40歳がくる!

著者 :
  • 大和書房
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本棚登録 : 228
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479394143

感想・レビュー・書評

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  • まさか令和の世に雨宮まみの新刊が読めるだなんて。没後7年、web連載の原稿をまとめて、関係者の寄稿を募ったもの。◆トルコブルーのドレスで年下の女の子と夜の東京を走ってオールナイトの「シン・ゴジラ」観に行ったシーンと、飲んで飲んで大荒れしたい雨宮さんに、付き合いつつきちんと支えてる友人たちのシーンがあざやかに印象に残る。◆「不幸な頃のほうが面白かった」。それは、この世でいちばん下品な言葉だと思っている。その下品な言葉と戦って勝つために、生きたいと思うことさえある。(雨宮まみ)◆私は私のままでどんな40歳になれるのだろうか。という問いから始められ、今度こそ私が私のまま生き延びて…という血の出るような赤い文字で書かれた一節で終わりをつげる本。本当にその実感はあったのだろうに、何故…と◆寄稿からは、穂村弘さんが触れてた美しい2行「東京タワーのオレンジ色に私は祈る。/何を祈っているのかはわからない。」◆吉田豪さんの書いてた、身を削って書くことのしんどさ◆あたりが、特に印象に。

  • 読んでて心がヒリヒリした。自分が抱えているこの得体の知れないモヤモヤした気持ちを、著者は包み隠さず、率直な文章で表現してくれていた。そこにいたのは、自分だった。
    女性特有であろう葛藤を抱えながらも、著者は仕事にも自分自身にもしっかり向き合い、多くの友達に支えられながら、楽しみを見つけて、これからもより良い人生を歩んでいく、そんな意気込みが伝わってきた。なのに、40歳で亡くなってしまったことを思うと、なぜ、と自然に涙がこぼれた。
    著者と比べたら、私の人生はもっと地味で平坦だし、友達も楽しみも少ないように思う。それでも、こんな華やかな世界にいる人でも、自分と同じような気持ちや悩みを抱えてるんだと思うと、辛いのは自分だけでないんだと少し孤独感が和らぐ。みんな、こんな気持ちを抱えながらも、平然を装い、一生懸命楽しそうに生きている。みんな同じなんだ。そんなことに改めて気付かされた。
    著者が命を削って生み出したこのエッセイ本は、私がこれからも大事にしたい一冊となった。だいぶ時間が経っているけど、著者のご冥福をお祈りしたい。

  • とても真剣に、自分と向き合って生きていたからこそのことばだなぁと思いました。
    そのままの自分を受け止めるのは苦しい。でも、だからこそ、じゃあどうすればいいのか考えることができる。
    美しいひとだったんだろうなぁと思いました。
    ありがとうございます。

  • お酒と恋が好きだった人!人が好きな人と言った方がいいのかもしれない。「傷口に酒を塗れ!」でお酒で酔ってぐるぐるになってわけがわからないのに頭はとても冷静で、静かに狂ってしまっている時の文章がうますぎて私も酔ってしまった。「私は次の嵐が見たい。」痺れる…
    何に傷ついているのかわからないのに苦しくて仕方なくて死にたいという感情は少しだけど覚えがあって、壊れることに喜びを覚えてしまえば、正気に戻ったときにもっと嫌になる。こんなに全力で人生のできごとに一喜一憂してたくさんいろんな体験をした人だから、まわりから見たらとてもギラギラして眩しい人だっただろうなと思う、

  • ・久々に雨宮さんの本を読んだ。
    ・感想は正直難しい。
    ・著者の最後まで含めてこの本の「感想」をポンと出せる勇気が無い。情け無い事に。
    ・何の勝負をしているか分からないし(始めたつもりもない)、何で?って感じだけど、負けた、と思った。
    ・つまらない事(でもないけど)、文章が本当素晴らしいと思った(思っている)し、好き。

  • 燃えるような読後感。口出しする権利なんかないけど、生きててほしかったなぁ

  • 雨宮まみさんにはいつも心をゆさぶられる。
    こんなに自分の感情を文章にできるなんて、苦しい とも思う。
    そういうことだ。 いや、そういうことでもないのかもしれない。 そんなあやふやな心の動きにも共感できる。
    自分の中にあるけど表に出ないようにごまかしてきたものを掘り起こされたような気持ちになる。
    同世代の雨宮さんの書く文章をもっともっと読んで一緒に歳を重ねていきたかった。

  • この著者を私は認識していなかった。自分自身40歳を過ぎてあれこれと思うことがあり、他の人がどう思ってどう生きているのかを知りたいという興味で手に取った。亡くなっていることも、読んでいて初めて知った。かすかに記憶がある。私は「〇〇女子」という言葉が嫌いで、だから「女子をこじらせて」が話題になったとき、おそらく意識的に避けて読まなかった。読めばよかった。そして、生きていてほしかった。50になる私に、また何かを授けてくれる人だったかもしれないと思った。50がくる、を、読みたかった。

  • 有り F/ア/23 棚:30

  • いつもなら手に取らない雰囲気の本でした。
    書店に行く度に目にした赤い本は随分長い間フタをしてきた感情が引き出されることになりました。
    生々しく強く孤独で情念の塊ともいえる著者の生と欲望に対する闘いの軌跡です。
    著者は40歳で亡くなられています。
    『こじらせ女子』の言葉も流行しましたが、
    とうていその言葉では彼女を形容するには軽すぎると感じた強烈な内容でした。傷ついたり嫉妬したり憎んだりする処理しきれないた気持ちを代弁してくれる、あまりにも繊細で切ないくらい優しい。
    強い味方と知り合えたと思えました。

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著者プロフィール

ライター。エッセイを中心に書評などカルチャー系の分野でも執筆。著書に『女子をこじらせて』(幻冬舎文庫)、『まじめに生きるって損ですか?』(ポット出版)など。

「2016年 『愛と欲望の雑談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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