梁塵秘抄 (ちくま学芸文庫)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480088819

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  • 遊びをせんとや生れけむ
    戯れせんとや生れけむ
    遊ぶ子供の声きけば
    我が身さえこそゆるがるれ

    おりしも南座の都をどりでも取り入れられていた梁塵秘抄。白洲正子のかくれ里を読んで、民俗芸能への関心を呼び覚まされ手に取った。

    平安時代末期、放蕩のかぎりを尽くした後白河法皇が編んだ当時の流行歌集。
    ほとんど残存しておらず旋律なども分からなくなってしまっている。
    筆者は、当時の社会や習俗、階層に所属しない遊女(あそび)や京童など当時の流行歌を担った人々についての説明する。また神楽や宮中の流行歌の催馬楽についても触れている。

  • ◆きっかけ
    俵万智『本をよむ日曜日』で以下のように紹介されていて。
    「遊びをせんとや生れけむ 戯れせんとや生れけん 遊ぶ子供の声聞けば わが身さへこそゆるがるれ 好きな歌はと聞かれれば、まず第一にこれである。『梁塵秘抄』の歌は、どれもしらっと冷めた感じと、きゅっとせつない感じが融けあっていて、そこに惹かれる」「言葉の魔法にかかってみたい人にはおすすめしたい1冊だ。 そしてその秘密がどこにあるのかを、知りたくなってしまった人のために、西郷信綱版『梁塵秘抄』がある。 ただしこの本は、種あかしではない。言葉の一つ一つから時代背景までが大切に読みとかれ、歌を唄っていた人たちの声が聞こえるところまで、私たちを連れていってくれる——そんな本だ。 『梁塵秘抄』は手品ではなくて、やっぱり魔法なのだなあと思う。」

    →遊びをせんとや生れけむ…何かのドラマか小説かで出てきて、響きが好きで頭に残っていた歌だ。梁塵秘抄は前から気になっていたのでますます読みたくなった。
    2017/1/21

    →何かのドラマって大河ドラマの平清盛だ!本書のしのさんのレビューを見て思い出した。2017/1/21

  • 梁塵秘抄を読みたいけれど、そのまま原本を読むことは知識がなさすぎて無理なので、市販されている梁塵秘抄に関する本を見比べた結果、購入に至った本。
    他の、梁塵秘抄の研究の参考資料、参考文献として用いられている。

  • 平安末期の今様(流行歌)を集めた歌謡集。編纂した院は謡いすぎて喉を潰す程情熱を傾けたという逸話がある。内容は雑多で駄洒落や世をからかった歌、恋の歌がある。それも十分面白いが戦の多かった時代、庶民の仏への想いを込めた謡は今も心を打つ。西郷氏解説の本書は時代背景の説明も詳しく、今様への理解を深めてくれる。
    単行本が花園図書室(911/N/22)にあります。(A.N.)

      - 遊びをせんとや 生れけむ 戯れせんとや 生れけん 遊ぶ子供の声きけば我が身さえこそ 動がるれ -   

  • 梁塵秘抄の大枠が知れたというところかな

  • NHK大河ドラマ「平清盛」が今様を大変フィーチャーしており、遊びをせんとや〜♪が脳裏から離れなくなった私はこちらを読む事に。今様唄い過ぎで喉を痛めた今様フェチ後白河渾身の今様選集。時代背景や歌の解釈が詳しく、大変勉強になり、読みやすい。猿楽からの発展の過程において演ずる場の違いや目的の違いから雅楽や能楽に別れて行ったことなど、芸能史の勉強になった。

  • 専門書というより、論文の合間にひょいっと抜き出してみたような解説。ことばと音楽の関係の、時代と共に変遷していく様子はおもしろい。
    梁塵秘抄を声に出して読みたくなった。

  • 1154夜

  • 梁塵秘抄を読んでみたくて、入門編として買ったけど途中で留まってる。

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著者プロフィール

1916年、大分県生まれ。東京大学文学部卒。日本の古代文学研究の泰斗。歴史学、人類学、神話学など新たな視野を国文学研究に取り入れ、古典の読みを深化させた。横浜市立大学、ロンドン大学、法政大学などで教授を歴任。2008年没。著書に『古事記注釈』(角川源義賞)、『古代人と夢』『詩の発生』『古事記の世界』ほか多数。

「2017年 『梁塵秘抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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