- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479791775
感想・レビュー・書評
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「きみには問題がある」――上司に突然こう言われたら……?会社や家庭で起こるトラブルの原因は自分の「行動」にあるかもしれない。良い家庭、良い会社、良い社会になるためにどんな振舞いをするべきか。
上司バドと主人公“わたし”の会議室でのやりとりを通して、日常の問題点を紐解いていきます。攻撃的な態度や口調になる、相手の一度のミスを逆手にレッテル貼りをする……気持ちに余裕がない時ほどついやってしまう行動がいくつか頭に浮かび、バドの柔らかくも的確な指摘がぐさぐさと胸に刺さります。
ストーリー仕立てになっていて、読み手も“わたし”と一緒に疑問点をひとつひとつクリアにしていく展開です。状況を好転させたいときに取るべきアクションとは、まず自分が「箱」の外に出ること。そして「相手を変える行動」ではなく「自分を変える行動」を取ること。自分自身を客観的に捉えるという点で良いきっかけを与えてくれる本だと思います。
ただ個人的に、世の中には「距離を取った方がいい人」も一定数存在すると思っています。そうゆうタイプの人と接して悩んでいる人には、本書が提示する「自分の行動を直す」「自分が変われば相手も変わる」という考え方に囚われず、さっさと逃げてほしいと思わずにはいられませんでした。
周囲と良好な関係で、心穏やかに日常を送りたいですね(しみじみ)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いかに今まで自分が自分勝手で、この本のいう「箱に入った」状態だったか、反省しきり。
自分が思ってる以上に、自分の思ってることは口に出してなくても相手に伝わっている。
つまり人間は、相手が自分のことをどう感じているかを察知する能力があるらしい。
言葉でいくらおじょうずを言ってても、ほんと気持ちは伝わっている。
自分の感情、純粋な思い、相手に対しての思いやりを裏切ることによって、いかに今まで自分を正当化するのに必死で無駄なエネルギーを使っていたか、を思い知った。
自己正当化のイメージ、そして自分が勝手に作ってしまっている思考の枠、この本では箱の中にいるから、まわりに対して批判的だったのかがわかった。
なにより箱の外に出るには、自分が箱の中に入っているということを認識して、単純にこの箱の外に出たいと願うこと。
それには目の前にいる人をありのまま受け入れ、尊重すること。
人間関係をよくするには、やり方ではなくて、やはり日頃の自分のあり方の問題だと思えた。 -
会話文のような形式だったので若干自分には読みにくかったが、とてもためになった。
この間の自分の行動を振り返ってまさに自己欺瞞から相手との壁を作っていたなと捉え返した。実践編も読んで行動を改めたい。 -
ビジネス書かと思って読み始めたのですが、仕事だけでなく人間関係全般に大切なことが書かれている本でした。
本書で言う「箱の中に入っている」状態というのは、自己欺瞞に囚われている状態のこと。
「箱の中にいる」とき、人は自分で自分を裏切り、そんな自分を正当化するために、周りの人たちを低く評価したり、身近な人にひどい態度を取ったりするのです。
本書は、主人公が上司のバドから「箱」についてのレクチャーを受ける形式でストーリーが進みます。
バドは優しい語り口のとてもフランクな人物ですが、「箱」について主人公と読者の痛いところを突きながら、的確に抗議を進めていきます。
読みながらヒリヒリした思いで我が身をふりかえること多々。
時々、自分が「箱」の外にいるのか、中にいるのか、客観的に自分を観察する目線を忘れないようにしようと思います。 -
自分の小さな「箱」から脱出する方法
アービンジャー・インスティチュート(著)
金森重樹(監修) 富永星(訳)
2006 11/5 第1刷発行
2016 2/1 第45刷発行
再読。
良くお客さんに紹介させていただいています。
今回久しぶりに手元に戻って来たので
あらためて読ませていただきました。
人間関係にとって大切なことは言動ではなく
その時の「心の位置」だと
分かりやすく説明してある本書。
自分への裏切りと正当化により
目的と違う努力をしてしまうために
本来の結果が得られない。
わっかりやすー!
ホントにわっかりやすー!
さらに踏み込んだ「実践 自分の小さな…」も
読むと良いと思うよー。 -
この本をよんで私は人間関係がぐっとシンプルに考えられるようになった気がします‼
この本では前置きでこう述べています。
我々が『人間関係の問題』と呼んでいる一見バラバラな症状、あらゆる問題を引き起こしているのは、たった一つの原因なんだ。それさえ知っていれば、人間関係の問題を効率的に解決でき、問題を一撃で解決できる
ほんまかいな、と思いながら読み進めると、どんどん引き込まれました。
箱の外にでる、ということは相手を悩みや希望を持った、一人の人間としてみること。それこそが、箱の外にでるということなのだそうです。こう書くと当たり前じゃん、と思われるかもしれませんが、私たちは普段周りの人のことを「もの」としてみてしまっているのではないでしょうか?
