入門 老荘思想 (ちくま新書 1079)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480067838

感想・レビュー・書評

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  • 老荘思想について、新発見の資料の紹介をおこないながら解説している入門書です。

    2009年になって北京大学にもたらされた大量の竹簡群のなかに、『老子』のほぼ完本に近い内容のものがあったことが明らかになりました。そのなかには、現行本の『老子』にもとづく解釈に大きな変更をもたらす可能性のあるものがふくまれていると著者はいいます。老荘思想が中国において流行した魏晋時代に、儒家の思想に対抗するかたちで『老子』が成立したという説をとなえる研究者もいましたが、戦国時代や漢代にまでさかのぼる新資料が発見されたことで、そうした解釈は否定されることになります。

    本書では、こうした新発見を踏まえつつ、『老子』と『荘子』を中心とする老荘思想の内容についての説明がなされています。また、後年の中国および日本の思想史において老荘思想がどのようなかたちで受容されてきたのかということについても説きおよんでいます。

    老荘思想の内容と、現在の研究状況を、この分野についての専門的な知識をもたない一般の読者に理解できるようにざっくりと解説している本という印象です。読者によってはもの足りないと思うひともいるかもしれませんが、入門書としての役割はじゅうぶんに果たしているように感じました。

  • 老僧の思想それ自体だけでなく、最近の研究でどんなトピックがあるかとか、日本ではどんな受容のされ方だったのかとか、そういった周辺知識が豊富なのが類書と比べて新しいところ。
    それを余分と見る人もいるだろうけど(正直、読み始めたときは僕もそう思った)、読み終えると、すべての記述が必要だったのだなあということがわかる。

  • 文献学的な情報とか詳しいし、しっかりしていると思うんだけど、老荘思想そのものが私とはあんまり合わない感じで楽しめなかった。

著者プロフィール

大阪大学大学院文学研究科教授

「2016年 『増補改訂版 懐徳堂事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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