マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

著者 :
  • ダイヤモンド社
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784478064788

感想・レビュー・書評

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  • ブロガー、ちきりん氏による「これからの社会で生きていくのに求められるのは、どこに、何に価値があるのかを見抜く『マーケット感覚』だ!」という1冊。
    氏の著書は(ブログもですが)読みやすく、ボリュームも手頃、その中に一定の学びがあるので広く読まれてほしい本だと思います。無批判に著者の考えに揃えにいっちゃうと、またそれはそれで違うんですが…。

    本著を読了してあらためて思ったのは、これからの先が見えない時代、正解が存在しない中で自分なりの価値基準を持って、判断して、変わり続けないといけないということ。
    「石の上にも三年」とか言ってた頃からすると隔世の感はありますが、戦前の日本の企業文化はアメリカもかくやの転職ありきだったりした訳で、そういった波乗りをこなしていくDNAは持っているはずです。
    自分はそんな中でどう変わっていけるか?は、本著を読んだ人間の宿題なのかなと思います。

    自分の視野が狭かったな、と感じたのが「独占状態なら何でも高く売れるはずと考える人は、市場で取引されている価値について、突き詰めて考える習慣がついていません」というくだり。
    日常では「ブドウ高いからリンゴでいっか」的な行動を取りつつ、かなり無意識にやっちゃってるんだなぁと。。

    あと、「重要なのは儲かるかどうかではなく、『価値があるかどうか』なのです」というのはその通りだと思うのですが、かような事業が潰れそうな時に、「あなたの事業、価値があるよ!頑張ってね!」と言われても…というのは正直思うところです。
    まぁ、それまでに価値を見出してこれなかったんだなという扱いはそれはそれであるんでしょうが。やはり、見つける/見出す/見抜く力がこれからのキーになるような気がします。
    特に、大学生や高校生が読むと刺さるんじゃないかと思う1冊でした。

  • サブタイトルは『「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法』です。帯には「論理思考と対になる力を教えます!」とあります。有名ブロガーである著者には、本書発刊の前に論理思考についての著書があったということでした。

    これだけの情報だと、現在の「グローバル化」し「情報化」が進み20世紀とは様変わりした世界で商売をばりばり行って、一頭地を抜く存在になるための教本のように思えるかもしれないです。ですが、読んでみると、そのための知識をつける本というものともちょっと違います。より根本の、「やわらかな頭を持つための、やわらかな頭とは何なのかそしてなぜ大切なのかの解説とやわらかな頭のための体操の仕方」を教えてくれる本といったほうが的の中心に近そうです。

    ここで登場する「マーケット感覚」とは、マーケティングのことではありません。ここで本書での例をあげますが、たとえば航空会社の競合会社は他の航空会社だけだろうか? という問いを考えるとわかりやすいです。飛行機には出張や旅をする人を運ぶのはもちろんのこと、それだけではなく、貨物としての性質だってあります。列車やバス、運送業も競合会社になります。さらに、全国各地、ひいては世界各地の支店長を本社にあつめて会議をしたい、となったとき、それだったらリモートのほうが便利だし安上がりだし時間も節約になる、となれば、IT会社や通信会社が航空会社の競合にもなっている、となります。

    というように、現実感覚と現場感覚、そして想像力によって論理思考より広くそして地に足をついた感覚でものごとを把握する感覚がマーケット感覚なのでした。

    昨今では、就活も婚活も市場化された、と著者は述べますし、大学のありかたも今後どんどんマーケット感覚でもって運営していかないと淘汰されていくというようなことも述べています。おもしろかったのは、都市部よりも地方のほうが市場化によってチャンスとなるものが潜在的に多く、町おこしをそういった目でみるとまだまだ地方は捨てたものではなさそうだ、というところでした。都市部で暮らした人のほうが、市場としての性質の高い生活を強制的に送らされているのでマーケット感覚が培われる人が多いです。なので、都会でマーケット感覚を知った若者が地方にやってきたり、Uターンして地元に戻ったりして上手に商売をするだとかが今も起こっていることですし、これからもそういうことが起こり続けるのだろう、と本書から教えられます。そこで自らがそこに関われたならばすごくいいでしょうね。

    読んでいると、人間理解をちゃんとやることが大きいぞ、と読めもするんですよ。マーケット感覚を育めたなら、たぶん小説を書くことも上手になりそうだし、書く前段階での読者ターゲット設定やテーマ設定、そしてキャラクター設定もずっと無理なくできそうな気がします。そういった仕事が、小手先じゃなくなるでしょう。

    でもですね、僕なんかはこういう商売が最前面にでてくる世界観には寂しさを感じもするのです。拝金主義に陥りやすそうだなあだとか、世知辛くなりそうだなあだとか思えますから。そういった点についても、そうならないように感覚を働かせるのも、ある種のマーケット感覚ではありましょう。基盤設計といいますか、社会のあり方みたいなものに働きかけるときにも、応用が効く感覚だと思いました。つまり人間を中心に据えて考えてみること、です。お金がとても重要でありはしても、人間を差し置いてまで重要ではないでしょうから。僕個人としては、そういった感覚を捨てずにいながら、マーケット感覚をもっと養いたいところでした。

