ほんものの魔法使 (ちくま文庫 き 12-2)

  • 筑摩書房
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480421845

感想・レビュー・書評

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  • ファンタジーというより
    おとぎばなしのようなお話かしら。

    世界中の魔術師が集まる街に
    犬と旅人があらわれるのですが
    この街の「魔術師」って
    イコール「マジシャン」なんです。
    決して本当に「魔法」を使えるわけではない。
    それに対して、旅人はどうやら
    本当に魔法が使えるらしいことが
    わりに早い段階で読み手にはわかる
    …んだけど、物語の中の人々が
    妙にいつまでも気がつかない。
    (気がついて排除しようとするのは
     悪知恵の働く悪役ひとり)

    自己肯定感の低い少女が
    幸せになるところは良かったです。

  • 2013年9月13日
    ポール・ギャリコさんのお話では、一番好き。

  • 宝塚で上演されたので読んでみた。
    大人向けのファンタジー、と言った感じか。
    夢夢しいだけでなく、人間の汚い部分や弱い部分を映し出している。

  • 手品師の街に、ほんものの魔法使いがやってくる話。
    夢溢れるファンタジー、でもちょっとだけ苦い読後感。
    5月下旬に宝塚で舞台化されるので、観劇予習に。
    すでにだいぶ図書館に予約が入っていてびっくりした。
    検索に出てこなかったので文庫版で登録してますが、読んだのはハードカバー版。活版印刷が良い味出してます。公演を見越してか、5月10日に文庫版が復刊されるようです。
    どう舞台化するのか、キャストはどうなるのか、想像しながら読んで楽しかった。チケットが取れるかどうかはさておき…。
    順番待っているヅカオタの人(多分)がいるので、急ぎ返却。

  • あら品切れ(猫が持っていたのは大和書房版。上野紀子イラスト)

    宝塚・雪組公演が決定した『ほんものの魔法使』(ポール・ギャリコ・著、矢川澄子・訳) - トーキョーブックガール
    https://www.tokyobookgirl.com/entry/the-man-who-was-magic

    筑摩書房 ほんものの魔法使 / ポール・ギャリコ 著, 矢川 澄子 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480421845/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      【本ナビ】クリエイティブディレクター 佐藤可士和 奇蹟の力引き出す鍵『ほんものの魔法使』 - 産経ニュース
      https://www.sank...
      【本ナビ】クリエイティブディレクター 佐藤可士和 奇蹟の力引き出す鍵『ほんものの魔法使』 - 産経ニュース
      https://www.sankei.com/article/20210703-L2J777QG65JGHFIUDBOX2YMAXE/
      2021/07/03
    • りまのさん
      にゃんこまるさん
      「ほんものの魔法使い」創元推理文庫から出ていますね!にゃんこまるさんや、まことさんが、レビューを書かれていて、いいね!をつ...
      にゃんこまるさん
      「ほんものの魔法使い」創元推理文庫から出ていますね!にゃんこまるさんや、まことさんが、レビューを書かれていて、いいね!をつけておきながら、バカな私は、今、知りました!
      情報、どうもありがとうございます!チェックします!
      2021/07/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      この本は売れてるみたい!宝塚は凄い、、、
      此れを機に他の本も復刊されないかなぁ〜
      りまのさん
      この本は売れてるみたい!宝塚は凄い、、、
      此れを機に他の本も復刊されないかなぁ〜
      2021/07/03
  • ポール・ギャリコ好きなんだな。やっぱり。
    アダムはギャリコ唯一のミステリー、「幽霊が多過ぎる」の主人公を思わせる。人好きの良い青年。
    スノー・グースや雪のひとひらはよく見るのに、なぜこの本は全然世に出ないのだろう。中古でやっと手に入れた。英語版すら見つからない。「できる」と「やってみせる」が原語では何と表現されていたのか気になる。

  • 「おはなし」というのは、こういうものだなぁ、と。
    深い満足感の中で、しみじみと思います。
    Paul Galicoの「おはなし」は、やっぱり素敵です。

    Magic。
    その言葉は、タネも仕掛けもある「手品」を指します。
    観客を幻惑し、摩訶不思議なtrickで魅了してくれます。
    そんな「魔術師」の街マジェイアに、一人の若者が訪れます。
    彼の道連れは、もしゃもしゃと毛だらけで、言葉を喋る一匹の犬。
    そう、若者も"magician"なのです。
    しかし普通の"magician"ではなく、ほんものの"magician"。
    本当に、タネも仕掛けもない「魔法」の使い手だったのです。

    まずは、なんと言っても、ジェインとpicnicに出かける場面でしょう。
    誰もが持っていて、そこからは無限の魔法を導き出すことが出来る。
    けれど、なかなか気付くことが出来ない。そんな魔法の箱。奇跡の箱。
    アダムが、ジェインにその事を教えてあげる場面です。
    「ほんとうの魔法」とは何かを、丁寧に説明する場面です。
    静かに、ゆっくりと、感動が湧き起こってくるような、そんな素敵な場面です。

    そして迎える、魔術大会の本選。
    アダムが披露する「魔法」。
    Galicoが描くその場面は、幻想的なんて言葉では到底言い表せません。
    華麗で艶やかな、思わず息を呑むほどの荘厳さ。
    その風景を思い浮かべるだけで、読者の心は幻惑の霧に包まれます。
    そしてその後に披露される、豪華で皮肉な「魔法」。
    ほんの数頁の間に、物語は急展開します。

    繰り返しになりますが、これが「おはなし」だよな、と。
    副題として付けられている「罪のないお話」という言葉が的確に示すとおり。
    訳の素晴らしさも相俟って、とても上質なfantasyに仕上がっています。
    綺麗な言葉遣いと、流れるように滑らかな文章。
    含蓄もたっぷりで、心の滋養補給にもぴったり。
    非常に美しくて見晴らしの良い、爽やかな後味。
    読み終わったあとに、気持ちがふんわりと優しく、暖かくなります。
    どこを取っても一級品な、ほんとうに素敵な作品でした。

  • ファンタジーもの。
    ちょっと私には向いてなかった。
    おもしろいけどね。

  • あんまりピント来なかったみたい。内容が入ってきませんでした。

  • 混じりっ気なしの誠実さ、
    アダムのように人を疑わず自分を偽らないこと、
    それは時として罪になり得るのだということ。
    そして最終的な解決方法がお金であるということ。
    清々しく夢のある世界だからこそ寂しさも募る。

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著者プロフィール

1897年、ニューヨーク生まれ。コロンビア大学卒。デイリー・ニューズ社でスポーツ編集者、コラムニスト、編集長補佐として活躍。退社後、英デボンシャーのサルコムの丘で家を買い、グレートデーン犬と23匹の猫と暮らす。1941年に第二次世界大戦を題材とした『スノーグース』が世界的なベストセラーとなる。1944年にアメリカ軍の従軍記者に。その後モナコで暮らし、海釣りを愛した。生涯40冊以上の本を書いたが、そのうち4冊がミセス・ハリスの物語だった。1976年没。

「2023年 『ミセス・ハリス、ニューヨークへ行く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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