忘却の整理学

著者 :
  • 筑摩書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480842909

感想・レビュー・書評

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  • 2009年12月10日 初版

    忘却が持つ意味を見つめ直す。

    何でもコンピューターが覚えてくれている時代からこそ「忘却」にもっとスポットライトがあってもよいのではないか、という視点から、その重要性を考え直すという一冊。

    要点を一行にまとめれば、

    まず忘れ、そこから思考しなさい

    ということになるだろう。

  • 記憶の反対にある忘却は、本来、人間の知的活動において必要な機能として備わっているという視点で、それをどう活用すべきか、どう向き合うべきかという事を語っている。物忘れについての、半ば自虐的なエッセイなのかとおもいきや、そうではなく真面目に、忘れるという事についての意味を考えている。睡眠を経て、余計なものが削ぎ落とされることで思考の洗練度が高まるということであるが、確かにそのとおりかもしれない。

  • 記憶ではなく、忘却に話題を当てなるほどな〜と思った一冊である。頭を整理して休み休み記憶することが大切。よく遊び、よく学べと言うことである。

  • 417

    2017年では51冊目

  • 「時間をかける、つまり忘却の網をくぐらせることによって、美しいものが生まれる。忘却は美化の原理である。」
    この一文だけで、本著の値打ちは決まった。

  • なかなかおもしろい

  • 知的便秘

    知識と思考の量は反比例

    思考に最適 三中、三上
     馬上、枕上、厠上

    原稿は風をいれて、ひととき寝かせてやらないと、うまい推敲にならない

    書けば忘れる。メモをとらないほうがいい

  • 「思考の整理学」の続編ということで興味があり購入。
    ”な〜んだ。忘れてもいいんだ”と、軽〜い気持ちで読み進めることができる。本に書いてあることを忘れてもいいと思うと、かえってこの本が好きになる。心にやさしい本。
    いずれにしても、知識をつめこむだけでなく、時には意識的に整理することが必要なのだと思う。このレビューを書くことによって、ここに書いたことは忘れてしまおう。
    この本を読んだことを忘れないように…。

  •  最近物忘れがひどくて…40代になると、この言葉が挨拶がわりだ(笑)。

     著者も指摘しているように、我々は忘れてしまうことにマイナスのイメージがある。罪悪感を持ってしまうと言ってもいいくらいだろう。それは、受験や試験という記憶力を試される経験を繰り返しさせられてきた結果なのだそうだ。

     しかし、忘却は実は大切なもので、むしろ我々の思考にとってプラスの働きがあると筆者は言っている。忘却されることで、余計な情報が整理され、その人なりの新しい発想が生まれてくるのだそうだ。

     例えば、自分の研究テーマを話すようなとき、直前に新しい情報を詰め込むのはよくない。むしろ準備などしないでおいた方が、結果として、まとまりのある話ができるという。

     というわけで、なかなかユニークな視点の本である。筆者独特の語り口で、豊富なエピソードも紹介されており、実に楽しく読むことができる。そして、そうだそうだと、納得することしかり。

     ただ名著『思考の整理学』の続編とあるが、私はちょっと趣が違うように思った。思考の方は、どちらかというと実用書的に近い部分もあったが、忘却の方には、そういうニュアンスはほとんどない。

     私としては、思考の方は大学生に、忘却の方は40代以上の方にお薦めしたい(笑)。


  • 吐いてから吸う事。

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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