- Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
- / ISBN・EAN: 9784480421746
感想・レビュー・書評
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ゆるく穏やかな時間がこの小説には流れています。今の時代は直ぐに答えを求めようとするけど、別に答えなんかなくてもいい。ただ過ぎゆく時間に身を任せていたら、後から意味がついてきて、後々幸せだったなあと思えることもある気がします。
一つ言えるのは、その意味がついてくる時に、やっぱ人が絡んでいるということ。利害なくフラットに出会える人間こそ、自分に豊かさをもたらしてくれるんじゃないかなと思いました。
何か理由がなくても、人が集まることの意味を感じさせてくれるストーリーです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつぞや どなたかのレビューを読んで本棚に登録していた本。
ふと読みたくなり、図書館で借りた。
バタバタジタバタと日々過ごし、
忙しくしている割には、何も残らない。
そんな風に感じている自分に
時が処方してくれた本のようだ。
たまたま休みとなった平日の暖かい昼下がりに
のんびりとした気持ちでページをめくり、
なんとも言えない懐かしさと
ゆったりとした時の流れを感じることができ、
癒された。
この雨降り先生のように
本当にやりたいことを右の机に積み上げて、
日々生活のための左の机にかかりきり
という気がしてならない。
月舟町の小さな食堂で
常連客が掛け合うたわいない話が
何か哲学的で、宇宙の謎をとくような
不思議な味わいがある。
「もし、電車に乗り遅れて、ひとり駅に取り残されたとしても、まぁ、あわてるなと。黙って待っていれば、次の電車の一番乗りになれるからって」
というバリスタ、タブラさんの言葉が心に響いた。
2022.3.14 -
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/764838 -
ふわふわと温かくゆっくり穏やか。
そんなお話でした。 -
独特で素朴な世界観だなぁと思った。
つむじ風"食堂"だけれど、店の主人がパリで修業していたこともあり、メニューが欧風なところが少しちぐはぐだけれど、妙に美味しそうな雰囲気を醸しだしている気がした。
時代の設定は分からないけれど、何だか昔懐かしい気持ちになった。 -
登場人物も場所も日本なのに、どこか外国の映画みたいな不思議な物語たち。
ふわっと掴みどころがなく、だけどそこに温かさがあったことは憶えている。読んだ後に、さっきまで悩んでいたことって何だっけ?と思うような短編集。 -
夜に車窓から眺める街の光みたいな本。幾度となく通りすぎるから、特に目覚ましいわけではないけど、なんとなく温かさが胸に残るような読了感。
私も誰かもマンションの、街の、地球の、宇宙の1角。そう思うと果てしないけど、思いを馳せたくなる気持ち、わかるなあ。エスプレッソが無性に飲みたくなる。