マンガ産業論

著者 :
  • 筑摩書房
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本棚登録 : 93
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784480873460

作品紹介・あらすじ

マンガはなぜ急成長をとげたのか?いま起こりつつある危機とは?巨大産業の全貌にせまる。

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:361.5A/E59k//K

  • 2004年刊行。刊行時からみて、現在は、さらにメディアミックスが進展。そういう意味で、内容はやや古く、本書指摘の如く、マンガ雑誌をハブと捉えることは、もはや困難か。つまり、現代では、マンガ雑誌は単行本・アニメーション・映画やTVドラマ・ゲーム・音楽・プラモ等玩具と等距離かつ複合的に論じられるべきもの。さらには、現代は、アニメが軸となったメディアミックス戦略のようにも。つまり、アニメやTVドラマをハブに(特に深夜アニメの場合が顕著)、漫画、一般小説(「新世界より」等)やライトノベル販促ツール化しているとも。
    もっとも、本書もこれを予見していたかのごとき記述はある。マンガ雑誌自体、マンガ単行本の販促の手段と割り切っている社もある、という指摘だ。これに対して、戦後期の解説、特に、赤本、貸本マンガの異同や、大阪を中心とした赤本販売が、東京を軸とする書籍・雑誌販売への対抗軸を有した過去、それが消滅していった過程はなかなか興味をそそる。

  • 近年のマンガ史の整理は懐かしさを感じることができるし、マーケティングを軸にマンガの盛衰を描くのは何かしらの新しさを感じる。文章は堅いけどすっきりとした文体で、なんだか学術論文の香りがする。

    ただ踏み込んでほしかったのは編集者のこと。
    マンガ家が稼げない中で、編集者ってめちゃめちゃ高給なんだよね。
    そこの矛盾というか、課題の解決をどうとらえているのかを読んでみたかった。これが「あとがき」に書いていた組合云々ってやつなのかな。

  • 取材用一夜漬け資料。データは古いが第一部のみ読む価値アリ。
    ハードウェアからソフトウェアへの産業構造の転換
    戦後からのマンガ市場の変遷を丁寧に解説

  • 日本のマンガは今後どうなるのかねえ。
    もっと世界進出するようだな。
    そのうち学問としてのマンガ研究もでてきそう。
    一部にはあるようだけど。

  • 図書館。流し読み

  • 「マンガ産業論」中野 晴行/著 筑摩書房,2004.7 初版


    ■内容は、 第1部 マンガ産業の基本構造(マンガが産業になるまで。
    マンガ市場は二つあった;テレビがマンガ市場をビッグにした。
    マンガ生産者としてのマンガ家)
    第2部 マンガ産業の三十年(低迷と市場の拡大―七〇年代。
    マーケットの多様化と八〇年代
    。情報としてマンガを消費した九〇年代)
    第3部 マンガ産業のあしたはどっちだ(少年誌と青年誌が読者を奪い合う。
    新しいマンガはどこから来るのか?雑誌の時代は終わるのか?
    還暦を迎えるマンガ世代。デジタル化はマンガを救うのか?)


    ●マンガというコンテンツが、いかに戦後、時代(メデイア、大衆文化)とともに成長し、産業の中でポジションが変わってきたを年代別に検証している。

    ●インターネット革命という、新しい産業構造の中でマンガ作家、出版というふるいタイプの産業構造が、いかにデジタル化に対応していくか。つまり雑誌と単行本にささえられたきた産業構造だったが、また、人口構成の変化、消費者であった読者の高年齢羽化。あるいは、メデイアの多様化、ライフスタイルの変化などによるマンガ離れ。
    マンガを原作としたテレビはいかに変わるかのか、携帯電話などのメデイアにいかに
    対応するのか。マンガと、関連産業であるアニメ産業、キャラクター産業、などにいかにかかわっていき、コンテンツ配信の流通形態はいかに変わるべきか、グローバル世界にどう対応していけばいいのかそのような問題が、これからのマンガ産業には山積みである。

    そのためには、日本を代表するコンテンツ産業、
    「マンガ産業」がいかに生成されていったか?その要因を検証することは必要であろう。
    基本文献の本である。

  • 200410 内容濃いが、少し固めの一冊

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著者プロフィール

1954年生まれ。大阪府立泉陽高等学校卒。和歌山大学経済学部卒。編集者・ライター・京都精華大学客員教授。(社)日本漫画家協会、日本SF作家クラブ会員。『マンガ産業論』(筑摩書房 2004年)で、日本児童文学学会賞奨励賞、日本出版学会奨励賞、『謎のマンガ家酒井七馬伝』(筑摩書房 2007年)で、日本漫画家協会特別賞を受賞。

「2014年 『再び大阪が まんが大国に甦る日』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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