- Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
- / ISBN・EAN: 9784478502570
作品紹介・あらすじ
さらば価格競争。コモディティ化の罠から抜け出せ!-コモディティ、製品、サービスに続く、第四の経済価値「経験」。経験は、企業がサービスを舞台に、製品を小道具に使い、顧客を魅了するときに生まれる。経験こそが、経済成長のカギを握る。
感想・レビュー・書評
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商品が製品(モノ)から経験(おもてなしや感動)に変わっていく、という話。サービス業でない人でも、読んでおいていいかも。頭の体操にちょうどいい。
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(K)「コモディティ」(原材料)→「製品」→「サービス」→「経験」へと売るものが変わっていくなかで、そこから生み出される付加価値は級数的に大きくなっていった。これは、より豊かな生活を求める経済活動における必然として行き着いた変化であり、その変化があるからこそ今があると筆者は言っている。
変化は「経験」で終わりかと言えばそうではない。筆者はその行き着き先に「経験」を超えた「変革」を売るという行為があると言う。例えば、フィットネスクラブは運動をするという経験を売るのではなく、運動によって得られる身体的な変化を売るということである。すなわち、身体的な変化に対しその対価として収益を得るという考え方である。そんなことで本当にビジネスになるのかと疑問を抱きながらも、こういう事を真剣に考えている人が世の中にはわんさかいるのだろうと思うと驚きを感じた。
モノを売るという行為、特にサービス面に関心がある人にとっては、「経験」や「変革」を売るということをフレーム化して解説していて、きっと新しい発見が得られるはずである。
私自身は、本書を工業製品のコモディティ化による価格競争から抜け出すための処方を期待して手にたが、期待は裏切られたというのが本心ではある。ただ、最後まで読み切る価値のある本であるということは事実である。 -
■経験経済
①昔ながらのサービス産業も、新たに出現しつつある経験産業と競うかのように、いっそう経験的になりつつある。ハードロックカフェ。プラネットハリウッド。ババ・ガンプ・シュリンプ。テーマレストラン。
②レストランでの食事を経験に変えるのは、エンターテイメント性やセレブな経営者といった要素よりも、食べる行為の中に組み入れられた演劇や美術、建築、歴史、自然などの要素の働きの方が大きい。
③毎日のありふれた行動でも思い出に残る経験に変わるチャンスはある。例(シカゴの駐車場スタンダードパーキング:オヘア空港の駐車場内で各階ごとにテーマソングを流し、壁にはシカゴのスポーツチームのロゴを飾った。
④スーパーへの買い出しを面倒だと思うことがあるが、南カリフォルニアのブリストルファームズ・グルメスペシャルティ・フーズ・マーケットへ行くのはわくわくする経験だ。
⑤消費者から取引先まで、テーマレストランからコンピュータ修理サービスまで、経験という経済価値を中心に据えたさまざまな事例がアメリカで新しく生まれ、他の先進国でもますます増えている。
⑥経済価値の進展:コモディティ(抽出)→製品(製造)→サービス(提供)→経験(演出)
⑦記念品は経験を社会化し、経験の一部を他社に伝える一つの方法だ。そして経験経済に参入する企業にとっては、記念品は新しい顧客を誘い込む手段だ。
⑧経験もやがてコモディティ化する。経験は2度目に最初より楽しさがわずかに減り、3回目にさらに楽しくなくなり、最終的にはそれってよくあるよねとわくわくしなくなる。
⑨経験こそがマーケティング。 -
サービス業に次ぐ第4次産業としてた経験サービスを提案する本
サービスの提供方法として、マスカスタマイゼーションに加え、一度に少しずつ提供したり、隠したりするのはさすがだと思う。
4章の飛行機のドリンクサービスの例で語られる、顧客もインタラクションを行う度に学び我慢しているという部分は強烈だった。
また、経験経済の焦点が、最終的には個々人の変革が達成されるかという部分は興味深い。
さらに、今回の産業構造の中で以下の5段階に表現しているのは本当にわかりやすいと感じた。
・物質に対して請求しているならば、コモディティビジネス
・有形物に対して請求しているならば、製品ビジネス
・実行した活動に対して請求しているならば、サービスビジネス
・顧客と一緒に過ごした時間に対して請求しているならば、経験ビジネス
・顧客が達成した実証済みの成果に対して請求しているならば、変革ビジネス
☆4.5 -
UXデザインを学ぶ人は読んでおいてほしい
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[新訳]経験経済
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名著だそうだが、たしかに 「どうしてそうまでしてモノを売りたいのか」 と、アメリカ人の努力に感嘆の念が湧いていくる。せいぜいがんばってくださいと、拍手を送りたくなる本。