  • 現実社会の市場化や市場で評価されるために必要な考え方について、多くの具体例とともに論じられている。市場とは需要と供給のマッチングで取引が成立しているが、そこで取引されているのはモノではなく価値であり、その価値を考え抜いて商品やサービスはたまた自分自身を売り出す必要性を学んだ。今後、さらに市場化が進むであろう社会において、現在の状況に安穏とするのではなく、次にどんな能力が必要とされるのか先読みして、他人よりも早く動いていく必要を感じた。従来の経済学関連書籍と合わせて読んでおくと思考の幅が広がる1冊。

  • 面白かった

  • 【気づき】

    ・論理的な思考+マーケット感覚を使う思考
     どちらも重要

    ・供給によって、市場は変わる
    高くものを入れるのは、
    その品物が良いからと言うよりも
    供給が多いからと言う理由のことも多い。

    ・インターネットの登場によって、
    市場化は加速された。
    例えば、
    就活もネットで100社くらい応募できる
    (昔だったら紙なので、不可能)
    婚活もネットでできる。


    ・10年で社会は変わる。
    親が子に伝えたい事は、
    変化自ら感じ取り、進むべき方向を早めに見極めることができるマーケット価格を身に付けること



    ・面白かったけれども
    どこかこれじゃない感もあったのも正直な感想。

    具体的なノウハウを私は求めすぎていたのかな。

    マーケット感覚と言う言葉を
    全く知らない状態で読んだ時と
    もっとマーケット感覚を見に付けたときとで
    それぞれ感想が変わるような気もする。

  • 「大事なのは
    変わってくこと
    変わらずにいること」
    槇原敬之さんの「遠く遠く」の歌詞。
    この2つを見極めたい。
    市場に売り出しながら、自分の気持ちや覚悟と向き合わないとバランスが崩れるような気がする。

  • 『必見!変化の激しい時代を生き抜くために必要なスキル。』

    ■読了時間 2時間38分
    ■この本をオススメする人
     ・就活前の学生さん
     ・自分には何のとりえもないと思っている方
    ■感想
     「マーケット感覚」という抽象的な言葉を、様々な具体例を用いて説明してある良書です。専門家のマーケティング実用書とは一味違った、わかりやすさ・読みやすさがあり、そこが著者の人気ブロガーたる所以でもあると感じました。

     著者の言う「マーケット感覚」とは、一言で表すと"価値のあるものに気付く力"。最近ではメルカリなどによって個人でもプライシングする機会が増えましたが、マーケット感覚が乏しいと言わざるを得ない出品者も多く見かけます。一品一品状態は違うので、どこに価値があるか見極めることができれば、説明文を一言足すだけで他人より高値で売ることも可能です。

     モノだけではなく、職業や自分自身にも、どこに価値があるのかよく考えることが、これからの変化の激しい時代を生き抜くためのヒントになると思いました。人生でひと花咲かせたい方は、読んでおいて損はない一冊です。

  • マーケット感覚という「価値を認識する(気づく)能力」の重要さを教えてくれる一冊。この能力はいわゆる想像力が必要になるため、リアルタイムな情報や経験が地盤として必要になると感じた。価値は相手がいて成立する。就職活動や恋愛においても、どれだけ自分に良い所があっても相手に求めてなければ価値にならないし選ばれない。何が求められているか。どこで求められているか。相手のイメージがどれだけの解像度で出来るかによってみえてくる。揺るがない価値はないと思うので更新必須。

  • 2015年刊行のこの本を2020年に読んだけど、今まさにここに書かれている市場化が大きく進んでいると強く感じました。需要と供給のマッチング、非伝統的な価値、マーケット感覚。分かりやすく、すごく大切なことが語られているように思いました。
    そして本の中で触れられた、市場性の低い「学校」おいうものにどうマーケット感覚を活かすのか、は私にとっての課題です。

  • 以前から「価値は需要と供給の関係で決まる」というのは理解していたが、インターネットの普及により市場の統合が進んでいることをわかりやすく学べた。
    また、資格に関して政府が関与し調整すると需要と供給のバランスが崩れ、減収などの影響が起こる可能性があることを学べた。私は国家資格を持っているが、全く安心できないと怖くなった。市場から求められる存在になれるよう研鑽を積むことが必要。

著者プロフィール

ちきりん

関西出身。バブル最盛期に証券会社で働いた後、米国の大学院留学を経て外資系
企業に転職。2005年に書き始めた社会派ブログ「Chikirinの日記」は日本有数の人
気ブログとなり、ツイッターのフォロワーは30万人を数える。2011年からは独立
し、文筆活動に専念。デビュー作となった本書のほか、『自分のアタマで考えよ
う』(ダイヤモンド社)、『社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう』(大和書房)、
『未来の働き方を考えよう』(文藝春秋)などの著作がある。

ブログ    https://chikirin.hatenablog.com/
ツイッター  https://twitter.com/InsideCHIKIRIN

「2013年 『ゆるく考えよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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