田舎の刑事の趣味とお仕事 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M た 7-1)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 500
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488499013

感想・レビュー・書評

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  • 肩の力を抜いて読む本です…とありました。確かに、何も考えず、ぼやっと読むのがいいでしょう。深く考えたり突っ込んではいけませんね。

    田舎育ちの自分としては、「田舎だって事件があるんです!」という煽り文句に誘われて読んでみたのですが、正直田舎の雰囲気を感じたのは、最初の山葵泥棒と、最後の米糠のところですかね。それ以外は、田舎というよりは、2時間サスペンスで出てくる奥深い場所、みたいな雰囲気であまり田舎臭さではないような。

    最初はあまりに使えないどころか血圧が上がりそうなほどの怒りを覚える部下を持つ黒川刑事に同情しそうだったのですが、話が進むにつれ黒川刑事のキャラがぶれまくって、最終的には「黒川刑事もたいがいだな」って思えました(^-^;

    それにしても、黒川刑事の年齢設定ってどれくらいなんでしょうね?
    最初は趣味としてネトゲをやり込んでいるし、既婚者子供なし、とあったので30代くらいかと思ってたんですけど、黒川刑事の奥さんの言動が、どう見ても昭和薫る60代って感じにしか思えないんですが。

  • 二人の部下との掛け合いと主人公の苦悩&毒舌。かなりスカッとします。そして、きちんと組まれた推理ももちろん面白い。スカッとしたいけど、推理小説が好きという人にぴったりだと思います。今の私がまさにその心境だったのではまりました。次は二巻を読み始めました。

  • ほぼ中身なし。

    とにかく時間があって。
    ぼーっとするのももったいない。
    暇つぶしになんか読もうかなー。
    でも重いのはヤだなぁ。短くてサラっと読めるのがいいなー。
    という人向け。

    のほほーんと、何も考えずに読んでください。
    暇は潰せます。

  • 3 

    時折、曖昧であやふやな描写が見受けられ、まだこなれていないなあという印象。特にトリックの説明の場面で明快さを欠くようなところがあったり、会話文の連続したところで発言者が曖昧だったり、2編目の“あそこの施設の関係者以外は別ですが”の矛盾したくだりなど、ロジカルな謎解きものとしては少々粗が目立つ。が、ユーモア面、キャラクターなどざっくりと全体を見ればそこそこ面白かった。ウサ丸くんの切れ味が際立つ。

  • 図書館で。
    普通に面白いのですが…何となく引っかかるものがあります。と言うのも登場人物みんなが他の人を尊重していない姿が嫌だなあ、と。黒川さんもそうだから周囲の人も彼をそう言う風に扱うのかもしれませんが。きちんと他人と向き合い、他人の意見や価値観を尊重するという人として一番大事な部分が欠落しているように思います。奥さんの腹話術の会話も全然面白くない。あんなこと、間違っても人に言うことではないと思います。大体、自分が食べないものを人に食べさせたり、事故にあった家族の安否も気遣わないなんてかなり陰湿ないじめではないでしょうか。他人のことばかり莫迦にしている白石さんも気に入らないですが。お話の感じがいじめられている人を見て笑っているような雰囲気だったのでそこが嫌でした。

  • ほとんど事件の起こらない田舎の刑事が、人が死なない事件を解決する短編集。
    主人公の刑事はマトモで、今時の若者という感じの馬鹿な部下や、不思議な妻など個性あふれるキャラが出てくるのだが、後半の話はギャグに走っているような気がしてちょっと残念。

  • (Ⅰ)偉そうに言うと、犯罪は起こるけど妙にのんきなこの世界、気に入りました。(Ⅱ)ダメ部下で歩く捜査妨害の白石が作品の雰囲気をつくっているとすら言えます。(Ⅲ)メンタル弱い黒川と、ものに動ぜすのんびりマイペースで時に平然とおそろしい発言をする妻との会話は一服の清涼剤?

    ■簡単なメモ

    /黒川はテレビドラマ「相棒」の右京さんっぽい話し方。でもこちらの部下白石は軽挙妄動型で上司はイライラさせられがち。

    /黒川夫人はなかなかええ性格してて夫婦の会話は楽しい。個人的にはここがメインやったりします。

    /推理しながら読むことはしませんが自然にわかってしまうことは多いです。が、この作品は軽い雰囲気ですけど意外に一筋縄ではいきませんでした。ゆえにけっこう楽しめました。個人的に重視している、キャラクタと場の雰囲気もよかったし。

    /出荷直前のわさびが大量に盗まれた。夜の雨の中、犯人の車と思われるヘッドライトの目撃証言。黒川は趣味で遊んでいるネットゲームでの謎解きにも挑戦していたがアホな部下の白石と遭遇、さらにイライラをつのらせる。謎は一瞬で解けます。

    /山林の中でたまたま銃の試し撃ちっぽい痕跡が見つかった。誰が誰を狙っているのか? そして、どのようにして? そして、黒川の食生活はどうなる? 犯人が誰かははっきりわかるように書かれてましたがその方法はけっこう複雑でした。バカミスに近いかも? 一度失敗してもいつか成功すればいいというタイプの犯罪手法はなかなか解けにくいですね。

