真実の10メートル手前

著者 :
  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (297ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488027568

感想・レビュー・書評

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  •  『王とサーカス』で太刀洗万智がどのように描かれていたのか、自分が彼女のことをどう思っていたのかは、すっかり忘れてしまっているが、少なくとも本書での太刀洗万智は好感が持てる。
    何冊か前に読んだ別の作家さんの小説に出てきた女性(主人公ではない)は、私にとっては鼻につくタイプで、そのようにレビューにも書いたが、それと同じく全くの個人的感覚での話だが。
    とにかく本書の太刀洗万智は好感が持てる。

    本書には、私にとっては難しい、というより知らなかった単語が多かった。
    その都度調べて納得はするものの、「夕まずめ」以外は調べたそばから忘れてしまい、つまりは消化吸収しきれない。

    「夕まずめ」「牽強付会」「糊塗する」「晦渋」「膂力」

    『本と鍵の季節』の自分のレビューを振り返ると、やはり知らない単語が多かったと書いてあった。
    他の本のレビューにはたぶん書いたことが無いと思う。

    私の頭ではついていけない単語が多い作家さんということなのかな。

    でも本書は面白かった。

  • 章によって主人公の記者のビジュアルイメージが違って感じて、不思議な感覚になった。
    1度読んで、また最初から読みたくなる本だった。

  • 太刀洗女史の取材はどこまでもスマートであるー最初の1話を除いて。
    おそらくは最初のあの事件が彼女のターニングポイントなのではないだろうか。
    『間に合わなかった』その事実が彼女にとって取材の在り方を見つめ直す機会になったのではと思うと、第一話は最も印象深い物語である。
    それからは、いつ何時も、どんな仲間より、どの読者よりも先回りして取材に奔走する太刀洗女史の聡明さが光る。かっこいい。
    マスメディアは「伝える」ことで人びとを傷つける強大な力を持つ。実際にそのように感じる。だが、実のところはなんの力も持っていないのではないか、人を動かす力は心を持って考える自分自身にあるのではないかと、そうも思わせてくれる作品。

  • フリーの女性記者を主人公(?)にした読みやすい短編集
    強い感情は残らないけどおもしろかった

  • 太刀洗シリーズ。
    短編集なので読みやすかった。
    記者の話なので探偵ものと違った視点、解決も無理に行われるものでなく惹かれるものがある。

    面白い。

  •  小市民シリーズがとっても性に合わなくて、それ以来、米澤さんに苦手意識があったんですが、これは大丈夫でした。
     たまたまあのシリーズだけが合わないのかなぁー。

     淡々としてる感じがよかった。

  • 2016/9/14太刀洗さんのキャラが面白い。軽い短編、個別には短いが「正義漢」。★4の下

  • 図書館で借りた本。
    王とサーカスの太刀洗さんが活躍する話。続編だと思っていたので、王とサーカスを読むまでは読まないでいたけど、短編集だったので、どちらから読んでもよかったのかなと思った。どの話も、太刀洗さんの温かみというか、気遣いに関心させられました。このぐらい気遣いできる人になレたらなぁと、憧れます。

  • 謎自体に魅力はそんなになかったが、太刀洗の取材に対する姿勢が好き。

  • やっぱり巧い、単発でも十分興味惹かれた。好みは正義漢、印象的だったのは名を刻む死。決して好感高い主人公ではないんですが、現実社会にこんなジャーナリストがいてくれることを期待したい。

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著者プロフィール

1978年岐阜県生まれ。2001年『氷菓』で「角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞」(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞し、デビュー。11年『折れた竜骨』で「日本推理作家協会賞」(長編及び連作短編集部門)、14年『満願』で「山本周五郎賞」を受賞。21年『黒牢城』で「山田風太郎賞」、22年に「直木賞」を受賞する。23年『可燃物』で、「ミステリが読みたい!」「週刊文春ミステリーベスト10」「このミステリーがすごい!」でそれぞれ国内部門1位を獲得し、ミステリーランキング三冠を達成する。

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