「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい―――正義という共同幻想がもたらす本当の危機
- ダイヤモンド社 (2013年8月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478006832
感想・レビュー・書評
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論理的なようでいて、論理的とはいえない展開。
題名のとおりの批判に、当事者でないのは、死刑廃止を批判している人も同じだという。
死刑問題であれ、領土問題であれ、感情のままに主張を押し出すのは恥ずべき行為であるという。
著者を批判する多くの者より、自らは知識が豊富であると、路上で批判された実例を挙げて主張する。
法とは何に由来するものか。
領土問題を具体的にどう譲り合って解決するのか。
それをどう国民に納得させるのか。
議論の根本的な部分についての考察は省き、表層的な知識を蓄え、印象論で熱くなってしまった一般の人に対し、「熱くなるなよ」と語りかける。
(最初の数編以上読み続けることができなかったが)
罵声に対し、慇懃無礼な調子で罵声をあびせかえす一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
304雑誌「経」連載「リアル共同幻想論」書籍化
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著者は、映画監督で作家で、明治大学の特任教授もやっているらしい。連載されていたコラムのようなものをまとめたもの。
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表題を含む多くの事案について書かれた雑誌掲載コラムをまとめたもの。副題の方が本書に書かれた内容を端的に表していると思う。中心になっているのは当然ながらオウム関連のものが多いが、その他は映像制作者としての著者の立ち位置からのものが目立つ。幅広い諸問題に対する著者の見解にうなずいたり首をかしげたりしたが、めんどくさいからと日頃スルーしてしまっている問題を、ちょっと立ち止まって考える、その切っ掛けを与えてくれる良書だと思う。
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迫力あるが期待より散漫なので拾読み
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「推定無罪の原則」や「残酷な刑罰を禁じる」憲法や世界人権宣言・・・その他の諸権利を獲得するまでに世界中で流された血と、その時間を考えれば、死刑制度や日本のマスコミの犯罪報道に違和感を感じるのは当然であろう。その違和感の正体を著者は考え抜いていく。紹介されるノルウェーの現実はすごい。ノルウェーには死刑も終身刑も無期懲役もない。望めば刑務所内で大学教育まで受けることが出来、出所の際には住居と仕事が提供される。11年71月のオスロの政府庁舎の爆破、郊外の島で起きた銃乱射事件を経てもなお、死刑の復活や厳罰化を望む声はないのだという。「罪を憎んで、人を憎まず」ということか。これもまた、人類が到達した地平なんだけど・・・・。
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当たり前のことを当たり前に発信することが怖い社会になりつつあるような気がします。勇気とは何かということも考えます。
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惑わされず自分で判断することの大切さ。
物事の裏をきちんと理解して
惑わされず判断したいです。