亜愛一郎の狼狽 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M あ 1-4)
- 東京創元社 (1994年8月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
- / ISBN・EAN: 9784488402143
感想・レビュー・書評
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とりあえずミステリの有名どころは押さえていきたい\(^^)/
というわけで、絵師でありマジシャンでもある泡坂妻夫先生の、亜愛一郎シリーズです。
冒頭の「DL2号機事件」がデビュー作で代表作の一つでもあるようなんですが、個人的にはちょーっと、いえ、正直ものすごく物足りなかった(汗
DL2号機よりは、上空の熱気球内で芸人が殺される「右腕山上空」、傾いた団地で殺人事件が発生する「曲った部屋」、巨大仏像の掌の上で起こった奇妙な事件を描く「掌上の黄金仮面」、未開の地の首長が謎の死を遂げる「ホロボの神」が面白かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
泡坂さんのデビュー作を収めた亜愛一郎シリーズの1作目。
亜さんがこういうキャラである必要性がよく分からないけど、まぁ謎解きがおもしろかったからいっか。
結構突拍子もない推理…というか、そもそもの発端が突拍子もない感じはするけど、読み物としてはおもしろい。
ただ、感じ悪いキャラ(特に警官)が多くてしんどいのと、第6話の一荷さんの異様な執着心が気持ち悪かった。
あそこまでそうしないといけなかったのかな。
第8話の匡子さんも。
悪いほうにキャラが立ってる。
それで★-1です。 -
デビュー作の6号でなく『DL2号機事件』を含む同一探偵の短編集
8話のどれについてもミステリの謎たる部分が独特のものあって面白い
付き合う探偵も自然変わったキャラクタ造形になるが
むしろ探偵はふつうであって方が謎の不可思議さが立ったのではないかと思う
関連リンクをみればわかるとおり昭和なふいんきも一種の味か -
きれいにまとめられてるミステリー短編集。
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おもしろい。殺人事件が絡むシリアスな事件ばかりなのに、探偵役の亜をはじめ、登場人物のちょっとしたセリフ回しがコミカルでなかなか笑える。冷静に考えるとトリック自体は大したものではないし、ミスディレクションなどもないので結末を知っても意外性はあまりないかもしれないが、真相を解決する鮮やかさと端的かつリズミカルに物語が進展するのでサクサク読み進められる手軽さが魅力的。続編もあるので、また暇ができたら読み進めたい作品。
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マジシャンが身につけている論理的なだましの技術が、コンパクトに短編小説に組み込まれていて、楽しい。
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奇妙な名の、奇妙な男による、絶妙な推理
女性を虜にする美貌の持ち主ですが、間が抜けた発言や言動が目立ち、苗字が「亜」という何とも奇妙な探偵。しかし、その推理力は折り紙付き。マジシャンの経歴を持つ著者ならではの、観察眼に基づく論理の組み立てが面白いです。
一番好きなのは「G戦上の鼬」。逆説的なロジックが光り、巧妙に配置された伏線が何ともいじらしい。次点は「掌上の黄金仮面」。思い切った発想の転換で、複数の謎が一気に解決します。一方で「黒い霧」は、推論が飛躍しすぎた印象です。
ミステリに読み慣れてきた私ですが、謎解きの愉しさを再認識することが出来ました。 -
何気ない習性や無意識な言動がポイントになったりしていて、なかなか興味深かった。少し間を置いて続編も読もうと思うし、著者の他の作品もいずれ読んでみようという気になりました。