伝説の森 下 (創元推理文庫 F ラ 3-11 ヴァルデマールの風 第 3部)

  • 東京創元社
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784488577117

感想・レビュー・書評

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  • もう、素晴らしい以外の言葉が出ません。
    なんで、こんな物語が紡げるのだろうかと、毎回、Lackeyの作品を読了するたびに思います。

    主人公がエルスペスへと変わった、<ヴァルデマールの風>三部作、その最終巻。
    ヴァルデマールの宿敵である、ハードーン国王アンカーとの決戦が語られます。

    もうなんと言っても、その演出の巧みさと丁寧な描写は、本作でも健在。
    ハラハラドキドキしながら、ただただ夢中で頁を繰りました。
    電車で読んでいると、駅に着くのか速すぎて、もう少し読みたいのにと不満になるほど。

    Lackeyの作品に登場する主人公たちは、決して万能ではありません。
    エルスペスを初め、<達人>と呼ばれる最上位の魔法遣いではあります。
    けれど、彼女たちの「敵」は、「存在自体が悪」という、紛うこと無い悪者です。
    力のためには手段を選ばず、禍々しい力を存分に振るうことが出来るのです。
    そんな強大な力を持つ敵に対抗するために、彼女たちは知謀を駆使して対抗します。
    仲間との信頼、綿密な計算に基づく大胆な賭け。
    そして、彼女たちを見守る「女神」と、その使いたち。
    数々のsceneを丹念に描いていくことで、物語はその深みを増していきます。

    本作は、これまでの作品と比べ、ちょっと地味な印象です。
    派手な戦いや、奔放な会話などが控えめだったように感じました。
    その代わり、心の機微や風景が、とても繊細に描写されている印象。
    結果、これまでとは違った種類のclimax、という感じを受けました。
    本作のclimaxは、単純な対決なのではなく、そこに至る過程。
    そして、そのあとにもたらされる解放。
    違う種類のCatharsis、だけど感動の大きさは変わらない。<blockquote>エルスペスはヴァルデマールの弓から女王の手によって放たれた正義の矢なのだ。</blockquote>この一文に、震えが来ました。
    本当に、どうしたらこんな文章を紡ぎ出せるのだろう。
    そして、このような日本語へと訳すことが出来るのだろう。
    いや、感服致しました。ここが、ぼくにとって本書のbest sceneです。
    未読のかたにとっては、どこがすごいのか分からないかもしれないですけれど。
    Mercedes Lackeyさんと山口緑さんから産み出されるharmonyは、まさに極上です。

    そしてまた、決戦の最中に新しい火種が発生してしまいました。
    Storm三部作が、どんな展開になっているのか、本当に楽しみです。

  • 再読ー。

  • ふうん、使者って結局司祭みたいな役回りなんだ。

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