もうすぐ絶滅するという紙の書物について

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  • Amazon.co.jp ・本 (472ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784484101132

感想・レビュー・書評

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  • 昔は、王族や貴族階級しか本を読むことができなかったけど今はどこでも本読めるし合わなければ読むのやめたっていいからいい時代だなって思った。基本的に読みたい本を買って読んでるけど時間が経つにつれてなんとなく妥協で読んでる本もある。読みたい本を読んでるよりも読むことが好きで読んでるみたいな状況も自分にもちょっとあるなって思った。

  • 放談に近いが、蘊蓄はすごい。コーディネーターの力量によるのかもしれないが、紙の本の問題の全てを網羅しているわけではない。

    装丁、活字組が素晴らしい。

  • なんせ、朝の通勤の時しか、それも山手線に乗って池袋から恵比寿の間の時間でしか読んでなかったもんだから、えらい時間がかかってしまった…

    にしても読んでる人は読んでるというか、この二人は、とにかく蔵書の数が万単位だというから、本当に世界は広い。でもやはりというか、もちろん全部に目を通しているわけではないし、もう死ぬまで読まなくてもいいと思っている本だってあると聞いて、結構共感できたな。ま、全然格が違うんだけど。

  • すべての読人(よみんちゅ)に捧ぐ――
    もうすぐ絶滅するという紙の書物についてばかり語っている訳ではない、が、それ以上に面白い、オモシロイ、示唆に富んだ対談。USBからフランス詩、インキュナビュラ(グーテンベルクの印刷術発明から15世紀末までにヨーロッパで活字印刷された本)に名著珍本、焚書と禁書、空き巣まで……
    読み終わったら誰もがこう思うはず。
    ”本から離れようたって、そうはいかない”!!

  •  紙の書物を愛好する二人の対談をまとめた本です。まさしくインテリの二人の頭脳から生み出される話題は紙の書物の「絶滅」よりもはるかに広範で、紙の書物と電子書籍、紙の書物と文明、残された書物と消えた書物、古書収集など、社会のあらゆるテーマに及びます。

     内容については目次を読むとかなり推測できますが、全体的には、「知のフィルタリング(選別)」が大きな問題として挙がっていると思います。はるか昔へ目を向ければ、当時は存在したはずなのに現在では存在していない、あるいは語られてさえいない書物というものは確実にあるはずですし、近現代でも、名著として挙がるということにはなんらかの選別が働いています。

     こうした選別のなかで、対談に臨むお二人が愛好しているのが「人間の愚かしさ」です。人びとが善意で犯す誤りは、ときにとてつもなく滑稽なものです。「存在を隠していることだけが彼らが存在している証拠である (p. 301)」みたいな意見を真剣に言うわけです。人間は賢い生き物のように思えて、ときにとてつもなく馬鹿げた推測を、”真剣に”行ってしまう。そして、「過去についての我々の知識は、馬鹿や間抜けや敵が書いたものに由来している (目次)」。結局のところ、われわれは(とくにぼく自身は)馬鹿なのだ! そしてそこに知の営みの面白さがあります。二人の対談者への共感を勝手に覚えた本でした。

     紙の書物から、歴史と知の営みの旅へといざなってくれる本です。
    (その意味でこの本は”楽しむ本”で、知識を得る本ではありませんから、お忙しい方にはおすすめしません)

  • 記号学者と脚本家の対談。本を愛し古書や稀覯書を収集しインキュナビュラの探求経験がベース。人類の愚かしさの礼賛。書物・愛。

    人類の本と歴史の流れの中での今。ひとつの到達点かも。

  • 本というメディアについての対談集。
    恥ずかしながら語られている小説や映画のほとんどを知らず、知っていればいっそう面白く思えたのにと、自分の無学が悔やまれました。
    しかし、知らなくても言いたいことは伝わってくるので、のめりこんで読みました。
    タイトルからして電子書籍化についてがメインなのかと思いましたが、そうでもありませんでした。
    非常に多岐に渡るテーマで語られており、飽きることなく最後まで読み通せました。
    特に馬鹿とまぬけと阿呆の違いなどは笑いつつも唸らされます。

  • タイトルのイメージから、デジタル化されたものに言及されているように感じるが、そうではない。
    タイトルと内容はあまり関係ないように思えて、実は確かに紙の書物について言及しているので面白い。
    実によく考えられたタイトルだ。
    本好きの雑談。

    要点メモ:
    ・勉強のやり方や資料のまとめ方、探し方は、それぞれをこなしていかない限り身につかない。それぞれをこなすのが最善の方法。

    ・一日十冊読めと記載された記事をみるたびに、その必要はないと考える。効率のよい読書のやり方は、十冊読むよりも参考文献を数多く使用している本一冊を読むことである。

    ・一つの物事を十の違う方法で調べて、検討するくせをつける。おのずと、情報の正誤がわかるようになってゆく。

  • 某ブログでみかけて。手にとってみるまで対談集ということを知らなかった。どうも講演や対談を書きおこした本は私に合わないようだ。論旨が曖昧だったり矛盾したりしているとそれだけでイラッと来て、読む気がうせてしまう(小説だと矛盾してても全然問題ないんだが…我ながら心が狭いと思う)。というわけで、「本」の定義が曖昧なことに引っかかってしまって、この本も最後まで読み進められなかった。(本は紙でなくなるかも、と言いながら電子書籍は本でないってナンなのさ?)
    ●面白かった点
    なし
    ●気になった点
    用語が曖昧。それ以前に、この本が何を語りたいのかが意味不明だった。アブストがほしい。

  • 本好きなら、ちょっと「ぉっ」って思うと思う装丁と題名。小口の染めといい、遊び紙の質といい、これだけで手に取りたくなります。ちなみに、内容はといえば、思いっきり本マニアな二人がひたすら好きな本について語るという・・・。冒頭に、紙の本は絶滅するなんて思ってないと二人して確認してますし。読みたい本、飾りたい本、色々な種類の本好きがいるけれど、私達二人は満足してるよ、とそんな本ですw やたらと綺麗な装丁は、本棚に入れておきたくなるかも。

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著者プロフィール

1932年イタリア・アレッサンドリアに生れる。小説家・記号論者。
トリノ大学で中世美学を専攻、1956年に本書の基となる『聖トマスにおける美学問題』を刊行。1962年に発表した前衛芸術論『開かれた作品』で一躍欧米の注目を集める。1980年、中世の修道院を舞台にした小説第一作『薔薇の名前』により世界的大ベストセラー作家となる。以降も多数の小説や評論を発表。2016年2月没。

「2022年 『中世の美学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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