そして、自分自身が他の人に対してすべきだと思ったことに対して、背く行為を自分自身への裏切りと呼ぶ。いったん自分を裏切れば、自己正当化と言って、周りの世界を自分の裏切りを正当化する視点から見るようになる、と述べています。
例えば、「私」息子が幼かったある晩、息子の泣き声で目を覚ます。妻が隣で寝ており、妻が休めるように何かをしてあげたいと思った。ところが、「私」は自分がすべきだと思ったことを裏切り、ベッドに入ったまま動かない。妻のためになにかすべきだと思った自分自身を裏切り、逆らって行動したのだ。感情に背いて行動した結果、「私」は自分のことを正当化し始める。眠ったまま起きない妻は泣いている子供を放ったまま狸寝入りを続けるひどい妻、怠け者と評価し始める。自分のことは子供の変化に敏感で、勤勉ないい夫だと評価し始める。翌朝しなくてはならない仕事が、さも重要に思えてきたり。
起きない自分を正当化する理由になる。そうなると、自分がほんとうに求めているものが見えなくなり、そして、自分が正しい、正当化されることが一番になる。自分が正しいことを証明するために、
相手を責めるようになる。
では、箱の中から抜け出すには?
行動を変えても、コミュニケーションをとっても、自分が箱をもっていることは相手に伝わる。
肝心なのは、一人の人間として、人と接することと、自分が相手のためにこうしたい、と思うことを実行すること、というシンプルなもの。
以上がこの本の要旨ですが、この本全体を読んでストン、と腑に落ちた感じがします。
わかりやすくて一気に読んでしまえるような本なので、職場や家庭での人間関係に一役買うと思います! -
会社の人全部嫌い、生まれ育った家族も嫌い、新しくできた家族も子供以外嫌い。なんでこんなに嫌いな人だけなんだろう。でもさすがに周りが全部悪いなんてことはないんだろうなぁ、自分のとらえ方の問題なんだろうなぁと思っていたけど、どう問題があるのかはわかってなかった。
この本を読んで、私の問題は、私が自分ですべき、と思った行動をしないツケを、周りの人の評価を自分で下げることで自分の中で帳消しにしていること、感覚的には周りの人をモノと思ってしまっていることだとわかった。そこから踏み出すには、自分は間違っているかもしれないと振り返ることが必要。振り返った後は、自分を裏切らないようにふるまうことを決めた。
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①自分の周りの人は、会社の人は会社に利益をもたらす仲間、家族は幸せになるためにすごく仲間である
②自分のすべきことをせず、裏切ると、①のような人たちに対して、周りの人が悪いから自分はしなかったんだと思い、周りの人の評価を下げてしまう
③結果、モノとしてみなしてしまう
④そこから抜け出すには、自分を顧みること。意地になって戦いを仕掛けてないか、自分の正当性をしめそうとやっきになっていないか
⑤思い当たる節があれば、過去の振る舞いについて正直に謝る
⑥その後は自分を裏切る行為、すべきと思ったことを、理由を付けてやらないという自己欺瞞行為をやめる。④から⑥の見直しを続ける。 -
本書はなかなか面白い例え方をしている。自分の殻のことを、箱と表現しているのだ。そして、箱から出て世界を見ることを勧めている。以下は私のお気に入りの考え方である。本書より抜粋している。
「相手を責めている場合は、必ずこちらが箱の中に入っている。自分が他の人にすべきだと感じたことに背く行為を、自分への裏切りと呼ぶ。そして、一旦自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。 」
これらを知ってから、自分が他の人にすべきだと感じたことは、率先して行うよう実践している。初めのうちは簡単ではないが、時期に慣れるであろう。自分への裏切りについては、自分自信で薄々気付いていたのだが、このように文章で指摘されると、明確に意識出来る。自身は分かっているつもりであったが、ここまではっきりとは理解していなかったと反省した。 -
自分の考えの中に陥ってしまうこと、またその状態を「箱」と表現している。自分中心の考え方を修正していることを箱から「出る」と言っている。まず、自己中である状態を説明して、その状態を確認すること。自分をあざむくことから、問題が発生する。自分は気付いていない、自己欺瞞が発生源であることを説明する。問題が見えない人ほど深くはまる。自分への裏切り⇒あいてのするべきことを責める⇒被害者の自分を正当化。箱の中は居心地がいい(相手も)箱の中に入るように仕向ける。箱から出るためには、「素直な自分を引き出す。楽な人間関係を選択。他の本でも同様の事柄の説明をしていたものがあるが、本書の説明が自分にはあっていたようでよく分かった。
時々読み直す必要があると考える。 -
何度も読み返して、この考えをきちんと自分の中に取り入れたい、と思い3周は読んだのだが、まだ人に説明できるまでには至っていない。自分の考え方次第、心のあり方次第なのだと考えさせられた。