こんなに役立つ数学入門: 高校数学で解く社会問題 (ちくま新書 653)

制作 : 広田 照幸  川西 琢也 
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480063588

作品紹介・あらすじ

収入格差がなぜ生じるのか、松枯れの被害を防ぐにはどうすればいいのか…。こうした社会問題を解く上で、高校で学ぶ微積分や関数、対数などがフルに活用されています。本書は文系・理系の第一線に立つ研究者が、自身の体験を交えながら綴る、まったく新しい数学読本です。

感想・レビュー・書評

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  • ☆2007年4月発行 民主党政権・311より前の発行
    現実はとても複雑で微妙なモノ→科学的な分析→誰もが納得する解決策
    基礎的なお勉強→ある程度進めるとある時、一気に現実の諸問題と繋がる。
    高校の数学の先生=理学部、教育学部の数学課程(現実社会経験なし・美しい数式・論理的思考能力の形成に役立つ…と生徒に説明→抽象的な事ばかり言う)
    P29科学的な知見を生産するのは研究者の役割だが、個々バラバラの知見をトータルに評価し最終的に何をすべきかの決定をするのは、市民一人ひとりの判断の総和(世論)
    エコロジー運動 かつては自然に関する干渉を減らせ!→今は科学的に最良を目指せ!
    賢明な政治判断ができるために科学リテラシーを!☆選挙の前に予想するYouTubeありそう!クイズノックでやって欲しい!

    学歴社会の経済格差 高卒の女性・雑用/新人教育/仕事早い→給料は教えている新人以下だった→退職
    生涯賃金の計算 年齢と賃金の3次方程式→年齢で19から65まで積分し生涯年収を出す☆エクセルでデータ、グラフから方程式の出し方要確認

    選挙における得票と議席 小選挙区制の下で得票率と議席獲得率との関係 S字曲線の急勾配 イギリスの事例紹介
    郵政選挙→単一の争点、有権者の投票行動が地域を超えて共通のパターン

    中学、高校でドリルが出来ないと怒る先生/数学が出来ない理由の1つ
    給料の格差を調べる→ある人の給料が他の何倍になっているかを調べる
    物価・全員給料倍になったら実質的な格差は同じなので、給料の金額そのものではなく対数値を取る
    ☆底10・給料30万=300千円 log300は5.7 log330は5.8 差は0.1 10%多い意味 log600とlog660 差は0.1で同じになる
    対数を使うと分布の形が左右対称に近づく

    ホワイトカラーの増加☆本書中では機械化で個人の属人的な技術は不要化・トラブルに対応するための学校教育によって培われる学力スキルの必要性が増したと分析
    日本のホワイトカラーの大学教育の収益率 給料の格差は拡大している☆大学には行くべき
    数学に興味を惹かれたのは先生の力量 松坂和夫「数学読本」「解析入門」
    城山三郎「小説日本銀行」仕事と伴侶。この2つだけ好きになれば人生は幸福だ。→先生を加えて3つならなお〇

    松枯れ マツノゼイセンチュウ(線虫)→マツノマダラカマキリに寄生し移動
    韓国、中国、台湾の松くい虫は日本が輸出した機械の梱包材の線虫が原因と推定
    兼六園の松 枯らさないためにカマキリの羽化時期を有効積算温量を基に日付を決める→殺虫剤
    東北地方へのカマキリ生育の調査 各地をメッシュ化/平均気温は標高、緯度、経度、陸度日付の5つの変数の一次関数 海から離れると夏暑く冬寒い
    桜の開花予報

    平松良浩1968年生☆同年代著者の311の解説を読む事/適度にlogを使って説明が分かりやすい
    地震波は波 sin cos必要
    阪神淡路大震災 日頃感じる地震が少ないからと言って大地震が起きない地域ではない/P143西日本の地震活動が活発化・その後東海から四国沖合いで巨大地震が繰り返し起こっている。☆せっかく飛鳥・奈良時代からの文献があるのだからリスト化する事・地震への備えをする事
    アメリカのリヒター博士 震央から100キロの地点に設置された地震計の記録紙上の最大振れ幅の対数を取ったモノ

