ねぼけ人生〈新装版〉 (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
4.03
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本棚登録 : 429
感想 : 57
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480034991

作品紹介・あらすじ

陽気な落第生だった少年時代、ラバウルで死の淵をさまよい片腕を失った戦争の時代、赤貧のなかで紙芝居や貸本マンガを描き続けた戦後、そして突然訪れた「鬼太郎」と妖怪ブームの中で締め切りに終われる日々。波爛万丈の人生を、楽天的に生きぬいてきた、したたかな日本土人・水木しげるの面白く、ちょっぴり哀しい半生の記録。

感想・レビュー・書評

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  • 朗らかなニヒルという表現が素敵過ぎる
    荒俣宏氏と水木しげるの旅行誌から水木しげるさんに興味湧いて読みました。

  • 仕事に疲れた時に読むと元気がもらえる。

  • 少年時代、戦場での日々、復員後の貧困生活、売れてからの多忙な暮しを振り返る自伝。救いのない悲惨な戦場でのできごとや、先の見えない辛い貧困の様子などが細かく描写されるが、ユーモア満載、馬鹿馬鹿しく笑える文章の技で楽しく読ませる一冊。死と向き合って暮らした南方の島の民との生活に、戦後、再び戻ることを願ったものの果たせなかったくだりは切なく、幸せのあり方について考えさせられた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764697

  • 水木しげるの幼少期から漫画家として大成するまでの自伝。
    戦争体験もさることながら、戦後の貧乏暮らしが凄まじかった。

  • 水木しげるさんの半生。水木さん最高です。

  • すさまじい体験の数々を淡々と、すこし褪せた笑いも込めて綴られた本。
    ラバウルから引き上げあたりのくだりを読むと、今の自分が弱っちくてたまらなくなりました。

  • 水木しげるの半生記。
    ゲゲゲの鬼太郎誕生秘話や、つげ義春や白土三平との交遊録、アシスタントだったという、釣りキチ三平の矢口高雄のことなど興味深い逸話が収められている。
    貧乏をものともせず 、むしろそれを楽しんで力強く前向きに生きていこうとする姿勢が爽やかに描かれている。

  • 幼少期から一貫して、よく食べてよく寝た水木しげるサンの自伝。

    勉強以外の色んなことが得意でガキ大将だった少年時代。
    就職したがまったく続かず、美術学校に行きたかった十代後半。
    爆撃で片腕を失い、マラリヤに侵されながらも、土人と交流した戦争の時代。
    助成金をせしめる結社に参加し、魚屋をやったり、二輪タクシーのオーナーになったりしながら美術学校に通った復員後。
    宿を買い取ってアパート経営を始め、紙芝居を書き始めた二十代後半。
    鬼太郎シリーズの元になる話を作り、時代に合わせて貸本マンガ作者になるが貧困だった頃。
    ラバウルで交流した土人たちの暮らしを想いながら、雑誌連載の締切に追われる日々。

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    水木サンはホガラカに振り返っているけど、激烈に波乱万丈な人生だと思う。
    貧困に苦しむ時期もあれば、死んでもおかしくない戦渦のなかにいたこともある。学校や職場に定着していない時期もたびたびある。
    それでも、悲劇にならないのは水木サンの人柄なんだろうなあ。とくに戦後、文字通り、右手一本で人生を切り拓いていく様子は圧巻。

    寝ることと食べることが大好きな水木サンなのに、漫画の仕事が忙しくなってどちらも満足に楽しめないのがすこしかわいそうだったし、理想の暮らしをしているはずの土人たちも働いて金を稼ぐことに精を出してしまっていて、豊かな暮らしとはどういうことなのかを考えさせられた。好きなものを楽しむくらいの余裕がないと、本当の意味で豊かではないのかもしれない。

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    終盤、水木サンの職場に現れる、つげ義春さんがとても気になった。数回の登場だけでここまで陰気な印象を残せる人はあまりいないと思う。
    つげさんについてももっと知りたいと思う。悩んで苦しんだ挙句、描くのをやめた異才の漫画家。自伝とか出てないのかな。

  • 水木しげるの半生が書かれている。
    実話がリアルに書かれていて面白い。
    戦争の頃の話、幼少期の思い出など。
    彼の独特の世界観にいつのまにかはまってしまう。
    たくさんの魅力がある本だ。

    by 水木

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著者プロフィール

1922年(大正11年)生まれ、鳥取県境港市で育つ。太平洋戦争時、ラバウル戦線で左腕を失う。復員後、紙芝居画家を経て貸本漫画を描き始め、1957年『ロケットマン』でデビュー。以後、戦記もの、妖怪ものなど数多くの作品を発表。1965年『テレビくん』で第6回講談社児童漫画賞を受賞。1989年『昭和史』で第13回講談社漫画賞を受賞。1991年紫綬褒章受章、2003年旭日小綬章受章。主な作品に『ゲゲゲの鬼太郎』『河童の三平』『悪魔くん』『総員玉砕せよ!』『のんのんばあとオレ』など。2015年11月死去。

「2022年 『水木しげるの大人の塗り絵 あの世紀行』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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