紐結びの魔道師 (創元推理文庫)

著者 :
  • 東京創元社
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488525064

感想・レビュー・書評

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  • 紐結びの魔導師・リクエンシスの物語。

    今までの魔導師シリーズと比べて“闇”の部分が少なく、エンス、ことリクエンシスの魔導師っぽくない飄々としたキャラもあって、素直に楽しく読める短編集。
    エンスの編み出す、“紐結びの魔法”も手作り感覚で好きですね。
    そして、温かな気持ちになるラストも素敵です。

  • 紐結びの魔導師リクエンシスを主人公にした6編の短編集.
    エンスの茶目っ気のあるおおらかな人間性,魅力満載です.相棒のリコも味のある愛すべき爺さんである.

  • ひとりの魔導師、リクエンシスを追った中編集。最後の、三百歳以上になった彼の砂漠の旅「魔導師の憂鬱」が良かった。
    オーリエラントはファンタジーだ。でも、気象や生活は現実のどこかに依っている。ところが長く生きた人の気持ちは、どこにも手本がない。それを、なんとも自然に描いているのがすごいと思った。憂鬱で気力も衰えているエンス、ところがべつの長生き魔導師であるケルシュに会ったことで、また若いニーナの存在もあって、また希望を持つようになる・・・

    「器を満たせ、お若いの。この星々の光でおのれをいっぱいにすることだ」

  • オーリエラントの魔導師シリーズの最新作。紐結びの魔導師リクエンシスの物語。

    単行本『オーリエラントの魔導師たち』で読んだ時にはあった紐結びの魔導師の話が、文庫ではなくなっててショックだったけど、まさか単独で一冊になるとは!しかも書き下ろしがたくさんで読み応え十分で満足!!
    相棒との出会いやそれ以前の冒険、そして新たな相棒の話にワクワクしながら読みました。やっぱりこのシリーズ大好きです(≧∀≦)

  • 読了。

  • 紐結びの魔道師が独立した連作短編集として文庫で登場。

    内容もさることながら、あいかわらず、表紙絵がうつくしい。担当された絵師さんのホームページでは実際に紐を結びながら描写されていく様子が写真でアップされている。圧倒されます。しかも点描。気が遠くなる。

  • 今までの中で一番好き。
    というか、穏やかな時間が流れているようで、とても心温まる感じがした。
    人との出会いと別れ、何百年も生きる魔道師には、普通の人間よりもそれが多く、つらい経験も多いと思うけれど、最後のケルシュの助言に救われたんだろうな。

    私も小さい頃、魔法を空想していた。
    私の場合、魔法で本の中に入り込んで、シャーロック・ホームズとワトソンと一緒に事件を解決する。みたいな空想だった(笑)

  • 面白し。

    騒動に巻き込まれたり、
    化けものを退治したり。
    主人公の愉快な冒険譚だと思ったら。

    最後の最後で、
    魔道士とは?とは。
    ガツンときました。

  • “オーリエラントの魔道師”シリーズと銘打たれていて、 前に読んだ「夜の写本師」と同じ歴史の流れと世界観に属するこの本、紐を様々に結ぶことで魔法をかけていく紐結びの魔道師リクエンシスの冒険譚。
    冒険と書いたものの派手な活劇の場面は少なく、どちらかと言えば、悠久の時を生きる魔道師の人生と彼とともに生きた人に対する振り返りのお話。
    後半に行くに従って内省の色が濃くなるが、300年もの生を受け、自分より後に生まれたものに先立たれ、人生を回顧し、その生の虚しさに倦んだエンスが、再び生への執念を燃やす『子孫』や『魔道師の憂鬱』が味わい深くて良かった。

  • 朗らかなテイクオクの魔導師リクエンシスにまた逢えた!彼の人生の節目節目に立ち会わせてもらえるとは、望外の喜びである。しかも最後には本の魔導師殿にまでお目にかかれるなんて。オーリエラントの物語もまだまだ続く予感もするし、巻末の年表も何気に嬉しい。

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著者プロフィール

山形県生まれ。山形大学卒業。1999年、教育総研ファンタジー大賞を受賞。『夜の写本師』からはじまる〈オーリエラントの魔道師〉シリーズをはじめ、緻密かつスケールの大きい物語世界を生み出すハイ・ファンタジーの書き手として、読者から絶大な支持を集める。他の著書に「紐結びの魔道師」3部作(東京創元社)、『竜鏡の占人 リオランの鏡』(角川文庫)、『闇の虹水晶』(創元推理文庫)など。

「2019年 『炎のタペストリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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