橋本治と内田樹 (ちくま文庫 は 6-19)

著者 :
  • 筑摩書房
3.66
  • (13)
  • (20)
  • (24)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 301
感想 : 31
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480428486

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • タイトルそのまんま、お二人の対談集。
    5年くらい前の対談ですが、内田先生が言っていることが震災後も全然ブレてないのがすごい。
    二人が掛け合うごとに話がどんどん広がっていって、面白い。橋本さんの著作は読んだことがないのですが、すっかり橋本先生のファンになりました。

    橋本さんの「教養というのは、くだらないことを分かるためのパーツ」という話がおもしろかった。ことにこのお二人の対談は、哲学から古文から映画から義太夫・能楽に宇多田ヒカルまで知ってないと、すみずみまでは楽しめないものなぁと実感。あぁ、世の中のことが全部知りたい。

  • 本にマーカー引きすぎてえらいことになっている。
    それくらい「そうだよな!」とか「そうだったのか!」が詰まっている。

    身体知は大事。
    水泳ばかりやってたら水泳に有利な身体になるように、
    文句ばっかり言ってたら文句を言うのに有利な身体になる。
    この前読んだ「ミラーニューロン」も、
    人間が形から変化することを証明しているのではないかな。

    特に唯物論的なことを言いたいのではない。
    心というものはあると思う。
    愛とか勇気とかと同じくらいには。

    愛とか勇気とか国家とか常識とか、
    それらすべては共同幻想だから、
    なんとなく皆が「在る」と思っているものは「在る」ことになっている。
    その方がこのよくわからん世界を生きるために都合がよろしいのだろう。

    幽霊もそう。
    天皇もそう。
    天皇が万系一世というのも実際にそうである必要はなくて、
    そういう物語が共有されているというのが大切。
    その方が上手く社会が廻る。
    少なくとも今までは廻ってきたわけであるからね。


    以下、
    興味のあった話題を羅列。

    ・文明化された都市で残された自然は身体である。
    とするとピアッシングやタトゥーは身体の文明化になる。

    ・「、」と「・・・」の違い、タメの表現。

    ・タフネスの理由は幸福な思い出にある。

    ・「義務教育」を「教育を受ける義務がある」と思っている学生が多い。
    「オレ様化する」のは無時間モデルの消費者思考だから、
    少ない労力(授業に出ない・聞かない)で、
    どれだけ利益(単位・点数・学歴)を得るかに執心する(コスパ)。
    とりあえずクレームつける、とかは典型的な「賢い消費者」の行動だろうな。

  • テーマとか気にしないで、おもろいなぁとかなるほどなぁとか思いながら読めばいい本。

  • 対談集の苦手な私が珍しく楽しめた。
    たとえば文学者の語る公共の概念が特に面白い。
    社会学者や政治学者ではなく、文学(研究)者と文学(執筆)者が語る公共:一人ひとりが自分のできることを「お互いさまだからね」と差し出すこと。相手のそれを受け取ること。
    橋本治が「理解できないことを書かない」「理解してから書く」「理解するとは、自分がその話し手になりきれること」という基準を持っていることにも驚き、その責任感に胸が暖かくなった。
    今度、ひとつ読んでみよう。

  • 橋本治さんと内田樹さんの対談を納めた本。

    またしても、内田本です(笑。

    ここ半年くらい、内田樹さんの本は、結構な頻度で読んでいて、もはや、内田ファンなんだろうと自認しはじめておりまが・・・・。

    この本の魅力は、当代きってのコトバの使い手二人による、ハイブローな会話なのですが、正直、何回も「もうやめよう」と思ってしまいましたw。

    なんというか、結論がないというか、どこに向かって会話が進んでいくのか、全然読めないw。

    主には内田さんがコトバを投げかけ、それについて、橋本さんが、自由奔放に思いついたことを喋り、それを内田さんが拾いなおそうとするんだけど、言った先からまた次の話題へと展開していってしまう、みたいな、収拾のつかない会話が繰りかえされます。

    読みようによっては、頭の良い二人(二人とも東大卒)が、自分達の知識の深さと感性の鋭さを自慢しあっているだけじゃないか、って感じもしなくもないのですが、それでもなんとなく、読了しちゃうまで、頑張って読ませちゃうんだから、何かしら、魅力があるんでしょうね。

    ただし、そんな感じでどこに行くのか、何を結論にするのかなど眼中にない本なので、断片的に、ぐっとくるフレーズはあったものの、読後感としては、「終わった~」ってなもんで、何かを得られた感は、あまりありませんでした。

    まぁ、休み明けのぼけた頭にはちょうど良い刺激なった、というところでしょうか。

  • とてもおもしろかった。頭のよい(独自の視点を持ち深くよく物事を考えておられる)ひととひとの、忌憚なくなされるおしゃべりを一緒に聴く楽しみ。

  • 『桃尻娘』の橋本治氏の奇抜な発想、言い回しに惚れこんだ内田樹氏によるインタビュー録といった感。

全31件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

1948年東京生まれ。東京大学文学部国文科卒。小説、戯曲、舞台演出、評論、古典の現代語訳ほか、ジャンルを越えて活躍。著書に『桃尻娘』(小説現代新人賞佳作)、『宗教なんかこわくない!』(新潮学芸賞)、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(小林秀雄賞)、『蝶のゆくえ』(柴田錬三郎賞)、『双調平家物語』(毎日出版文化賞)、『窯変源氏物語』、『巡礼』、『リア家の人々』、『BAcBAHその他』『あなたの苦手な彼女について』『人はなぜ「美しい」がわかるのか』『ちゃんと話すための敬語の本』他多数。

「2019年 『思いつきで世界は進む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

橋本治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×