- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488024543
感想・レビュー・書評
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ペダントリーにこういう使い方があったか。
黒死館のチープな焼き直し、Wikipedia殺人事件のようなものかと見切った、つもりのあたりからの展開に胸がすく。ここまで作者の思想をさらけ出していいものかとも思うが。
惜しむらくはそこに至るまでのフラストレーションが半端無い。7.75詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ペダンチックの残像は小栗の系譜から消えてはいない。極彩色を放ち哀哭におけば、それは発酵・湧出する。ミステリの雪花石膏は一掬の涙――亭々と波状を拡大させる。満たされるトレパネーション。濫倫。神格化。ラブソング。
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異形の館で連続して発生する見立て殺人。と書かれて想像する作法のミステリとは大違いでまずは軽く驚く。
延々と繰り返される蘊蓄の嵐と茶番めいた会話の応酬。挙げ句の果てには、連続殺人の意味すら無効化されてしまう。
とりあえず蘊蓄話ファンとして面白く読み進められましたが。 -
913.6 ア 登録番号8019
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森江春策シリーズ。
なんかどうでもいい。
この本を心から楽しめる人は、果てしない雑学の持ち主か読み飛ばしの達人か。
そんな本でした。
私は中途半端な雑学者かつ中途半端な読み飛ばしやなのですが、面白かったようなそうでないような。
面白いと思ったのは確かですが、次の頁に進むとすべて忘れるので判断をつけかねる。
本当にどこに行く気だ。 -
これでもかってほどにペダントリーてんこ盛り。魅力的なガジェットがいっぱい。とてつもなく派手派手しくって美麗でもある連続見立て殺人。重厚かつ華麗です。
……だけど。いろんな意味で一筋縄じゃないですね。王道ミステリに見せかけて、アンチミステリでもあるのかも。おそらく議論しようと思えば果てはないでしょうね。個人的にはそういう議論が得意じゃないので、しごく個人的な感想を言えば。
「綺想宮」、この館の存在だけでもう大満足です。ミステリ好きの好物がいっぱい詰まっている感じ。 -
挫折しました
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トリック的には嫌いではないけれどともかく薀蓄が長すぎる。もう疲れ果てるほど薀蓄が...
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琵琶湖畔にそびえる壮麗な怪建築群―“綺想宮”を訪れた名探偵・森江春策を待ち受けていたのは、美しき案内人・二十重亜綺楽と七人の奇怪な滞在客だった。この不可思議な宮殿に森江が到着した晩、自動的に詩をつむぐ機械「大発見」が火精、水精、風精、土精の呪文を歌い上げた。翌日から、天地創造の七日間を表わす曲が奏でられる中、滞在客は次々謎の死をとげてゆく。暗室で発見された五芒星の上の焼死体、毒草園に描かれた九芒星と地中に埋められた死体…それぞれの死体に過剰なまでに凝らされた「見立て」は何を意味するものか?本格ミステリを愛し、その神髄を知り抜いた著者が「探偵小説の最期」に捧ぐ訣別の書。
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むむむ、と唸りたくなる一冊である。本編の出だしの数ページは、ルビの文字数のほうが本文の文字数よりも多いのではないかというくらいルビが振られており、最後まで読みとおせるかと先が思いやられる心地だったが、不可思議な館・綺想宮で次々に起こるこれまた不可思議な殺人事件に呑み込まれるように読み進むことができた。というよりも、綺想宮の摩訶不思議さとそこに招かれた客人たちの風変わりさ、そして探偵役の刑事弁護士・森江春策のそれぞれの事件にかかわるもっともらしい薀蓄に取り込まれた、と言ってもいいかもしれない。まるで異世界に紛れ込んでしまったようなある意味めくるめく一冊である。