マンガ 認知症 (ちくま新書)

  • 筑摩書房
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感想 : 74
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480073228

感想・レビュー・書評

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  • 一回サラッと読んだだけでは理解しきらないものがある、と思った。

  • 認知症のまず最初に読んでみる本としては一番よいものなのではないか。
    各章はまずマンガから始まるが、よくある導入だけマンガというのではなくマンガだけで基本的な知識は得られるようになっている。さらにより興味を持った人には後続の文章で背景的な知識を補強できるようになっている。
    マンガだけ通読しても十分意味が通るし得られるものがあるので、そういう読み方もありだ。この敷居の低さはとてもいいと思う。それでいてちゃんと新しい知見を踏まえた知識も後続の文章で得ることができる。
    今後高齢化社会で、認知症はどんどん身近になってきてしまう。いま差し迫って読む必要のある人にも、先立ってどんなものか知っておこうという人にも役立つ本だと思う。

  • 私事ですが、コロナ禍のせいで長らく帰省出来ず、去年の秋ごろから父の容態が悪いというのでようやく帰省、その際に1年ちょっとぶりに会う母の記憶力が急激に衰えていたことにショックを受けました。1〜2週間に一度は電話で話していて、その時は何度も同じ話をされても、年寄りはこんなものと気にしていなかったのだけど、何日も一緒にいて数十分前にした話を何度もされるとさすがに怖くなり…

    とりあえず掛かりつけの先生に相談し、地域の福祉センターに連絡して介護認定、ケアマネさん手配など諸々の手続きを、父の死の前後に並行してするはめに。そしてとにかく覚悟だけはしておかねばと、この本を読むことにしました。

    専門家のお話も勿論参考になったけれど、やはり体験談であるニコさんのマンガが読み易くて良かった。マンガであることで、過剰に悲壮感を煽らないのもいい。こういう心構えを実際にはどこまで実践できるものかは自信がないけれど、大変なのは自分だけじゃないと思うと少し励まされました。

  • これからに備えて少しずつお勉強の最初の1冊。

    章ごとにマンガがあり、そのあとで文章解説がある仕様。
    マンガだけで充分わかりやすく、興味のある章はより詳細を知るために解説を読むといった感じで読み進める。

    本当の体験でありリアリティがあり、あとがきの専門家の家族の話も他人事には出来ない。
    その日に向けて覚悟が必要だけれど、直面すればとにかく前進することを心がけよう。

  • これからの時代に来る超高齢社会は、認知症と無縁でいれる人は少ない。だから今から学んでおいた方がいい。

    長生きするのが、本当に幸せか。

    ある調査では、2020年現在の65歳以上の認知症有病率は6人に1人と推計されている。
    この数は、さらにこれからも増加すると予測されていて、そうなれば誰もが認知症と関わりを持たずにには居られない可能性が高い。

    本書は認知症患者の介護というシリアスな現実が漫画でコミカルに描かれている。なんなら、笑えるような描写も多い。ある種のギャグ漫画にも思える。

    だけども、実際の家族の立場で想像してみるとかなり感じ方は変わってくる。もう、全然笑えない。

    本書は、認知症患者のこころの中を知ることで、ひとつひとつの問題行動の対処法に活かそうという本だ。理由がわからないから、人は悩む。逆にいうと理由がわかれば対処もできる。しかも、書かれている具体策だけでない個々の境遇への応用も可能となる。

    漫画で本来ならシリアスな問題を、コミカルに描写した著者には尊敬しかない。しかも、自分自身の体験なのに、である。

    脳科学における記憶の仕組みからやさしく教えてくれるおすすめの一冊。

  • 大正生まれの母。デイサービスでは、認知症らしき方と一緒になるらしい。自分が認知症になっているでは?いつかなるのでは?と心配していた。この本、専門用語はでてくるけど、漫画と説明が交互にあって、認知症について分かりやすく書いているよ、読んでみる?と見せてあげた。あの人に当てはまることがあるとか、自分は大丈夫だとか言いながら熱心に読んでいた。・・・いやいや、それだけしっかり読むことができれば、あんたは認知症じゃないよ、読解力、こっちが負けそうだわと思いながら聞いた。
    ・・・感想じゃないな。

  • 認知症の人は、何を考えているのだろう。どうして「お金を盗られた」とか「ご飯を食べさせてくれない」とか言ったりするのだろう。どうして勝手に出歩いたりするのだろう。こうした疑問に、マンガで分かりやすく答えてくれた。何よりも、著者のマンガかと研究者が、お二人とも認知症の介護の体験者だということで、介護している人の気持ちに寄り添ってくれているのがうれしい。認知症の人の介護を楽にするためには、認知症の人を楽にすること、なるほど。

  • 心理学・老年行動学の研究者である佐藤眞一さんと、認知症になったお婆さまについて描いた漫画「わたしのお婆ちゃん」の作者ニコ・ニコルソンさんの共著による認知症本。

    漫画による婆ルと家族の記述と、それにまつわる専門的な文章で構成されていました。

    「わたしのお婆ちゃん」で、認知症の家族を支える介護側から見た大変さ、そして認知症になった本人の気持ちを類推してのエピソードもわかりやすくてよかったのですが、それに加えて、専門家からの知識がわかりやすく書かれていて、とても勉強になりました。


    実際に必要になる前に、また読み返そうと思います。



    そうそう「この書籍は、紙の本で買うべし!!!」


    この書籍、各章の冒頭に10ページ程度のニコさんの漫画があり、その後に佐藤先生の専門的な解説がある、という形式。それを知らずに、最初は電子書籍(kindle)で買ってしまったんですが、漫画部分が「挿絵」として挿入されているので、そのまま読むと、

    ・(挿絵なので)表示が小さめ
    ・拡大しようとすると「挿絵を開いて拡大した」状態になる
    ・本文に戻るのに「挿絵を閉じる」という一手間がかかる

    というとても読みにくいものでした。

    でも、どうしても読みたかったので、仕方なく紙の本で買い直し…。むー。


    ※紙の本と電子書籍で、どちらかを買ったらどちらかは半額!みたいなバンドル購入オプションがあればいいのにね…。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000060119

  • 2022.09.29

    「本を読んだら散歩に行こう」で紹介されていた本。
    LINE漫画で読んだ「流サレール家タテール」の作者さんだった!

    まだ私の母は認知症ではないが、一人っ子の私はそう遠くない将来母の面倒を見ることになるだろう。その時のことを考えて読んでみた。
    漫画部分がたくさんあり分かり易かった。自分には在宅介護は絶対無理だと思ったし、母もそんな生活は望まないだろう…。
    時々泣けるシーンもあり、家族の抱える介護の現状を知ることができてとても勉強になった。
    また時が来たら再読したい一冊。

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