    /田んぼの真ん中にあるコンビニで、しないでもすんだと思われる強盗立てこもり事件発生。そしてなんと、夫人のお使いでたまたま買い物に来ていた黒川が人質になっていた。パニックにおちいりつつ滅多にない大事件に嬉々として立ち向かう警察一同。そして…犯人たちが消失した…? 犯人も方法も思いつけませんでした。前提にしてた部分だけは正解やったんですけど。ぼくにとっての「ミステリでのタブー」に抵触してたこともあり、考えないようにしてる方向やったからかもしれません。別の人物が犯人やと思ってたなあ。

    /亡くなった女性によるカラスの復讐。二億円のサファイアはどこだ? これはまったく思いつけないかたちでした。かつ、そう無理がなかったようにも思います。

    /青酸カリを盗んだストーカー男が自殺した。盗まれた毒は大量殺人できる量だ。ヤツはターゲットを確実に殺す罠を仕掛けているはずだ。黒川たちの懸命の捜査が始まる。しかし妻が(夫も知らなかった)腹話術の特技を生かすイベントに駆り出されているのに遭遇しその折のやり取りで戦闘不能状態に。怪しい場所は察したけど犯人の真の狙いには気づきませんでした。それにしても、悪魔のウサギは何をしたのだろう?

    ■田舎の刑事についての単語集

    【赤木忠志/あかぎ・ただし】新人刑事。真面目で熱心、天然記念物級の朴念仁。
    【イヌ】「メガロ・オンライン」で黒川のパーティメンバー。狼男。フリーターらしい。
    【課長】意外に黒川を頼りにしている。
    【香山/かやま】暴力団担当の刑事。顔が怖い。
    【警察署】《この田舎の警察署は本当にひまなのである。》趣味とお仕事p.224
    【黒川鈴木/くろかわ・すずき】刑事。巡査部長。既婚。子供なし。酒もタバコもギャンブルもしない。パイナップルの載ったハンバーガーは許せない。
    【黒川夫人】この作品でもっとも魅力あるシーンを作ってくれる人物。お笑い番組をクールな表情で観ているがちゃんと楽しんでいる。おっとりマイペースでものに動じないタイプ。夫婦の会話は一服の清涼剤です。《妻としては、ちょっぴり愛が重いですわ》趣味とお仕事p,187。
    【ケイコ】「メガロ・オンライン」の他のパーティのメンバー。ロボット。専業主婦らしい。
    【刑事課】《ここじゃ刑事課は何でも屋でしてね》趣味とお仕事p.230
    【コサク】→白石高作
    【白石高作/しらいし・こうさく】刑事。黒川の部下。無能で図々しく大雑把で考えなしの歩く捜査妨害。《うん、これは白石を殴ってもいいよな、グーで。》趣味とお仕事p.178。《彼は生まれついての反面教師としてのオーラというか、空気をかもし出している。》趣味とお仕事p.225。《バカもここまでくると指摘したほうが小さい人間のような気までしてくる。》趣味とお仕事p.254。偶然だが「メガロ・オンライン」でも黒川と行動を共にすることになった。人間の戦士。こちらでもかなり迷惑だが黒川のことを無能でイヤな上司呼ばわりしている上に捜査内容を平気で他者に教えている。
    【泥棒】《泥棒という人種は、しばしば凄まじい底力を発揮して障害を乗り越えるのだ。》趣味とお仕事p.30
    【野呂慶介/のろ・けいすけ】東京の警察署から来た刑事だが特に偉そうな態度は取らない。
    【ミカゲ】「メガロ・オンライン」で黒川のパーティーメンバーの一人。鎧男。造園会社に勤めているらしい。
    【宮下】交通課。
    【メガロ・オンライン】黒川がハマっているネットゲーム。黒川は結果的にネカマになっている。キャラクタネームは「コロナ」。
    【論理】《黒川はこういう犯人は苦手である。こいつの執念は黒川がよりどころにする論理的な思考の対極にある。》趣味とお仕事p,237
    【ワサビ盗難事件】農産物盗難事件が相次ぐ中、ワサビはノーマークだったが本ワサビはけっこう高額なので被害額は大きい。

  • 初読みの作家さん。キャラはとてもおもしろかった!黒川鈴木って名前からしてなにそれだったし、奥さんのブラックキャラも黒川鈴木の心の声も笑えた…んだけど…謎解きの答えがよくわからない。わたしの読解力不足でしょうか。残念。

  • トリックに見せようとしたトリックって感じ。腹話術の奥さんは面白かった。

  • ゆる~い感じがとても好み。

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著者プロフィール

1973年、福島県生まれ。日本大学芸術学部卒。2006年短編「田舎の刑事の趣味とお仕事」で、第3回ミステリーズ!新人賞を受賞してデビュー。コミカルな設定と卓越した謎解きで注目を浴び、同シリーズは板尾創路主演で連続テレビドラマ化される(番組名は「デカ☆黒川鈴木」)。著書に『田舎の刑事の趣味とお仕事』『田舎の刑事の動物記』『田舎の刑事の好敵手』『長弓戯画 うさ・かめ事件簿』『ワースト・インプレッション 刑事・理恩と拾得の事件簿』『和気有町屋南部署 デカは死ななきゃ治らない』など。

「2015年 『捕獲屋カメレオンの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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