレクションしてる。

    昨日より今日、今日より明日が良くなるって信じて、テレビが垂れ流す最新情報らしきものに浸ってる。

    引き算していった先にこそ、妄想を想像を空想を。

  • あまりにもタイトルが刺激的だけれど、森さんが日々感じる小さな違和感にはっとさせられる。いつの間にか当たり前に見過ごしてしまっていることに愕然とした。
    「被害者の気持ちを考えているのか!」というような発言に傷ついたこともある。それと同時にそう言ってしまう人の心も気になっていた。森さんのような人が物書きとしていることにほっとした。

    森さんの主張することにただ共感するのではなく、自分で考えて吟味してみるという姿勢を忘れずに自分のこと、世の中のことを見ていきたいと思う。

    それにしてもノルウェーが気になる。日本とは対極の国。

  • なかなかいろいろと自身の考えがまたもう一段階上がった感じ

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著者プロフィール

森 達也(もり・たつや)
1956年、広島県呉市生まれ。映画監督、作家。テレビ番組制作会社を経て独立。98年、オウム真理教を描いたドキュメンタリー映画『A』を公開。2001年、続編『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞。佐村河内守のゴーストライター問題を追った16年の映画『FAKE』、東京新聞の記者・望月衣塑子を密着取材した19年の映画『i-新聞記者ドキュメント-』が話題に。10年に刊行した『A3』で講談社ノンフィクション賞。著書に、『放送禁止歌』(光文社知恵の森文庫)、『「A」マスコミが報道しなかったオウムの素顔』『職業欄はエスパー』(角川文庫)、『A2』(現代書館)、『ご臨終メディア』(集英社)、『死刑』(朝日出版社)、『東京スタンピード』(毎日新聞社)、『マジョガリガリ』(エフエム東京)、『神さまってなに?』(河出書房新社)、『虐殺のスイッチ』(出版芸術社)、『フェイクニュースがあふれる世界に生きる君たちへ』(ミツイパブリッシング)、『U 相模原に現れた世界の憂鬱な断面』(講談社現代新書)、『千代田区一番一号のラビリンス』(現代書館)、『増補版 悪役レスラーは笑う』(岩波現代文庫)など多数。

「2023年 『あの公園のベンチには、なぜ仕切りがあるのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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