ケアしケアされ、生きていく (ちくまプリマー新書 438)

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 285
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480684639

作品紹介・あらすじ

ケアは「弱者のための特別な営み」ではない。あなたが今生きているのは赤ん坊の時から膨大な「お世話」=ケアを受けたから。身の回りのそこかしこにケアがある。

感想・レビュー・書評

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  • こつこつと音読で読み終わりました。今の日本の閉塞感というのは、「迷惑をかけるな憲法」と表現されるケアレスな社会を築き上げてきたことに要因があるのだな、と、感じ入りました。それが社会の前進に寄与していた時代はとうに去ったのに、「憲法」だけが虚ろに効力を発揮し続けている。自分や他者をケアすること、そしてそうすることによって自らもケアされるということ、今の自分に欠けている新しい視点が加わった、と思います。

  • ケアということが自分を含むとは思わず読み始めた。
    当たり前のことをを整理して必要にまとめてあることの有り難さを感じた。
    なかなか自分を愛することができないし、何かに追われる毎日であるが、ふと自分とその周囲に手を差し伸べられるそんな気持ちを持ちたい。

  • 「ケアしケアされ、生きていく」竹端寛著|日刊ゲンダイDIGITAL(2023/11/22)
    https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/book/332337

    「ケア」は弱者のための特別な営みではない――生きづらい社会から脱するために|ちくまプリマー新書|竹端 寛|webちくま
    https://www.webchikuma.jp/articles/-/3265

    竹端 寛 | かんなび【兵庫県立大学 環境人間学部】
    https://shse-maga.com/teacher/421

    筑摩書房 ケアしケアされ、生きていく / 竹端 寛 著
    https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480684639/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      honto店舗情報 - 『ケアしケアされ、生きていく』(ちくまプリマー新書)刊行記念トークイベント 竹端寛×村上靖彦「昭和99年的世界&客観...
      honto店舗情報 - 『ケアしケアされ、生きていく』(ちくまプリマー新書)刊行記念トークイベント 竹端寛×村上靖彦「昭和99年的世界&客観性の呪縛を越えられるか?」
      https://honto.jp/store/news/detail_041000083785.html
      2024/01/24
  • #ケアしケアされ、生きていく
    #竹端寛
    23/10/6出版
    https://amzn.to/3ZIfnRg

    ●なぜ気になったか
    僕は他人の手を煩わせることは苦手。歳をとり、やむおえずケアしてもらうことになったら、日々どんな気持ちですごすのか不安になる。その不安を薄めるために読みたい

    ●読了感想
    うんうん、確かに、そうそう、と思うことは多いけど、「ケアしケアされ」の考えとどう結びつくのだろう?、が多かった。「ケア」に関して掘り下げて考えたかったけど残念ながら期待外れ

    #読書好きな人と繋がりたい
    #読書
    #本好き

  • 子育てというケアを見直すきっかけになる良書。
    ケア関係は決して一方的でなく、互いが互いを必要とする相互依存的な関係であると。
    たしかに子どもを育てていて、「あ、自分を見つめ直すきっかけになってるな」と思うこともあるけど、それをうまく言語化してくれている。

    子ども達には「もっと自由に生きてほしい、自分の考えを大切にしてほしい」と思っているのに、リミッターをかけていたのは親である自分じゃないのか。
    「ちゃんとしなくちゃ」と、"迷惑をかけるな憲法"に侵された子ども達なんて見たくない。

    まずは話を聞くことからはじめてみよう。

    【Action plan】
    お風呂と寝る前に布団に入っている時間は徹底的に話を聞く

  • 著者の子育て体験がベースとして紹介されているため、自分には実感しにくいところもあったが、なるほどと頷ける内容だった。
    「他人に迷惑をかけるな」の呪縛は本当に厄介なもので、自分もそのように生きてきた自覚があるから、余計に胸が締めつけられるようだ。
    だれでも死んだあとは「他人に迷惑をかける」のだし、むしろ互いに迷惑をかけることも織り込み済みで、他者とケアしあえるようなよりよい関係を築いていけることが理想なのだと思う。自分にそれができるかはいまいち自信がないのだが……。

  • 共に思いやること(Caring with)について、学生さんのことや子育てのことなど、著者の経験を手がかりにしながら学んでいける本でした。

    スキーマ療法の「中核的感情欲求」との関連や、「生活史」の理解、オープンダイアローグの考え方等、わかりやすく整理されていて、読みやすかったです。

  • ペットを飼ったことがないワタシ。
    喋れない赤ちゃん時代の子育てを苦しく感じる人が多いよう思うが、ワタシは0-1才までなら100人位面倒見れる見たいかもと思った。
    生きているお人形(=ペット)時代のケアが好きというか得意だった事をこの本を読んで再び思い出した。ペットを飼う人の気持ちが初めて分かった。

    自分もケアしながらケアされていたのだなぁ。

    自分のケアを1番してくれたと言うか今の自分になった1番の原因であり結果はヤハリ実母だなぁ。

  • 「迷惑をかけるな」という自己犠牲的な制約や、「頑張れば報われる」という単純化された神話は、他者の他者性や己の唯一無二性を見えなくし、抑圧的で息苦しい社会を作り上げてしまう。

    他者と己の双方を見つめ、その違いを知る努力をしながら、時にケアし、時にケアされながら、進むべき道をともに考えていくこと。

    そのプロセスの重要性を、著者と学生との関わりや、著者の子育ての体験などをもとに、熱く、丁寧に説いています。

    効率性や生産性を何より重視する現代の「ビジネス的マインド」にどっぷり浸かってしまった人にこそ読んで欲しい1冊。

  • about-nessからwith-nessへ。
    物事に着目して、客観的な判断をくだすのではなく、まずは共感した上で、自分ならどんなことを考えるのかという視点に立つ。

    この点が知れただけで、読む価値合ったかな。

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著者プロフィール

竹端寛(たけばた・ひろし):1975年京都市生まれ。兵庫県立大学環境人間学部准教授。専門は福祉社会学、社会福祉学。主著は『「当たり前」をひっくり返す―バザーリア・ニィリエ・フレイレが奏でた「革命」』、『権利擁護が支援を変えるーセルフアドボカシーから虐待防止まで』(共に現代書館)、『枠組み外しの旅ー「個性化」が変える福祉社会』(青灯社)、『家族は他人、じゃあどうする?』(現代書館)など。


「2023年 『ケアしケアされ、生きていく』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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