- Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784479793489
感想・レビュー・書評
-
社会派ちきりんの世界を歩いて考えよう!
本書は、ちきりんさんが海外を訪れた時に実際に見たもの、感じたもの、現地の方と話したことなどをもとに、彼女自身が考えたことがまとめられたものです。
まだ海外に行ったことがない私にとって、海外に行ったような気分にさせてもらえる本で、読んでいてわくわくしました。どれも印象的な内容だったのですが、特に印象的だったのを記録がてら書いておきます。
一番印象的だったのはモスクワの現代美術博物館にある、レーガンから見た世界地図です。日本が「JAPAN CORPORATION」となっていて、しかも地図が車の絵だったのには腹を抱えて笑いました。この他にもコーラ事情が国の経済レベルを反映するとか、当然過ぎて格差を「認識」することすらなかったインドとか、チップが再分配の役割を果たすとか、お金で買える価値のあるものが何もないビルマとか・・・いかにも社会派らしい視点で書かれていて感服しました。
最初から最後まですごく楽しませてもらったのですが、最後の最後に書いてあったことが本当に心に刺さったので書いておきます。
旅行は旅行が好きな人がすればいいのです。何かを学ぶため、視野を広げるため、成長するため、強くなるために旅行するなんて邪道です。行きたい人だけが行けばいい。
これ、普通に考えれば当たり前だと思うのですが、海外に行く目的が案外「何かを学ぶため、視野を広げるため」みたいな人が多いような気がします。私は来年から社会人になる身ですが、就職先の社員の方々は口を揃えて海外に行ったほうがよいと言います。大学生と社会人では時間の自由度が圧倒的に違うし、就職先自体も結構海外志向なので、彼らが海外に行けと言うのはすごくよくわかるし、圧倒的に正しいと思います。でも、これって、多分ですけど、ちきりんさんの言う邪道を推奨しているということですよね。純粋に海外楽しんでこい!というよりは、海外行って視野を広げてきなさい的なニュアンスのほうが強いと思います。繰り返しますが、別にこれが間違っているとは全然思わないし、むしろ正しいと思います。でも違和感を感じるのも事実です。何も海外に行かなくても日本で十分楽しいし、本読むだけでも視野は広がるし、学べます。しかも圧倒的に安く。
とはいえ、一度も行ったことがないのはやっぱりどうかなーとも思うので、大学生のうちに一回は行っておきたいと思います。なんかぶれてる感じですが、人間そんなものでしょうw詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちきりん氏が自身の海外旅行を通じて感じたことをつづった本。
多くの国を訪れていることに驚かされるが、
氏独特の視点で描かれる旅行記は本当に楽しく、
色々な示唆も得られる良書。
海外へ出て行き、幅広く知見を得る必要性を感じると共に、
当たり前のことを当たり前に思わない必要性、
無関心の与える危険性を痛感した。
これは海外旅行に限らず、普段の生活の中でも言えること。
本書を読んで、自分自身いくつか行きたい国も出てきた。
次に海外へ行くときには、また違った視点で訪れることが出来そうだ。 -
すごく面白かった!
私は旅行好きでもないし、特に海外に行こうと思っていたわけでもないけれど、とても楽しめた。
世界を歩いて考えようなんて自己啓発本とかでありそうなタイトルだけど、ある国に対してこう考えろああ考えろなどという内容ではなく、筆者が旅行した時のエピソードをまとめた紀行的な内容だった。
とは言え各国でのエピソードはその国の制度や慣習に絡めて語られており、考えたり想像を巡らせる面白さもあった。
・奴隷を使って作られた、今後作られる事がないかもしれない「人間の人生より大事な美術品」
・なぜシンガポールがアジアで最も裕福になれたか
・それぞれの国の富の再分配方法
のあたりのくだりは読んでいてかなり興奮した。 -
海外旅行で目の当たりにする文化や思想の違いを本質的な目線で捉えた、ちきりんさんの感性が満載の良書
日本人は往々にして他国の文化や人に対して「日本人はこうだけど、あそこの国は〜」と批判的な語り口をする輩が多いが、ちきりんさんはそのような違いが生まれる背景について社会的な背景を踏まえた上での本質を見抜こうとアタマを働かせるところが本当に素晴らしいと思う。
ちきりんさんの足下にも及ばないが、自分も物事のバックグラウンドにまで気を回せる考え方をしたいと思う。 -
「社会派の旅人」の著者が世界各国を旅する視点は、いままでの私がまったく意識せずにいたものばかりで、目からウロコというか、旅ってここまで楽しむものなんだ!と今まで漫然と旅をしていた自分をちょっと反省しました。
・リプトンのティーバッグでお茶を出すことが何よりのおもてなしとなる国があること
・コカ・コーラの流通の仕方でわかる国の発展の過程
・自国通貨より外貨を欲しがる国
・お金では豊かさが買えない国
自分も旅をしたときにもっともっと現地のことに目を向けようと思いました。(ホテルの快適さばかり見ずに・・・)
旅をする前にはぜひ読み返したい本。 -
●内容
・元外資金融勤務で、プチリタイアした著者による世界旅行記。
・豊富な知識に裏打ちされた確かな「学び」
●コメント
豊富な勉強と、過去の経験から「ちょっとした出来事」にも鋭い洞察を加える。その洞察は現地での「お金」や「社会構造」にまで及ぶので、ただの遊びの旅行とは大違い。これぞ「旅」の理想像。
(引用)
・(現地通貨よりもドルでの支払いを求められる経験から)こういった経験をすると、自分が「自国通貨を信頼できる国」に住んでいることのありがたみを強く感じます。よく考えてみると、国際市場で自由に両替可能な「ハードカレンシー」を持っている国はそんなに多くはないのです。普通に働くだけでそういった通貨が得られる国で生活していることの有利さは、普段は意識もしないけれど、実はものすごく恵まれたことなのです。
・(お金持ちのビルマ人とのやりとり)私は、彼の質問を反芻しました。「おまえは家を持っているか?」「車は持っているのか?」「ではお金を持っているか?」…すべての質問に対する私の答えは「いいえ」です。それでも私は、目の前でその問いを発している「すべてを持っている男性」より自分のほうが圧倒低に豊かであることを自覚していました。
「何を持っているか、ということが、これほどまでに豊かさと無関係なのだ」と気が付いた瞬間でした。 -
面白くて一瞬で読み終わっちゃった。
ちきりんさんの色んな経験がぎゅっと詰まった一冊。
私も海外に行くときに参考にしようと思う事がたくさんありました!