やってのける~意志力を使わずに自分を動かす~

  • 大和書房
3.86
  • (90)
  • (121)
  • (74)
  • (16)
  • (9)
本棚登録 : 1475
感想 : 120
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784479794127

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 著者の別の書『やり抜く人の9つの習慣』が、ビジネス本として、すごい実践的だったので、この著者をもうちょっと知ってみたいと手に取ってみた。

    目標を達成する為の手段・方法・考え方が、心理学的な観点から網羅されている印象。チャプターごとに要約があるのも実践的かも。
    特に様々な実験や参考文献も多く紹介されているので、この本から興味関心を広げることも出来るなぁと感じた。


    --------------
    遠い将来について考えるとき、わたしたちは現実的な考えより、メリットを優先させる理想主義者の視点に立ちます。近い将来について考えるときは、ビジネスライクな現実主義者の視点に立ちます。(略)つまり、予定を決めるときは、近い将来か遠い将来についてどちらについて考えているかを自覚し、それが自らの思考にどう影響しているかを考慮すると、よい判断がしやすくなります。(P48)

    ほとんどの人は獲得型と防御型のどちらかの思考にフォーカスが偏っています。(略)これまでの人生で重視してきたのが「達成や称賛を求める」なのか「義務と責任を果たす」なのかなどによって判断できます。P101

    獲得型は、探索的で、抽象的な思考を好みます。あれこれとアイデアを思い浮かべ、多くの選択肢から理想的な方法を見つけるという創造的なプロセスを得意とします。防御型の人にはこのような抽象的な思考や想像力は、無謀で時間を浪費するものにうつります。危険を避けるためには、何よりも行動が必要です。(略)
    獲得型の目標には獲得型のアプローチを、防御型の目標には防御型のアプローチをすることで、動機づけを高めやすくなります。ヒギンスは、最適なアプローチによって目標が達成しやすくなるだけでなく「正しいことを行っている」という感覚が得られると指摘しています。P117-118

    「人間の基本的欲求とは何か」(略)「自己決定理論」には、多くの心理学者が同意しています。基本的欲求は「関係性」「有能感」「自律性」の三つであると定義っします。P127


    内発的動機づけは、自らの意思で選択していると感じるだけでも生じます。デシとライアンは、自分の意志で選択できる、もしくは選択できると感じられる状況で、自律性が高まると述べています。P132

    難しいことをするときは、小さなステップを意識する。P144

    自制心の回復を早めたり、回復させる余裕がない場所に使える方法があります。一つは、前にも紹介した「伝染力」の活用です。目標達成を目指す他者を思い浮かべることでその行動への意欲を高められるのと同じように、自制心が優れていると思われる友人や知人を思い浮かべることで、その自制心に伝染できるのです。(略)自制心をよく鍛えている人を観察するだけで自制心が高まることを示す研究結果もあります。自制心が必要なときは、誘惑に負けない、意思の強い知り合いを思い浮かべてみましょう。自制心の優れた人と積極的に付きあうようにすることも効果的です。P200

  • 具体的かつ実践可能な行動計画を建てることが大事
    ★本の概要・感想
     コロンビア大学ph.dの著者が「目標達成」について語る。誰もが大事だと思っているが実践しづらいことはないか?「計画をたてること」「人の目を気にしないこと」「簡単に諦めないこと」等。そのような行動習慣について科学的見地から「それが大事なんです!」と解き明かしてくれるのが本書。学校が夏休みの宿題の実行計画を建てさせようとすることには、意味があったのだなぁ等と思う。モチベーションや目標達成率に関わる多くのTipsが紹介されている。どんな立場にいる人にも実践可能なことが書いてあるのでおすすめ。

    ★本の面白かった点、学びになった点
    *目標だけではだめ。具体的な行動計画をセットにする
     目標だけを与える場合と、具体的な行動計画をセットで与えた場合、目標率の達成率に大きな差がでる。休暇中の過ごし方についてまとめて提出してもらう課題を出したところ、具体的に「いつ、どこで書くのか」までをセットで書いた群は、かなり多くの人が書くようになった。したがって、どんな目標でも、そのために、具体的に何をどこで行うのか、までを考えなければならなないい。

    *「能力の習得」のために動こう。「能力の証明」のために動いても頑張れなくなる
    ・この世には習得型と証明型、動機づけに2パターンが存在する。習得型は自身の能力を伸ばし、新しい知識や経験を得ることを目的としている。証明型は周囲の人間に自分の優秀さを証明するために動いている
    ・端的に言うと、証明型を続けると不幸になる。したがって、できる限り習得型で動くようにしてもらいたい
    ※場合によっては、証明型の動機の方がよい場合もある