「経験」の次は「変革」だそうだ。
そのあとが「宗教」で、それをおずおずと提出しているところがほほえましい。 -
「競争戦略としてのストーリー」と同趣旨。こちらが早いのでしょう。「経験」のステージだけにとどまらず、「変革」にまで論を進めている点、誠実さを感じる。
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経験をベースにしたビジネスモデルの原点。
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この本は素晴らしいな。ちょっとバランスが悪いけど。
鼠国も大阪のそれのバッタ物も嫌いというか苦手で、ああいうのをエクスペリエンスだというのだと言われると、「ありえん」と思ってしまう。ありえないというのは、主観的な私の好き嫌いもあるし、人間はそこまで馬鹿じゃない、というようにも思うからだ。
「夜中の通販番組で車のサビ落としにスタンディングオベーションで大騒ぎしているような人たちを標準にしてくれるな。」
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そう思いながら読んでいたのだけど、この本はそんな簡単なことを書いているわけでは無さそうだ。コモディティ化という現象に対して、非常に明快な説明をしているし、演劇やその先にある変革というのは分かりやすい。
おそらく、経験経済はひとつの将来の可能性としては成り立つのだろう。つまり「共産主義」みたいなものだ。過去の分析、その中にある理論の抽出。その理論の未来への展開。そうして見える世界観としては、素晴らしいと思う。
しかし、経験経済が良いとか悪いとか言うことではなくて、実際に人の歴史はそんなふうには進まなかったという事も、また事実である。
つまり、理論を実証するに足る事業側の実践が不十分で見劣りがするのだ。
事例として、鼠国はかえって良くないのではないか? -
再読。
経済価値としての「経験」を説く良書。
サービス・デザインやサービス・マーケティングへの興味や実践を経て再読してみると、本書で扱われている「経験」や「経験経済」の意味や価値をあらためて認識することができた。 -
経験の次は変革がくるってのはちょっと受け入れがたいが、記憶に残る経験を売るってのはかなり共感。しかし、その経験がエンタメ系に突出しているのが残念だったりもする。
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タイトルが響いた。
>ハードロックカフェやディズニー・ワールド、スター・バックスは、いずれも飲食物以上のものを提供している。
これらの施設は、劇場を想像しているといえるだろう。脚本、小道具、役者が全て一体となり、忘れ難い経験を作り上げる。
三ドルのラテや75ドルの入場料は、顧客の思い出づくりの一助として支払われるのだ。
>モノやサービスなど、先細りする世界に追いやられたビジネスは、今後時代から取り残されるだろう。これを避けるためには、人の心をひきつける、豊かな経験を演出する必要がある
本書で誕生パーティーの例を用いて、素材がモノからサービスへ、そして”経験”へとたどった変遷を説明している。
一番上に引用された3社は全て価格が高い。
それ以上の経験を期待して顧客はいくのだ、というのは実体験レベルで納得できる。(そこで働いているから)
経験だな、うん。
なかでも、心から幸せになれる経験を提供できるサービスを探していこう。
また、著者は優秀なコンサルタントで、経験について4マス・マトリックスで説明している。
1軸:顧客の参加度
2軸:顧客のイベントやパフォーマンスに対する関与の度合
ふむふむ…
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「人生は仕入で決まる」というのは、こないだお会いした社長のメッセージ。
月間レビュー50冊超えを目指していく過程で、なんとなくわかってきた気がする。 -
利益をあげるためにはいかに付加価値を付けてユーザーに提供するかが問われる。価格競争に陥らないためのマーケティングの重要な視点を示唆している。
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コモディティ<製品<サービス<経験<変革
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これからの経済価値はズバリ「経験」!!
昨年東京にオープンした「キッザニア」、
はたまた任天堂が出した「Wii」
これらもイーワードは経験なのでは?? -
コモディティ・製品・サービスの次なる経済価値「経験」、その上位価値にあたる「変革」について。
低次の価値が満足することによって、高次の価値を初めて認知出来るようになる。
次なる時代到来への指南書。 -
一度廃盤になった本が復活した!それぐらい中身のある本。
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まだ読んでないけど、おもしろいみたいだよー!