風土の日本 (ちくま学芸文庫 ヘ 1-1)

  • 筑摩書房
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (428ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480080172

感想・レビュー・書評

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  • 和辻哲郎からのインスピレーションを引き継いで、論証的な科学とは違う、空間、風土の論理を捉えたいということは共感できる。そのための、通態(トラジェ)という概念はとても参考になった。隠喩的連関というのが、言葉の上ではなくて、実体としてある、という見方も勉強になった。

    なのに、なぜだろうか。80年代の状況がもたらす議論は、どうしても2010年の関心の先端をリードする力がない。もどかしい思いがするのだ。たとえ古くて粗削りであっても、和辻の圧倒的な喚起力に及ばない。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/87876

  • 俳句で用いている季語を比較文化的にどう論じるかをさぐっているときにであった本。
    読み進むうちに、フランス人という作者への先入観(フィルター)は失せていた。
    表面的でない論考の背後にあるモンスーン気候下での
    生活体験がうかがえて、そこに引き込まれる。
    和辻哲郎のことばを借りれば、醸化なのだろう。
    現代の哲学者(がいるとすれば)、
    和辻~ベルクの次に応えるべき視座が求められている。
    そのための一冊。

  • 77夜

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著者プロフィール

オギュスタン・ベルクAugustin Berque:フランス国立社会科学高等研究院(EHESS)名誉教授。1942年モロッコ生まれ。1969年に初来日し、以降、北海道大学講師、宮城大学教授などを歴任し、通算数十年日本に滞在する。和辻哲郎の著作『風土』から大きな影響を受け、自然にも主体性があるという「自然の主体性論」を提唱。2018年コスモス国際賞授賞。

「2021年 『BIOCITY ビオシティ 88号 ガイアの危機と生命圏(BIO)デザイン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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