    *無意識に訴えかえける
    ・無意識で決定した通りに人は動くようになる。例えば、実験前にある調査をおこなって 

    *目標達成のために必要なのは才能よりもGRIT
     GRITという本が出てからこの「才能よりも努力し続けられるかどうか」が目標達成に必要である。この事実はある程度周知されつつあるなぁ

    *「自分で選んだ道だ」と思えると人は頑張れる 
    ・何をやらせるにしても、できる限り「自分で選んだ」と実感させることが大事である。カスタマイズ性や操作性をあげると、おなじ学習アプリでも生徒のハマり方が変わるのだ。名前やデザインを自由に変えられるようにした場合、より多くの生徒が学習アプリにハマるようになった
    ・ただやらせるのではなく「自分で選んだ」と思わせることでモチベーションは上がる

    ●本のイマイチな点、気になった点
     キャリア系研究者の本を何冊か読んだ人には目新しいことはすくないかも。スタンフォードのティナ・シーリグの本とか。行動経済学系の本とか。

    ●学んだことをどうアクションに生かす
    ・具体的な行動計画を手帳に書く
    ・フィードバックはきっちりとする。出来ていないことを慰めない
    ・無意識を形作るためにプロとして読み終えたい本を置く

    ●タグを設定しよう(evernoteにもね)

  • 目標達成に関する社会心理学の研究成果を分かりやすく解説した本。
    目標の立て方、自制心の鍛え方、他の人の目標達成をうまく手伝う方法などが書かれている。文章や内容が難解なわけではないが、奥の深いトピックが続くため、理解し実践するためにはかなり読み込まないといけないと感じた。

    訳者あとがきでは本書を以下のように説明している。
    「本書は、「こうすれば必ず成功できる」「あなたも絶対に目標を達成できる」というような甘い言葉で読者を誘惑する、いわゆる「自己啓発書」とは大きく性質を異にします。……ハルバーソンは本書を読むことで、「誰でも目標に近づく力を高められる」と力強く主張しますが、決して「こうすれば誰でも必ず簡単に目標を達成できる」などと事実ではないことを主張したり、「何が何でも目標を達成しなければならない」と読者を煽ったりもしません。」
    本文を読む前の時点では、この説明がピンと来なかった。「誰でも目標を達成できるように助ける本なんじゃないの?」と思ったからだ。しかし、本書を一通り読み終えた後、この説明はすんなりと納得できるようになった。著者はあくまで心理学の研究成果を解説しているに過ぎず、実際に行動に移すかどうかは読者次第ということだ。しかも、行動するには粘り強い努力が必要であり、決して「誰でも簡単にできる」訳ではない。真実を述べている本だと思う。

  • 自分はネガテイブだからって何でもかんでもポジティブに考えようとしてきたことを反省…
    「成功を確信すると同時に、成功のためには厳しい道のりを乗り越えなければならないと覚悟する」

  • 証明型と習得型

  • 自制心が筋肉みたいなものだという話,どこかで聞いたことがあると思ったら,『意志力の科学』でもそう言ってたのを思い出した.またこの手の本を買っていたことに改めて自分の意志力の弱さを感じてしまう.
    「なぜ」と「何」を考えることで,動き方が変わる.僕は「なぜ」にフォーカスを当てがちなので,「何」にも注目して動けるようになりたい.つい先日,第1四半期ですべきことを工程表に落とし込んだら確かに動いた.気がする.
    目標はあくまで自分が決めたほうがいい.少なくともそう思わせた方がやる気が出る.自律って大切なんだなぁ.
    あと面白かったのが,こんな時にはこんな目標を立てると良い,というもの.僕はスピードが遅いので基本的には「獲得型」の目標が最適.心しておこう.

  • 現実的な楽観主義

  • 目標を成し遂げるためにはどうすればいいのか。
    自分の意志を目標達成にスムーズに向けるための方法論である。
    「証明型」と「習得型」、「獲得型」と「防御型」など自分のタイプや状況に応じたアプローチは非常に納得できた。

  • 【由来】
    ・amazonで意志とか選択の科学関連の本を探していて出てきた。面白そうだが1冊に対して待ちが8人。ちょっと後回し。

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

全120件中 21 - 30件を表示

ハイディ・グラント・ハルバーソンの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×