白夜に惑う夏 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ク 13-2)
- 東京創元社 (2009年7月30日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488245061
作品紹介・あらすじ
シェトランド島に夏がやってきた。観光客の一団が押し寄せ、人びとを浮き足立たせる白夜の季節が。地元警察のペレス警部が絵画展で出会った挙動不審の男は、次の日、桟橋近くの小屋で道化師の仮面をつけた首吊り死体となって発見された。身元不明の男を、だれがなぜ殺したのか。ペレスとテイラー主任警部の、島と本土をまたにかけた捜査行の果てに待つ真実とは? 大好評『大鴉の啼く冬』につづく、現代英国ミステリの精華〈シェトランド四重奏〉第2章。解説=千街晶之
感想・レビュー・書評
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シェトランド島白夜の季節に起きた殺人事件。今回も住人達に何度も話を聞くペレスの捜査が面白く引き込まれた。タイプ全く違うけど何故かポアロを思い出す。狭い世界の人間関係の描き方が上手い。ペレスとフランの恋愛の行方も気になる。
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シェトランド四重奏、2作目。
今回も前回同様に、物語の半分くらいまでエンジンがかからず。
なんだか自分の中にシェトランド時間が流れるかのごとく、まったりとしてしまう。
ミステリーなんだけど、所々でその地方特有のアクティビティが描写され、空気感を感じられるのが良い。
(今回は羊の毛刈り)
登場人物の心の声やその恋の行方など、サイドストーリーもその人物を知る助けとなり、気になるところ。
中盤に来てようやく被害者が誰だか明らかになり、
数多くの怪しげな人々のつながりが見えて来始めると
あとは怒涛の一気読み。
あれこれ推理するものの、犯人はまたまた意外な人物だった。
前回の展開と類似する部分もあり、学習したはずなのに…。
4作読み終えるまでに的中できるだろうか⁈-
海外の作家さんはなかなかどの方がおもしろいのかわからなくて、いつもブクログの感想を参考にさせていただいています。「哀惜」も読みたいです!
と...海外の作家さんはなかなかどの方がおもしろいのかわからなくて、いつもブクログの感想を参考にさせていただいています。「哀惜」も読みたいです!
ところで、今頃になって気づいたんですが、ブクログにはメモ機能があるんですね。
お話の結末や、気になったことなど、忘れないように書き留めておけて、自分だけが読める。。
便利!
これまでは、感想の欄に書くのをためらわれるので、
“どうしようかな?本専用ノート作ろうかな?”と思ってたので、ありがたいです。2023/11/22 -
メモ機能、私も最近気がついて少しずつ活用しています!レビューに書くほどでもない些細なこと書いたり、解説に出てきた作品を読みたいリストとしてメ...メモ機能、私も最近気がついて少しずつ活用しています!レビューに書くほどでもない些細なこと書いたり、解説に出てきた作品を読みたいリストとしてメモしたりで便利ですよね。2023/11/22
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2023/11/22
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シェトランド島の夏。
ペレス警部に、記憶喪失らしいと打ち明けたよそ者の男が、翌日死体で発見される。
古き良き、といいたいのはなぜだろう…と考える。
小さな村での濃密な人間関係。表面的な事実は裏返る。誰が何を知っているのか。
現代だから携帯電話だって、DNA鑑定を初めとした科学捜査だってある。けれど、この話は、警部がひたすら話を聞いて知り得た事実で構成されている。効率的ではないかもしれないが、人々との対話を通して得られるのは言語情報のみならず、時にそれよりも雄弁な非言語情報
で、だから古き良きイメージがあるのかもしれない。 -
シェトランド諸島を舞台にした第2弾。
1弾は何故か途中で挫折してしまったので、今回も最後まで辿り着けるか心配だったが無事に読了。
私の生まれ育った場所も割と地方の田舎なので、噂がすぐ広まるなんていうのは共感できた。
それに、今回も本土からやってきたテイラー刑事が田舎の人の行動やそれ以外の点で色々と苛立つ部分があるが、それも東京に出てきて十数年をこちらで過ごし、たまに実家に帰省するとふとした瞬間にテイラー刑事と同じ様な感じに陥る事がある。その部分も共感できる。
白夜は体験した事がないのでどんな感じが分からないけれど一晩中、外が明るいのはキツそう。。。絶対に睡眠不足になるし、本文でも"気がおかしくなる"と表現されていたけれどそれも納得。
ペレス刑事とシングルマザーのフラン、ちょっとぎこちないけれど良い関係になってきたんではないかと思う。
この2人、あとの春、秋のシリーズでどうなるんだろう。
そちらも含め、先が楽しみ。 -
シェトランド諸島シリーズの2作目。原題はWhite Nightsで、夏の白夜の季節の出来事が書かれています。ペレス警部とフランは慎重になりながらも互いに抱いていた好意を大切にしながら付き合いを深めており、読みどころとなっている島の住人たちの人間関係の中で、ひとつの大きな流れになっています。前回ペレスとタイプは違いながら良好な協力関係を築いた本土の警部ロイ・テイラーも登場。今回は都会のペースで物事が進まないことにジレて自分を制御しきれないテイラーと、島の時間、島の感覚で地元を理解しながら捜査を進めたいペレスとの間がかなりギクシャク。仕事にやりがいと意義を認めつつも、フランとの関係も大切で、どちらにも優劣をつけられずに割り切れない悩みを抱えるペレスがとても人間くさくて好感が持てます。事件は、フランが島に住むカリスマ女性アーティストと一緒に開いた展示会のオープニングセレモニーに現れ突然泣き始めた謎の男が、翌朝死体となって発見されるという、島の日常とはかけ離れたもの。真相は過去に起こったことに端を発しており、ペレスの粘り強く根気のある聞き込みなどから、明らかになります。謎ときと同じくらい、島という濃密な小社会の人間関係が興味深く読み応えがあります。解説が丁寧でした。順番にあと2作も読むつもりです。
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シェトランド四重奏の二作目。絵画展の後で不審人物が殺される。思慮深いペレス警部と、本土から応援に来た合理的なテイラー警部が、事件に挑む。終盤、呆気なく解決に向かうが、イギリス最北の島、シェトランド島の静かで濃密な時間が堪能できる。