紐結びの魔道師 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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本棚登録 : 465
感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525064

感想・レビュー・書評

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  • これは味わいがあった。

  • 紐の結び方で色んな魔法が発動する魔導士の話。今回は前向きな主人公が日々楽しそうに過ごしているイメージで、読んでいて楽しいです。
    理不尽な死というのが今回ないので、余計にとても私好みです。

  • エンスが好き。

  • 紐を結ぶことで幸福を呼び込む、テイクオクの魔道師リクエンシスを主人公とした短編集
    ガッシリとして背の高く、ささいなことでも快活に笑う
    およそ魔道師とは対極にあるような人柄のその人の魔法は
    深く生活に根ざした、人との繋がりの魔法


    *****


    初め、紐を結んで魔法をかけるなんて地味な!!
    とっさのときはどうするんだ!!
    と思いながら読んだけども
    先の魔法大戦のようにドンパチやらかすだけが魔法じゃないんだよなぁと
    気持ちを改める
    効果を念じながらせっせと編み込まれる紐はいっそ深く強く祈りがこもるようで
    何かを結びつけたり、掬いとったり
    そういう繋がりを、愛しているのかなぁと

    この世界の好きなところは、魔法が今まさに作られて形になっていくのを目の当たりにできるところ
    既にあるものを練習したり習得したりするのでなく
    それぞれの第一人者が、試行錯誤を重ねて
    編み出していく様子がとても面白いなぁといつも思う

    今回も、エンスと旅をしながら様々な風景を見ることが出来た
    いい旅だった

  • また短編集だと思ってたら連作短編集だった。紐結びの魔道師リクエンシスの話。魔道師なのに闇をほとんど意識させず、その時々のパートナーや他人を気にかける彼は魅力のある人物。魔術といっても日常生活を良くするレベルのもので、且つ剣士としての腕も持つ彼なので、余計に人間味を感じたのかもしれない。あるいはまだ魔道師として老成していないのか。たまにはこんな、一人の魔道師の生涯にスポットを当てた物語も良い。

  • 図書館で。そろそろこのシリーズ買おう。
    最初の作品は読んだことがあったのでおや?又同じ本借りてきちゃったかなと思ったら後は読んだことない作品でした。紐の結び方で魔法を発動するって発想が面白い。

    最後の短編はちょっとアルケミストみたいだなぁなんて思いました。色々の作品がそこここでリンクしているのも嬉しい。いわゆるという魔導士ではなく本や石や紐といった魔法使いってのが又面白いなぁと思うのです。

  •  壮大でしっかりと創られたシリーズ。ファンタジーと言うと、ともすれば装飾過多で冗長な文になりがちだがすっきりとして読み易く、それでいて一編ごとに違う土地の様子や人々がきちんと書き分けられていて、作者の力量の程が伝わってくる。
     
     

  • 【収録作品】紐結びの魔道師/冬の孤島/形見/水分け/子孫/魔道師の憂鬱

  • 「オーリエラントの魔道師たち」に出てきた、紐結びの魔道師リクエンシスを主人公にした短編集。今までの乾石さんの魔道師たちは心に闇を抱えていたけど、リクエンシスは陽気で明るくて闇とは無縁だった。魔道師の中でも稀有な存在、招福の魔道師。何百年も生きて、喜びを見出せなくなっていたリクエンシスが、ニーナに一緒に暮らそうと伝え、日々の中に幸福を見出していこうとするラストが良かった。

  • 繊細な表紙がまず好き。
    いいなぁ、こういう魔法。
    いいなぁ、この世界観。

    しかし、どんな属性でも、どんな世界でも、描かれるのはやっぱり人間で。いろんな弱さ、いろんな強さを持ったいろんな人間で。それぞれ魅力的で、読み終えるのが勿体無くて、ことさらゆっくり噛み締めるように読みました。

    至福。そして、読み終わったあとの充足感と、すぐ後に訪れる喪失感。ええ本に会うと、嬉しいねんけど、読み終わるのがツラいわ。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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