忘却の声 上

著者 : アリス・ラプラント 玉木亨

• 東京創元社 (2014年6月28日発売)

作品紹介・あらすじ

わたしは親友を殺したのだろうか？　殺害容疑をかけられた認知症の女性の一人称と手記、他人の筆跡による伝言などの断片で綴られた、静かな感動をもたらす傑作ミステリ。

感想・レビュー・書評

[rainygreenさんの感想 · 2019年1月6日]

実験小説。

主人公は、認知症を患った60歳代の女性。
彼女と長い付き合いのあった隣家の老女が不審な死を遂げ、しかもその遺体からは四本の指が切り取られていた。
優秀な整形外科医であった彼女が隣人の死について重要な何かを知っているのではないかと嫌疑がかけられる。
が、その記憶と認識は不安定に漂うまま。

小説は、主人公の主観に沿って展開していくが、その認知は比較的明晰なこともあれば、時に我が子を認識できないほど闇に包まれることもある。
時制も遠い過去から現在まで行ったり来たり。
自分も、身内（祖母）が認知症になっているので、この感覚（といっても外からしか見ていないのだが）はよくわかる。

この認識の断片や噛み合ない会話が重ねられていく中で、主人公や周囲の人々の人となり、彼女ら彼らの積み重ねてきた歴史が次第にイメージとして確立していく。
その手法がなかなか見事。

小説が進むに連れて、時制どころか人称すらあやふやになっていく。
ミステリとしての体裁はとっているが、明かされる真相はそれほど意外なものではない。
が、その形式と、形式ゆえに醸し出される作品の印象は、きわめてユニークなものである。

[sazanamiさんの感想 · 2018年12月30日]

ミステリ

[tamausaさんの感想 · 2017年8月7日]

ジェニファー、64歳、認知症の元凄腕外科医。
親友を殺害し、指を切断したと疑われている。
彼女のばらばらな記憶の欠片と会話で進むミステリー。
ああ本当に、彼女と親友の間に一体何が？
夢うつつの状態で進むサスペンス。

小説の一形態に、主人公の記憶がまるっとない、というのがあって、下手な奴は物語が破たんしてご都合主義なんだけれど、上手くリアルに落とし込んだらこうなるんだな、という感じ。
下巻も楽しみ。

原題 / "TURN OF MIND"(2011)
装幀 / 中村 聡
装画 / 米増 由香

[643096さんの感想 · 2016年6月14日]

よくもここまで・・・
わかってるのよね？
多分こうなるんでしょう

[摂南大学図書館枚方分館さんの感想 · 2016年3月1日]

配置場所：摂枚普通図書
請求記号： 933.7||L||上
資料ID：95140762

[ぽんきちさんの感想 · 2014年7月28日]

レビューは下巻に

[kumanecoさんの感想 · 2014年7月27日]

アルツハイマー病を発症したDr.ホワイト。
彼女の親友が殺された事件と、彼女は関わっているのか？

感想は下巻で。

[garboさんの感想 · 2014年7月24日]

レビューは下巻にて。

[猫丸(nyancomaru)さんの感想 · 2014年5月23日]

認知症の女性が主人公らしい、、、

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http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488010232