    マグニチュードと回数の関係 グーテンベルク・リヒターの関係 Mが1大きい地震は回数は約10分の1になる
    MとエネルギーE(単位はジュール) log E=1.5M+4.8 Mが1大きくなるとEは10の1.5乗(約32倍)
    M2の地震が32の6乗=10億回起きればM8の地震1回分のエネルギー
    M2を人工的に起こして被害軽減できるか?→回数の法則ではM8が起きる間にM2は10の6乗=100万回/自然の中では小地震をたくさん起こして大地震を回避する事は出来ない

    野島断層保存館☆淡路島の北部/淡路市
    断層の長さL logL=0.6M―2.9 断層の長さが分かると起きる地震の大きさが分かる
    P155 L1でM4.8 L30でM7.3 L100でM8.2
    ある活断層の活動周期 2000年±500年 明日かもしれないし700年後かもしれない・ある活断層で地震が起きる確率は地震が起きない限り増える事はあっても減る事はない
    太平洋沖 大地震の繰り返し周期が短い・100年 北海道・東北沖合・30から50年

    川の汚染物質の挙動を表す編微分方程式 大学の内容 移流分散方程式、対流拡散方程式 コンピュータで解ける
    実際には微分方程式を解くよりも微分方程式を立てる事の方が重要

    1999年発行・分数ができない大学生/21世紀の日本が危ない

  • 社会
    サイエンス
    思索

  • 高校数学のレベルで社会問題を日夜解いている研究者の経験談。高校数学は何の役に立つのかと疑問に思っている高校生に最適。でも、数学の嫌いな高校生はこの本を買わないと思うな〜。

  • [ 内容 ]
    収入格差がなぜ生じるのか、松枯れの被害を防ぐにはどうすればいいのか…。
    こうした社会問題を解く上で、高校で学ぶ微積分や関数、対数などがフルに活用されています。
    本書は文系・理系の第一線に立つ研究者が、自身の体験を交えながら綴る、まったく新しい数学読本です。

    [ 目次 ]
    はじめに―高校数学が社会問題を解く
    第1章 学歴社会の収入格差を考える
    第2章 選挙における得票と議席
    第3章 格差社会を生むもの
    第4章 松枯れと闘う高校数学
    第5章 高校数学でわかる地震
    第6章 環境問題を解く高校数学
    付録1 エクセルによる賃金方程式の求めかた
    付録2 エクセルをつかった定積分の計算

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • おもしろかった。けれど、どの先生の「現代社会でこんなに役立ってるよ!」の話も、きほん、微積が役立つという話じゃないの?と思ったのだが・・・。ほかのもの(複素数とか三角関数とかベクトルとか)は、あまりカバーしていないようだった・・・。

  • 面白かった!

    今まで盲点だった「数学と実社会の関係」に焦点を当てた本。
    政治、経済、農学、環境、地震などの分野を取り上げ、具体的に高校数学が使われている様子を丁寧に描いてくれていた。

    しかし正直、数学から離れて一年以上も経った自分にとって、数学を使う場面の解説は少し難しかった。
    が、市民が数学的スキルや科学リテラシーを得る意義が強調されていた部分は、非常に参考になった。

  • 数学で社会問題を見ようとしてるが、事例は面白くない。

  • 「高校数学の知識が社会でどのように役立つのか?」
    という問いに対し真摯に答えようとした一冊。
    冒頭では高校数学の殆どの領域が
    文型・理系問わず大学の勉強で必要となることが述べられ、
    それ以降では経済格差、選挙、害虫駆除、地震など、
    具体的テーマの実態分析に
    高校数学レベルの知識が重要となることが語られていて興味深い。

    ただし、章によっては数式が全く出てこなかったり、
    部分的に大学レベルの数学が登場したりするため
    「高校数学で社会問題を見る」という期待が
    裏切られる部分もあり。
    また各章の執筆者の殆どが
    高校時代に数学を苦手としていた人であるため、
    数学好きの人にとっては
    一部、共感できない記述もあると思われる。

    それでも、数学教師はじめ
    数学を職業にされている方々には
    是非とも読んで欲しい一冊である。

  • 買って読むほどのものじゃない。

  • 何を隠そう僕は数学受験です。そうです。だからです。

  • 文系でも数学っているんだなと痛感させられました。個人的に数学ができない人のなのでダメージを受けましたが、それなりに面白い本だと思います。数式は意味不明ですが。

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