百鬼夜行の見える都市 (ちくま学芸文庫 タ 22-1)

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480087317

感想・レビュー・書評

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  • 京極夏彦「妖怪の理 妖怪の檻」に取り上げられていたので
    読んでみることに。最大のポイントは平安時代の説話などに
    登場する百鬼夜行とユーモラスな付喪神で知られる百鬼夜行
    絵巻がもともと別のものであるとする点であろう。これまで
    「百鬼夜行」についてそこはかとなく抱いていた私の違和感
    というかもやもやした感じがどこから来ているのかすっきり
    と説明されている感じで非常に心地よかった。「妖怪」的な
    物事は今となっては地方であったり農村で「採集」される
    ことが多いものだが、本来「都市」というシステムによって
    生み出されるものではないかという視点も興味深かった。
    巻末の参考文献一覧を見るに、妖怪方面もまだまだ読む本が
    たくさんありそうである。困った(笑)。

  • 厳密にいうと妖怪に関する本ではないかもしれない。でも時代によって百鬼夜行が変遷していることがよく分かり、知ったふりで勘違いしているという事態に陥らなくてよくなる。

  • 他の百鬼夜行についての本とは違った視点から百鬼夜行を分析した本書。器物の妖怪と百鬼夜行とを分けて考えているところが新鮮。

  • 説話文学に見える百鬼夜行と、室町以降の絵巻に見える百鬼夜行を別のものとした考察は斬新。

  • 平安時代の「百鬼夜行」と室町時代の「百鬼夜行絵巻」との乖離や、都市平安京における怪異について論じた書。

    一般に朝日とされている真珠庵本の火の玉の正体など、独自の分析が随所に表れている。

    ちなみに巻末の解説は京極先生だったり(笑)

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著者プロフィール

国文学者。池坊短期大学国文科専任講師、梅花女子大学文学部助教授、京都精華大学人文学部助教授などを経て、2005 年より甲南大学文学部教授。専門は鎌倉時代から南北朝時代の説話や仏教文学の研究。近著に『中世幻妖 近代人が憧れた時代』。

「2016年 『世阿弥を学び、世阿弥に学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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