トラィアル&エラー (創元推理文庫 123-2)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (522ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488123024

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  • 〝ヒトラーかムッソリーニを倒して、この世からおさらばしよう〟・・・余命幾ばくもないと主治医から死の宣告をされた男が、世のため人のためになる有益な殺人を犯そうという結論に達し、完全犯罪の達成と思われたが、別の男が犯人として逮捕されてしまい、死刑の宣告が下されることに・・・。 推理小説の定石を破る奇想天外なスト-リ-展開は、試行錯誤をくりかえしながら最後のドンデン返しまで読者をひきつけてやまない A.バークリ-異色の倒叙推理大作。

  • 「試行錯誤」の題で有名な、バークリーの傑作。

    トッドハンターがどうにかこうにか、有罪の烙印をなんとか手に入れようとえっちらおっちら頑張るお話。

    はじめは、自分が殺したんだと勘違いしてしまった男の喜劇かと思ったが、予想してない展開になっていってしまった。
    正直、トッドハンターを軽く見すぎていました、すみません。
    殺しの描写があいまいに描かれていたり、何かと都合よくトッドハンターに有利な(不利な?)証拠が次々と現れてきたりするところで察せれば。
    なるほど、女優のフェリシティの犯行現場(小舟の上からズドン)を見てしまい、咄嗟に偽装工作したのか。
    それがわかると、殺しの描写で新たな発見を得られる。
    (p206/みごとな射撃だったーおそらく、腕がよかったというよりは運がよかったのだろう?/やけに第三者目線だ。小舟の上から射撃したフェリシティにむけての感想だと考えるとしっくりくる)

  • 動脈瘤で余命宣告を受けたドットハンター氏。最後に世の人のためになることをやり遂げてみようと、社会の害悪となるべき人間を殺害することを決意するが…。
    おはなしのシチュエーションと、五部からなる話の構成が面白い。もうちょっと軽い会話のノリでちゃっちゃか進む話かとおもいきや、ドットハンター氏が真面目人間で意外と手堅い展開に。
    やることが裏目、裏目にでて八方ふさがりになるところはさすがバークリーらしい。 第四部の法廷の場~エピローグへの展開は何となく見えてきてしまうところはありますが、あのドットハンター氏のラストはステキすぎる。読んでてニヤリと笑ってしまいました。

    チタウィックさん、表だってはあんまり活躍しないけど、良いですねぇ。ちゃんと伯母さんもでてきてたし。

  • 何で借りようと思ったのか覚えておりませんが図書館で借りてきました。最初なかなか世界観に入っていけなかったのですが読みだしたら面白かったです。

    一言で言うととてもイギリスらしいイギリス文学だなあ、と思いました。そこかしこに皮肉がきいていて。でも嫌みでは無い。礼儀と作法を慮るイメージとして自分の中にあるイギリスが息づいていました。その為文章は長いし、登場人物の会話はもったいぶっていてなかなか結論までたどり着かないので途中何箇所かイライラしましたが(一番最初のディナーシーンが一番読み終えるまで時間がかかった気がしますが)話が進めばとても面白かったです。

    好みはあるでしょうが私は好きでした。

  • アンブローズ・チタウィック・シリーズ

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