命売ります (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 6113
感想 : 645
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480033727

感想・レビュー・書評

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  • 金閣寺とは全く違って気軽に読める内容でした。
    命を売って依頼をこなすがなぜか生き延びてしまう。主人公は死ぬつもりだから周りからが肝が据わっていると驚かれる。人間死ぬ気になれば何でもできて、命や自分が大事だから臆病になって行動できないことが良くわかります。けど最後は生きるための行動をしっかりしていました。

  • 面白かった。
    年月が経っても、おもしろいものは面白いんだと感じた。

  • 「彼の人生の無意味は、だからその星空へまっすぐにつながっていた」

    自殺に失敗した男。おまけに過ぎない命を売ろうと広告を出すと、奇怪な事件に巻き込まれ…

    三島流ラノベ世界観の中に時折、命の哲学が見え隠れ。

    いやぁ、これは面白い。全く古びない!

  • この本は何度も読み直したい。

    新聞の活字がゴキブリの行列に見え始めたことをきっかけに羽仁男は自殺を試みるも失敗。どうせ一度捨てた命、いっそ誰かに勝ってもらおうと「命売ります」の新聞広告を出す。それに引きつられてやってくる訳ありの客達の依頼を"こなそう"とするものの、結局無事に生き残ってしまう。そしてある依頼を境に、命に無頓着になったはずだった彼の心の内にまだ死にたくない、という正反対の感情が生まれる。と、いうより命という鎖から解放されたことへの自尊心によって覆い隠されていただけなのかもしれない。生を捨てるという退廃、その裏に無意識に根付く凡庸な生へ這って手を伸ばすような貪欲な憧れ…
    三島は描きたかったものはこれだろうか。

  • 終盤から話のスピードが急に早くなったイメージ
    終盤で全ての話を上手く落とし込めている感じ
    最後の主人公の妙に人間らしい行動に何故か感動した

  • こんなポップで軽い文体で書かれた三島作品があるとは。でも、やはり鋭さがそこかしこに見え隠れして、終始ハラハラドキドキしながら楽しめた久々の傑作。ときどき時代を感じさせながらも、今から50年前に発表されたとは思えない作品だった。

  • ものすごくかる~く読んでいたのに、結末でいきなりドーンと現実の厳しさに突き落とされた感じ…。
    1968年、今から50年も前の作品だけど、しがらみから逃げて自由に生きようと(いや死のうと)した羽仁男の結末が、なんだかすごく現代にも通じそうな世界観。

  • 天才小説家としての三島由紀夫の心境を少なからず表しているのだろうと考えた時、ラストの主人公の姿の解釈としては、絶望や恐怖に苛まれながらも生きていくしかないということなのだろうか。
    どんなに辛い境遇の人が存在しても、人はやはり命が惜しく、世の中は何もなかったように1日を終え、人々は自分の居場所を探し、自分で何とか生きていかなければならないということを感じた。

  • 初三島由紀夫作品ですが、他の純文学とは一線を画しているのでしょうか。
    イキイキとした文章と次々とストーリーが変化していくテンポの良さと奇想天外な内容に、一気に読み終えました。
    ラストの展開が少し残念でした。

  • 2017/08/26
    面白くって1日で読んでしまった。
    三島由紀夫がこんな作品を書くなんて知らなかったなぁ。
    瑛太やら松田龍平やらで実写化しそう。笑

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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