読書の技法

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (279ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492044698

感想・レビュー・書評

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  • ・本の読み方、読書ノートの書き方、本を読む時間の使い方などが筆者の経験をもとにこと細かく書かれていた。
    ・例として挙げられている本が、自分の未知の分野のものなので実感がわかなかった。
    ・時間は有限な資産なので、読むべき本をあらかじめ選別するために速読や超速読が存在する。
    ・未知の分野や知識が薄い分野の一の1冊の読み方(熟読)の方法かとても参考になった。
    ・小説や漫画を読む事は、脳のリフレッシュにつながり、仕事や熟読を効率的に進められるようになる。小説を読むときは、主人公や登場人物になったつもりで読むため疑似体験ができる。
    ・すきま時間の書には、向く本と向かない本があるため、読む本の選定に気をつけたいと思った。

  • 実際にやっていたら、ノートへの書き写しは、時間がかかる・・。。
    そのために、速読をマスターする必要あり。
    全体的に、インプット方法として参考になる。

  • 読書の位置づけがインプットである人の読み方。「新聞を読む過程で行っている作業」という表現に納得。「『時間は有限であり希少財である』という大原則を忘れてはいけない。速読はあくまで熟読する本を精査するための手段にすぎず、熟読できる本の数が限られるからこそ必要となるものだ。速度が熟読よりも効果を挙げることは絶対にない」

  • 本の読み方を学べる

  • ★一度読んだ本は二度と読まないつもりで、何かを得られるように読む。

    1.読書目的・課題意識
    ・読書の効果向上。読んだ本の内容を覚えておらず実践に生かせていない現状を打破する示唆を得る。

    2.takeaways
    ・読書目的に照らして「熟読」「速読」「超速読」を区別する。ただし、速読・超速読は基礎知識がある分野のみに適用可能。
    ・ゆるい形で本を読む習慣が身についてしまうと・・・頭の中に定着していかない。「あっ、自分も知っている」という感覚は味わえても、「では、どう知っているのか」には答えられない(知識が定着していない証拠)。
    ・だらだら長時間勉強をしても学力はつかない。

    3.todo
    ・読書時に「熟読」「速読」「超速読」を区別し、実践する。すべて時間制限も明確にする。
    ・ブクログに記録をつける(ノートの代替、ただし熟読時はノートも併用する)。

    4.要旨および重要と感じたフレーズ
    ・上級の応用知識をつけようと欲張らない:難関大学の卒業生で、学生時代の成績がそこそこよかった人にこういう例が多い。読書法を根本的に改めない限り、こういう人が知識を集積していくことはできない。(p56)
    ・基礎学力をつける段階で客観的な自己評価ができないと、間違った読書法をしてしまう。大切なのは、自分の知識の欠損部分を知り、それを補うことだ。(57p)
    ・重要なことは、知識の断片ではなく、自分の中にある知識を用いて、現実の出来事を説明できるようになること。そうでなくては、本物の知識が身についたとは言えない。(p58)
    ・熟読方法(10時間~):基礎知識習得のためには3冊選定(多数決)。まず本の真ん中(内容薄弱になりやすい)を読んで充実しているものから読む。(p59抄訳)3回読む、1回目は興味深い点・疑問点の目付(鉛筆・ポストイット等)、2回目はそれらのうち重要なものをノートに転写、3回目は目次構成を読んだうえで結論部分を3回読み、最後に再度通読。
    ・第1回目の通読を漫然と行ってはならない。実はいい加減な仮読みのような手法で一度本を読んでしまうと、その後、重要事項がきちんと頭に入らなくなってしまう。
    ・超速読(~5分):速読の目的は、読まなくてもよい本をはじき出すことー一生で読める本の数は限られている。(p51)
    基礎知識がある分野が前提(そうでなければ単なる指の体操にしかならない)。ページ全体や強調部分のみ目を通して、結論部分を読む。(p78抄訳)
    ・速読(30分(新書・ビジネス書)~3時間(専門書)):超速読同様基礎知識がある前提。明確な目的意識を設定し読む。完璧主義は捨て、新聞を読むように重要部分以外は超速読、重要部分も1分未満で読む。(p88抄訳)
    ・ノート:読書後30分程度で対応。ノート等で振り返りまたは深堀しなければ、自分な得意分野の知識しか身につかず、それでさえ中途半端なレベルのため応用問題は解けない。(p100抄訳)
    ・ゆるい形で本を読む習慣が身についてしまうと・・・頭の中に定着していかない。「あっ、自分も知っている」という感覚は味わえても、「では、どう知っているのか」には答えられない(知識が定着していない証拠)。(p101抄訳)
    ・知識は一定の熟成期間を置いた後にしか身につかない。・・・本当の意味で身につくのは3~6か月後。(p113)
    ・世界史の勉強は1日4時間以内にする。だらだら長時間勉強をしても学力はつかない。(p137)

    5.読了時間
    ・1時間程度(再読時)

