科学も感動から 光触媒を例にして

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  • 東京書籍
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  • Amazon.co.jp ・本 (95ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784487804702

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  • 「理科離れ」が叫ばれている中で、百戦錬磨の著者が科学技術の将来の担い手である中学生や高校生にむかって、身の回りのものから、少しでも科学の面白さを感じてもらうきっかけを語る。 実に感動に満ちている、科学の世界。どうすれば「生徒たちに感動する心が育つのか」、長年の経験をいかした著者のエピソードを展開。


    科学も感動から、まさにその通りです。初めて科学を知った時、誰もが衝撃を受けるように私も衝撃を受けました。


    この本の良いところは以下の2つです。


    (1)書き方
    著者・藤嶋昭氏(東京理科大学学長)は科学の面白さをエッセイ調で書いてくれています。そのお陰で非常に読みやすいですし、ところどころ図も入っているので頭に残りやすいです。またページ数もBest!


    (2)科学本っぽくない所
    「心に残る名言」や歴史上の人物の過去の言動も登場しながらの科学の話はとても新鮮です。


    また藤嶋氏の言葉で印象深かったところは「3F」です。3FとはFight(積極的に何でもすること),fair(正しく真摯に物事に向き合う),First(人間として第一線級になる)です。これは藤嶋氏の個人的なもの(FはFujisawaのF)ですが、私はとても納得できますし、意識したいと思えました。


    特にFirstはまさにその通りだと思います。人間として大事なことは偉くなること(藤嶋氏は教育者の立場からこの点に言及しています。ここら辺からも教育者としての藤嶋氏の魅力を感じます)ではなく人間として素晴らしくあること、まさにおっしゃる通りです。現代の私達は外からの評価が絶対的になったりする中で、とても息苦しくそして間違った方向に目を向け続けているかもしれません、勿論そうしないと生きていけないという部分もあると思いますが・・・。


    また「第11章:理科好きを増やすには」も必読です。最近は2000年前後の和田氏の理系に関する本や理系に関する教育者の本をよく読むのですが、そこで言われている理系離れはやはり現代も変わりはないようです。


    第11章ではオバマ大統領も登場します。アメリカに散々振り回されていると言われる日本ですけど、(それはあくまで政治の問題で、政治はどの国も強気に出る訳ですから、振り回されることはある意味想定内。だからこそ国のトップはそれを防ぐために動くべきであるから、アメリカばかりに文句は言えない)理科好きの動きは見習わないといけないですね。


    海外で活躍している人間は理系の人間が圧倒的である現実を日本はもっと考えないといけない。というか私が考えないといけない、なぜなら国の政治家はあてにならないから自分で自分の道を切り開かないといけないからw


    話が少し逸れてしまいましたけど、ページ数も優しい良書です。

  • 藤嶋先生の講演会に参加したら、抽選会で直筆サイン入りの本書をゲット。本書自体が、別の講演会での講演内容のレジュメになっており、講演会の復習にちょうど良かった。研究や教育に一番必要なものは「いい雰囲気」である、という主張が心に残っている。それにしても、光触媒っていうのは絵に描いたようなイノベーションだね…。

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著者プロフィール

監修:藤嶋昭(ふじしまあきら)
東京理科大学栄誉教授

「2023年 『国語の力が身につく理科』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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