- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480033024
感想・レビュー・書評
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松岡和子・訳。ミュージカル観劇の予習にと思っていたが間に合わず,今読了。リライトされたシェイクスピアは読んだことがあるはずだが(学生時代の英語教材?),完訳を読むのは初めて。猥褻な言葉・ほのめかしがあるのは意外。松岡訳は本来の意図をくみつつもこなれた日本語に訳していて(各ページ下にうるさくない程度に訳注あり)読みやすい。
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恥ずかしながらの初シェイクスピア。誰でも名前は知っているこの戯曲も、情けないことに通読したのは初めて。大仰な台詞たちのいちいちを、心行くまで味わい尽くすところに楽しみ方の真髄がある訳ですね。物語そのものをひたすら味わいたい自分のような者にとっては、あまり向いてないかもしれないす。
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”おやすみ、おやすみ!
別れがこんなに甘く切ないなら朝になるまでおやすみを言い続けていたい”
という超有名な台詞はこのロミオとジュリエットの物であるとは知っていたけど、今までそれがどのような前後の文脈で発せられた言葉かをわかっていなかった。それが今回読んだことで場面や登場人物の心情をよく理解できて、生きた言葉として頭に入った。
”一万人のティボルトを殺したも同じだわ”には思わず笑ってしまった。彼には大変申し訳ないが・・。好きな人物はロレンス、逆に嫌いなのは老キャピレット。 -
中学生の頃福田訳で、大学生の頃小田島役で読んで、これで3回目。脇役の男たちが卑猥な冗談を言っていたのは記憶に残っていたが、ジュリエットの乳母までも意味深な冗談を言っていたのは今回初めてわかった。
しかし10代の頃はこの手のものが好きだったんだろうな。今読んでもどちらかというとかったるい。 -
悲劇というより、青春恋愛劇の様相。頭の中でジュリエットがオリビアハッセーになてしまう。「ああロミオ、ロミオ なぜあなたはロミオなの」がすぐに出てきたのは意外。
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有名な戯曲であるが、いままで読んだことがなかったので、今回読んでみて、そのストーリイにまず驚いた。「4大悲劇」にも分類されていないから、このような悲しい結末を迎えることすら知らなかったのだ。ただ、展開じたいは単純で気軽に楽しく読める。世界中で読み継がれている理由というのもよくわかる。内容には多少不満もあって、眠り薬の件なんかいかにも無理矢理でオカルティックだし、また作中の随所に下ネタなどがちりばめられている点も、著者一流のユーモアらしいが、時代背景もあるとはいえ個人的にはいらない要素としか思えなかった。かりに現在のシナリオ・コンクールに、このような筋書の作品で下ネタを含んでいたら、間違いなく銓衡委員にはダメ出しされてしまうだろう。ただ、やはり読んでみて、物語の元祖というか、基本的なさまざまな要素が凝縮されていることがよくわかる。内容は100%評価できるものでもないが、それでも折に触れて読み返したい良作である。
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結構下ネタが入っていたのが意外だった。
映画よりもコンパクトにまとまっていて良かった。 -
漠然と内容を知ってはいたものの、実際に読んでみるとかなり印象が違いました。登場人物が多くて最初は「これ誰?」と苦労しましたが、そんなことも気にならなくなるくらいの疾走感にあふれています。
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読む前は漠然と純愛モノだと思っていたのですが、読後はすっかり印象が変わりました。ロミオ達の若さゆえの愚かさと、モンタギュー家とキャピュレット家、両家の大人達が持つ「家」に縛られる愚かさ、そして牧師の、知識があるがゆえの愚かさが絡み合って悲劇的な結末を迎えます。
フィクションで描かれる学園祭などの演目としてよく名前が上がるこの作品ですが、わりと下ネタもあったりして演じるのはなかなか難しそうですね(´ー`;) -
言わずと知れた恋愛悲劇。話の筋もだいたいみんな知っているけれど、きちんと読んだことはなかったので、読んでみました。
確かにラストは悲劇的ですが、戯曲全体はスピード感あふれる喜劇的要素の強い作品です。かなり猥褻で直接的なセリフもたくさん出てきます。
なんて言っても、ジュリエット若すぎ。14歳の誕生日2週間前なんだよ。
ロミオ心変わり早すぎ!ロザラインという女の子にメロメロだったのに、日曜日の晩のダンスパーティでジュリエットに一目ぼれ。有名なバルコニーの場面となります。翌月曜日の午後には密かに結婚。こんなのあり?
火曜日にはジュリエットの従兄を殺してしまい、方やジュリエットの父親は別の結婚を決めてしまいます。その日の晩には例のしびれ薬を飲んで、水曜日の朝には仮死状態で発見され、その日の晩に二人は死んでしまいます。この間わずかに4日間。ちょっとちょっとという感じですよ。
そしてその4日間で4人の若者が死に、モンタギュー家とキャピュレット家はともに跡取りを失います。
四大悲劇のような重さは全くなく、話の展開が早すぎるので悲劇的要素をほとんど感じ取ることができません。
その点、この作品を脚色した後世の作品(バレエやウエストサイド物語など)では、悲劇的要素を拡大させて、話をドラマチックに仕上げる工夫が必要になったんですね。
言葉遊びも多いし、翻訳にはかなり苦労したと思います。
原書名:Romeo and Juliet
著者:ウィリアム・シェイクスピア(Shakespeare, William, 1564-1616、イングランド、劇作家)
訳者:松岡和子(1942-、中国長春市、翻訳家)
解説:中野春夫(1957-、英文学)