- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063519
感想・レビュー・書評
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会社はだれのもの?株主主権はどう正当化される?っていう問題を分かりやすく解説。日本型企業統治の歴史,アメリカとの比較,従業員主権論への批判的考察を通じて,「モノ言う株主」を擁護。
そもそも株主は,会社の売上から,従業員への給料,債権者への支払等を済ませて,残った利益から一番最後に配当を受ける。だから株主の利益を最大化するように運営すれば,会社のステークホルダー皆が利益を受けられる。株式会社という制度はそういう考えに基づいて設計されているのだが,日本では,会社の内部情報を把握し,重要な意思決定をし,付加価値を創造するコア従業員が主権をもつという慣行が広くなされてきた。これが日本型企業統治。80年代のアメリカでは企業買収が相次ぎ,企業の効率化が促進され,それによって株主は利益を得たが,日本ではなかなかうまくいかない。
「株主丸取り論」や「経営者が株価を気にするようになると、現場や人を大事にしなくなる」という日本の株主アレルギーを冷静に克服すべしと著者は訴える。株主主権論は何も従業員や経営者が会社の価値を創造することを否定しないし,短期的利益しか考えないわけではない。誤解を正すのが大事。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第2週 1/18(水)~1/24(火)
テーマ「学ぶ」こと・「働く」こと
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https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00172110 -
【きっかけ】
金融日記のブログ
http://blog.livedoor.jp/kazu_fujisawa/archives/51872693.html -
今後TOBや株式に対して日本のなかでも考え方が変化しうるであろう。
会社は誰のものか、という命題には、個人的にはあまり興味がもてない。 -
2011.3.21
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[ 内容 ]
相次ぐM&Aにより、「会社」をめぐる論議が高まっている。
しかし、株式会社の本質からすると、それらの主張の中には感情が先走った誤解や論理的とはいえないものが少なくない。
そもそも株式会社とは何か。
本書は株主主権か従業員主権かの対立をめぐる問題点と日米の企業統治の差異を検証し、冷静に株式会社を考えるための土台を提供する。
[ 目次 ]
序章 会社はだれのものか
第1章 アメリカ型企業統治
第2章 日本企業の行動と日本型企業統治
第3章 日本型企業統治の評価
第4章 従業員主権論とその問題点
第5章 株主主権とは何か
第6章 株主主権型企業統治の問題点とその改革
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[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ] -
「株式会社は誰のものか」
株主と経営者と従業員のうち、誰の利益を追求していくのがいいのか、ということが書いてある。大企業をイメージして話したり、一般論を話そうとするとこういった論が出てくるんだろう。
私はそういったことを考えるよりは、誰がどうしたくて作った会社なのかを考える方が好きだ。(会社は誰かのエゴ(WANT、DESIRE)で動いてると思う)
その会社の株式を買う買わない、つまり会社を投資の対象にするしないの立場から考える議論は、あまりにも一元的すぎる気がする。 -
仕事をしながら会社特殊技術、知識を身に付ける訓練を受けるのは正社員。
経営者と正社員が株主から自由になるためには、株主に「モノ言わぬ株主」になってもらう必要がある。
株主主権型企業の目的は株価の最大化です。株価に発行済み株式数をかけたものは株主価値ですから、株価最大化は株主価値の最大化と同じ。