  • 難解な箇所があるが読書について学べた本

  • 読書の技法というよりも、大人の勉強のやり直し方法を記載してる感じた。引用が多分に含まれてて著者の主張がものすごい圧を感じるがそれはそれで、はぁ賢い人はすごいなぁと思いながら読み終わった。

  • 「人生の時間制限を考えるとで時間をかけて読める本は意外と少ない」という危機感が根底にあるがゆえにとても現実的な読書術になっていた。

    月に〇〇冊みたいなものは胡散臭いものが多いが、この著者は
    ・熟読できる本は多くても月に親書で10冊程度
    ・速読で熟読するかどうかを見極める
    等、実践的で地に足の着いた読書量を提案している点がとても好印象。

    また、読書後のアウトプットの方法として読書ノートの作成法を提案してくれている点も実践につながってよかった。

    「知識は効率的に手に入れて、実生活で使えてなんぼ」という実践性に主眼が置かれた読書法でまさに求めていたものだった。

  • 再読。モチベを上げたいときに定期的に読み返す

  • 《熟読の技法》
    ☆読むきっかけ
    自分の読書というものをより鍛えるためにはどうすれば良いか考えた結果、他人の読書術と比較して、自分に足りないところがあれば、それを吸収すれば、良くなるだろうと判断した。

    ☆内容の自分なりの要約
    著者は月に300冊以上の読書をすると言うが、全ての書籍をじっくりと読んでいるわけではないという。
    時間は限られており、生涯で読める書籍は意外と少ないため、読むに値しない本を排除するために「速読の技法」を使い、じっくりと読むに値する本を「熟読の技法」で読み込む。

    速読をするためにはある程度知識が必要だという。知識がないまま速く読もうとすると、ただ字面を追うだけになり、その文章の意味まで理解しないまま通り過ぎてしまう。そのため「その本ってどんな事が書かれていたのか?」と尋ねられても上手く答えられない、という事が起こる。
    では、速読をするために必要な知識とはどうすれば身につくのか。著者いわく、一番簡単に基礎知識を手に入れる方法は「高校レベルの教科書と参考書を読む」事だという。
    多くの人は「受験で得る知識など実社会では役に立たない」というが、それは著者に言わせれば、知識として定着しておらず、しかも日常生活や仕事で活かそうとしないからだという。きちんと使おうとすれば、役に立つ知識が詰まっている、それが教科書と参考書だと主張している。
    しかし、教科書と参考書をゼロから読むというのは効率が悪い。まずは自分の知識の水準がどの程度なのかを把握する事が大切であり、そのために役立つのがセンター試験などの入試試験であるという。センター試験を使って、自分はどこが分かっているのか?どこが分かっていないのか?を明確にして、分かっていないところを重点的に学べばいいという。8割の点数が取れれば、基礎知識がついていると判断してもいいとの事だ。

    著者は読書をする際、常にノートを近くに用意しているという。熟読する時は「少なくとも3回は読む」という。一回目は読みながら重要だと思っているところに線を引いたり、よく分からないところには疑問符をつけて通読する。二回目は重要だと思ったところをノートに書き抜き、それに対して自分なりのコメントをつける。三回目はもう一度再読する。という手順を踏んでいるという。

    著者の考えでは「現実の出来事を説明できないならば、本当の知識は身についてない」との事だ。例えば歴史の年号や出来事、人物を暗記しているだけでは不十分で、「そこからどんな教訓が見出されて、それが日常生活や仕事上でどのように活かす事ができそうか?」というレベルまで深められていないと本物の知識とは言えないという事だろう。

    また、小説や漫画にも触れていて、大きく分けると3つの効用があるとする。「娯楽として楽しむ」「何かを学ぶためのモチベーションとなる(三国志の漫画を読んで、中国史を勉強しようと思うなど)」「社会や人間関係に関する理解を深める寓話」という3つの効用があるという。

    要するに「自分の基礎知識を客観的に把握しながら、膨大な書籍を速読術で見極め、じっくりと読むに値する書籍を熟読して、自分の知の領域を拡張していこう」という事ではないだろうか。
    著者は前書きにおいて、「読書の技法というタイトルになっているが、物の見方・考え方、表現の仕方まで視野に入れているので、知の技法についての入門書と考えていただきたい」と書いている。そのため、読書術の本としては珍しく、単なる読書の方法論だけではなく、「第二部:何を読めばいいのか」において、世界史や日本史、政治、経済、国語、数学などの学び方の参考になりそうな項目を追加しているのだろう。

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著者プロフィール

1960年1月18日、東京都生まれ。1985年同志社大学大学院神学研究科修了 (神学修士)。1985年に外務省入省。英国、ロシアなどに勤務。2002年5月に鈴木宗男事件に連座し、2009年6月に執行猶予付き有罪確定。2013年6月に執行猶予期間を満了し、刑の言い渡しが効力を失った。『国家の罠―外務省のラスプーチンと呼ばれて―』(新潮社)、『自壊する帝国』(新潮社)、『交渉術』(文藝春秋)などの作品がある。

「2023年 『三人の女 二〇世紀の春 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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