ロシアと中国 反米の戦略 (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480071538

作品紹介・あらすじ

孤立を避け資源を売りたいロシア。軍事技術が欲しい中国。米国一強の国際秩序への対抗……。だが、中露蜜月の舞台裏では熾烈な主導権争いが繰り広げられている。

感想・レビュー・書評

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  • h10-図書館2022/04/27ー期限5/13 読了5/5 返却5/6

  • リバランスが必要になった一番の理由は、中国の台頭、米国のパワーダウン、インドを筆頭とするアジア諸国の成長、中南米の政治経済的変動、テロリストなど非国家主体による不安定などだった。その変化に対応すべく米国がリバランスをしたことにより他国も李bランスをとって新しい均衡を模索したと考えられる。

  • 昨今のロシアによるウクライナ侵攻に対する中国の姿勢を読み解く内容
    前半はアメリカを見据えながらの政治的な移り変わりが書かれ、ダイナミックな内容だったが、後半はロシアと中国の軍備の内容ばかりの展開になり、今後を読み解く事には繋がらなかった

  • トランプ政権時代、ロシアのウクライナ再侵攻前の中露関係概説書として振り返る。時代は誰も予測できない方向に舵が切られた。本書を読みながら改めてそう思った。

  • 反米と多極世界をめざす戦略は中露両国に共通するものの、影響圏の競合などにより、両国関係は完全な同盟には至らないいわゆる便宜的結婚に留まることを説明している。

  • 独裁体制を敷き、反米で方向性を同じくするロシアと中国。両国関係は良好に見えるが、そうでない部分も少なからずある。「離婚なき便宜的結婚」ともいわれる、中露それぞれの思惑、関係性を詳説する。

    序章 浮上する中露―米国一極支配の終焉
    第1章 中露関係の戦後史―警戒、対立、共闘
    第2章 ロシアの東進―ユーラシア連合構想とは何か
    第3章 中国の西進―一帯一路とAIIB
    第4章 ウクライナ危機と中露のジレンマ
    第5章 世界のリバランスと日本の進むべき道

  • 中露の関係を勉強する教科書として、購入。
    中露関係は緊密だった。そのピークは2014年のウクライナ危機後である。
    「〇四年には長年の深刻な懸案事項だった中露(ソ) 国境問題が解決した。一四年にはウクライナ危機の深刻化により、欧米諸国から経済制裁を受けて孤立したロシアは顕著に中国へ傾斜し、中露関係がより緊密になった。」 loc.196
    一方で筆者『中露関係については、「蜜月は偽装されたものであり、その賞味期限はいつまでか」ということを常に考える必要がある。 』loc 2260という。

    ロシアの思考回路に出発し、長い長い国境線を共有する以上、関係悪化はロシアのオプションにない(ロシア側が妥協しても関係は維持される)という小泉(2019)とは微妙にニュアンスが違う。

    地域研究の専門家でも中露関係を占って、断定的なことは言えないという空気を理解。

  • ロシアと中国の動きが分かりやすく書かれていた。両国、特に中国の現状は大変なレベルに達している。

  • 東2法経図・6F開架 B1/7/1345/K

  •  最新の事象が多い上にコンパクトな新書なので読みやすい。書名に反し、ロシアを中心とした中露関係の記述が大半。反米で多極的世界の維持を目指す点では利害が一致するも、内実は「離婚なき便宜的結婚」「偽装蜜月」と本書で表されるような微妙な関係だ。
     特にウクライナ危機以降。中国は消極的にロシアを支援し、「中露の戦略的パートナーシップは歴史的に最高水準」と筆者は記している。ただ、現在も進行中のロシアの東進と中国の一帯一路による西進により、中国の影響がロシアの勢力圏を侵害するような政治面にまで及ぶと利害は相反する。また、中国によるロシアの軍事技術のコピーも問題だ。

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著者プロフィール

政治学者。

「2023年 『高校生と考える 21世紀の突破口』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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