- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480063557
作品紹介・あらすじ
人間が集団の中で生活することのあり方や異なる集団同士のもつれ合いと闘争…。そこには一定の解はなく、その都度の考察を必要とする。政治学の名著が扱ってきたのはまさにそのことに他ならず、現実がますます混迷を深めているいまだからこそ、それらを繙くことは千鈞の重みを持つにちがいない。厳選された三〇冊の世界へ政治学の第一人者が案内する。
感想・レビュー・書評
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●政治の意味。①プラトン「ゴルギアス」②マキャベリ「君主論」③ヴェーバー「職業としての政治」
●政治権力①アリストテレス「政治学」②ホップス「リヴァイアサン」③ロック「政府論」④モンテスキュー「法の精神」⑤バーク「フランス革命についての考察」
●政治と徳。①プラトン「国家」②孔子「論語」
●政治と宗教①アウグスティヌス「神の国」②カルバン「キリスト教綱要」③ロック「寛容書簡」
●政治と戦争・平和。①トゥーキューディーディース「戦史」②孫武「孫子」③カント「永遠平和のために」④クラウゼヴィッツ「戦争論」
●政治と経済①アダムスミス「国富論」②ヘーゲル「法の哲学」③マルクスエンゲルス「共産党宣言」④ロールズ「正義論」
●民主制論。①ルソー「社会契約論」②ジェイ、ハミルトン、マディソン「ザ・フェデラリスト」③トクヴィル「アメリカにおけるデモクラシー」④JSミル「代議政体論」
●歴史の衝撃の中で。①福沢諭吉「文明論の概略」②孫文「三民主義」③ハイエク「隷従への道」④アレント「全体主義の起源」⑤丸山眞男「増強版 現代政治の思想と行動」詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
図書館で借りた。この名著30シリーズの2冊目。
政治学は中学社会レベルでも聞いたことがある著者・作品が多かった印象。ロックやモンテスキューなど。
また前回の経済学は近代以降の本ばかりだが、紀元前のものも出てくるのが政治学の特徴。それこそ「民主政治」のはじまりは古代ギリシャからだし。
著者のコメントから察するに、「30冊を選ぶ」のは難しくなかったが、「30冊を数章の大枠に分類する」のが苦労したようだ。そういう側面で名著を並べて見ると、改めて政治学の深さを感じさせる。 -
世界的な古典名著を数ページでまとめている。このような形でまとめてくれると、その本の概要が簡単に分かるから、いざ読むとなった際大いに役立ちそう。
古典を読み切れるような読解力がほしい、、 -
世の中には「有名であるがあまり読まれない本」が沢山ある。名著と言われるものを実際に手にとって読み、味わうということは人生においてそれほど普通のことではない。と著者は述べる。
本書はあくまでも名著を案内し、原典に触れる事を促す事を目的とするものであるが、名著案内本は往々にして読んだ気にさせてくれる本でもある(場合によってはそれで終わってしまう)。という意味ではこの種の本は「諸刃の剣」であるとも言えるのかもしれない。 -
古今東西の政治学の30冊の名著の解説本で、確かに読んでみたい、読まなくてはと思う本がたくさんあったが、この本自体結構難しめだったので、やっぱり原著はもっと読みこなすのが難しいかな…と思ってしまうところはあった。まあでも、いずれチャレンジしていきたいとは思います。
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佐々木毅(1942年~)氏は、政治学・西洋政治思想史を専門とする、日本を代表する政治学者。東京大学総長、国立大学協会会長などを歴任し、現在、(社)学士会理事長、東京大学名誉教授。紫綬褒章、文化功労者、瑞宝大綬章、文化勲章などを受章している。
本書は、古今東西の政治学の古典・名著から厳選された30冊について、そのエッセンスをそれぞれ6ページ程度で紹介したものである。
収録されているのは、マキアヴェッリ『君主論』、ヴェーバー『職業としての政治』、ホッブズ『リヴァイアサン』、モンテスキュー『法の精神』、プラトン『国家』、孔子『論語』、アウグスティヌス『神の国』、カント『永遠平和のために』、クラウゼヴィッツ『戦争論』、マルクス&エンゲルス『共産党宣言』、ロールズ『正義論』、トクヴィル『アメリカにおけるデモクラシー』、福沢諭吉『文明論之概略』、孫文『三民主義』、ハイエク『隷従への道』、アレント『全体主義の起源』等。
私は、2007年の初版を購入し、これまで部分的に拾い読みをしてきたが、今般改めて全体を通して見てみようとしたのは、昨今の世界が(特に)政治的に行き詰っていると強く感じているからであるが、著者は図らずも「まえがき」でこう述べているのだ。「政治学の名著なるものはその内容が非常にごつごつとしている。そこでは人間の集団生活のあり方と個々のメンバーの生殺与奪に関わることが話題の中心であり、お互いに踏まえる現実も創造しようとする現実も異なっている。この解があるようでない世界について知的なチャレンジを繰り返すことに一定の共感と意味を見出すこと、これが政治学の名著と付き合う時に求められる条件である。・・・これらの名著が単なる知的アクセサリーの域を遥かに越えて、まさに現実を支え、さらには新しい政治的な現実を生み出した原動力でもあったことを忘れてはならない。このように政治学の名著は単に「ありがたがるべきもの」であるに止まらず、そこには恐るべき力が秘められていたのである。・・・その意味で政治学の名著はシリアスに受けとめられなければならない。そしてシリアスなものをシリアスに受けとめる習慣をなくすことはやがて大きな災いの素になるであろう。」と。
翻って、現実の世界はどうであろうか。「Alternative facts(もう一つの事実)」という驚くべき発言を臆面もなく繰り返す某国大統領をはじめ、世界の少なからぬ政治家・指導者が、思考することを止め、あまりに短絡的・感覚的なパフォーマンスに終始してはいないだろうか。。。
政治学は、自然科学とは異なり、おそらく唯一の正解の存在しない世界である。
しかし、いや、だからこそ、我々は、政治について「シリアスに」考え、今日よりも少しでも良い明日のために、「知的チャレンジ」を繰り返さなければならないのではないかと思う。
(2020年4月了) -
佐々木毅『政治学の名著30』ちくま新書 読了。書名どおりのブックガイド。入手容易な著書が多くていい。わずか6頁/冊によくまとめられるなあと。何より著者の語彙力のすごさねw ともあれロールズの『正義論』とか読みたいとは思うものの(ry 積読削減の起爆剤として一読したが裏目に出るな。
2014/05/17 -
1冊につき、紙数が少なく、物足りなさを感じながら読み進めていくと、名著を梯子として政治学物語を猛スピードで駆け抜けてきたことに気付く。体系的であり、かつ、流れる良書
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図書館で借りた。こんなあったんだ