ライフワークの思想 (ちくま文庫 と 1-4)

著者 :
  • 筑摩書房
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感想 : 48
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480426239

感想・レビュー・書評

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  • ライフワークの花を咲かせることはあらゆる人に可能である。この花は晩年になって始めて結実する。そのためには自由時間の使い方を考えなくてはならない。自分の生きがいとなり、人生の豊かさにつながる、能力の備蓄をすることが必要だ。バッテリーは使い切るまえに絶えず充電しなくてはならない。輝かしい、円熟したフィナーレを迎えられるよう、一日一日の生き方を考えてみよう。

  • 外山先生らしい本です。
    読みやすい部分と読みにくい部分があり,読みにくい部分は飛ばして読んでいます。でも,非常に勉強になるところもあります。
    日本人の面食い文化の章(第4章)に私は共感しました。

  • 読んでる途中で気付いたけど30年以上も前の本だったようだ。
    満足度6

  • 最初は、本書の題でもあるライフワークについて論述されているが、次第に脱線してしまっている感が否めない。しかし、これは起承転結の転であり、最終的には収束するかもしれない。もし収束しなかったとしても、それはそれでおもしろいような気がする。なぜなら、まったく関係がない内容と思われても、よく咀嚼するとやはり深く関係しているような気がしてくる。転の論述を本書の主題と照らし合わせながら読むことで、文章の裏側に隠された意味を汲み取れる。これは深い読書方法ではないかと、著者の著書である「読みの整理学」を思い出した。

    最後の章「ことばと心」はとても良い。病は気からってまじだと思う。あらゆる認識が言語を基礎としている人間はほんとに言葉に弱い。子供をダメな人間にさせたければ「おまえはダメな人間だ」といっていればおのずとダメな人間になる。その逆も然り。言葉には言霊が宿るのだと古人が考えたのもうなずける。昔の人って、現代人より「人間」とか「自然」とかを肌身に感じて理解していたのだろうな。

  • 南井所有
    →10/06/27 小松崎さんレンタル→10/07/04返却
    →10/07/11 片野さんレンタル→10/08/08返却
    →10/08/08 影山さんレンタル

  • 最初にちょっと余計なことを書くと、『ライフワークの思想』では幾つものエッセイが集まっていて、全体としてライフワークについて考えることになると思う人もいるかもしれないが、僕はその中でも「フィナーレの思想」という第1章が関心の強い部分で、何度か読み直してみたいと思った。

    印象的な考え方は、ライフワークを考えるのに人生の折り返し点について思いを巡らしてみる、その人生の折り返し点は定年時では遅くないですか?、という部分だ。

    人生80年と考え、最初の10年はまあ助走期間だとすると、45歳がマラソンで言うところの折り返し点になる。前半の走りと、後半の走りをどう組み立てるか。

    もっとも、折り返し地点のないマラソンもあるだろう。しかし、僕らはキャリア(経験)を積むとか、会社生活の中でより成功したいといった中で前を向くことを余儀なくされる。最初の前半はそれで良いのかもしれない。しかし、定年後、いや定年の数年前から、そうした考えだけでは到達できないゴールがあるのだと思う。

    そこで、折り返し地点、これももしかすると、その少し前からか、後半の走り方を考えるべきか。これは、趣味や交友関係を作るということで語っても良いのかもしれないけれど、より広く仕事に対する自分のあり方とか、仕事そのものに対する価値観や関わり方という面も含むのだと僕は考えている。

    ボクのブログより:http://d.hatena.ne.jp/ninja_hattorikun/20090806

  • 集中力が前半部分で尽きてしまった。

    ==
    ■「切り花」の知識ではなく、自分の育てた「根」からでたものを。
    「カクテル」ではなく、「地酒」を。

    □どちらも、青々とした葉を出しきれいな花を咲かすための時間、また、口当たりのいいまろやかさを出すためのねかす期間が必要不可欠。

    別著にも使われていたが、外山さんの分かりやすい比喩。

    ==
    ■『人間すべてがエディターなり』。独自のパターンで「編集」し、”雑誌”を創ることが、創造

    人は忘れる。覚えるという作業は、今日一日あったことを自分なりに(著者のいうそれぞれの「モデル」に合った)編集をすること。

    インプットとアウトプット。どちらも大切ということ。

    ==
    後半は、イギリスと日本の教育制度の比較から、日本人の考え方の「モデル」を考察しているが、途中で飽きてしまった。

    また別の機会に。

  • 表題作ともいえる「ライフワークの花」「フィナーレの思想」は心に響くものがあったがそれ以外はどちらかといえばオーソドックス。(著者が文庫化にあたって頻りにエクスキューズを入れている通り)初出とのタイムラグがあることは割引いても最近の《外山滋比古再評価》のムードは個人的には理解しがたい面あり。むしろそのムードを生み出すものを分析すると面白いかも。

  • 人間というのは、いくつになっても学ぶ生き物なんだなぁと実感。

    知ること、学ぶことの喜びを表現するのがうまい人だな、と思います。

  • 始まりはまだ良いものの、段々と雲ゆきが怪しくなり、なんの根拠があって書いてるんだかわからん与太話と誇大妄想に終始。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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