- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492313787
作品紹介・あらすじ
アメリカに経済学ブームを巻き起こし、170万部のベストセラーとなった話題の書。若手経済学者のホープが、日常生活から裏社会まで、ユニークな分析で通念をひっくり返します。犯罪と中絶合法化論争のその後や、犬のウンコ、臓器売買、脱税など、もっとヤバい話題を追加した増補改訂版。
感想・レビュー・書評
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雑にまとめると私たちが持っている先入観をデータで打破するというストーリーである。つい最近流行っていた『ファクトフルネス』の経済学(社会学)版といってもいいだろう。直前に『ファクトフルネス』を読んでいたこともあり、本書の冗長さがどうしても気になった(『ファクトフルネス』の書き振りがやけにさっぱりとしているのもあるが)また本書で取り上げられている事柄もあくまでアメリカ社会がベースとなっているため、第1章の先生の話と相撲の話以外は日本人にはいまいち頭に入ってきにくい気がする。
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重厚な見た目と経済学という取っ付きにくそうなタイトルの印象とは異なり、読み進めやすい作品であった。一貫したテーマは無さそうであるが、各章とも世の裏側を探究している、という点で一貫している。裏側を見ることで、自分がいかに固定観念を持って生きているか、ということを実感した。
最も印象的な章は、アメリカで犯罪があるときから減少し始め、その原因を探るところである。
中絶認可が他の要因よりも圧倒的にそれに寄与しているなど中々思わないし、想像することはないだろう。(最終的に中絶をどのように捉えるかという問題は棚に上げた上で。) -
2007年当時のベストセラー。世の中、身近な事象を、インセンティブの考え方と、統計を用いて解き明かす。
力士が八百長をしているか?犯罪者が減った真の理由、効果的な子育てとは?などなど。でも、いまではもうビッグデータとかAIで、因果関係ではなく相関関係で物事を把握することが一般的になってきているので、もうさほどの驚きはない気がする。
ブログなどの記事も追加した増補版ですが、よほどハマった人以外にはこれは不要かな。 -
経済学と言うよりは統計に近い。
ドキュメンタリーのような推理がなかなかに面白い。 -
経済的・社会的・道徳的インセンティブを軸に、経済学を日常の事象(日本では日常でない)から考察・検証し、分かりやすく説明している。さすがベストセラー作品。最近話題の「識学」に通ずるものがある。普通に面白い。
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ティム・ハーフォード、かーらーの→Wスティーヴン。
ティムの文章もなかなかに達者だと思っていたが、さすが本職のもの書きは格が違う。ミリオンセラーも納得である。
ネタ部分は共著のもう一方、本職の経済学者によるもので、こちらもさすが。「数字は苦手」と言い放つ新進気鋭、当代一流の経済学者は、経済学の新しい側面を見せてくれる。
読了日未記録 -
「銃とプール、子供にとって危険なのはどちらか」などの身近なテーマについて統計データを読み解いていくという本。常識的に考えた場合とは異なる結果も多く、サブタイトルにあるような「世の裏側を探検」している気分を味わうことができる。どちらかというと雑学的な内容なので、高校で経済を学ばなかった方でも気軽に楽しめると思う。
(機械科学科 B4) -
■『ヤバい経済学 [増補改訂版]』読了 ★4つ
昔ヒットして、今となっては、ちょっと古い本だが読了。
著者(の1人)スティーヴン・レヴィットは、2年に1度40歳未満で最も優れたアメリカの経済学者に贈られる賞を受賞した鬼才。
アメリカの犯罪発生率低下の原因、子どもの学校の成績の因果関係など、「それも経済学に入るの?」という分野を経済学的手法を使って分析していく。
著者が冒頭で予告するとおり、「本書に一貫したテーマはない」。ひたすら著者の興味があるもの(犯罪系が多い)をテーマを手当たり次第という感じ。
例えば、「アメリカの近年の犯罪率低下の主要因は『妊娠中絶の合法化』である」といった、賛否両論が置きそうな分析を行っている。
統計的手法を使って分析しており、現在だといわゆる「ビックデータ解析」に近いものがある。
AIやビックデータで人間がいらなくなるという議論が多くなってきているが、この本を見ると、ビックデータ時代の人間に残される仕事が(の1つ)がわかる。
それは、そもそも分析するためのデータを取ってくるところ。データ化されていないが、データ化して分析すれば面白い結果が得られなそうな元データをいかにとってくるか。
この分析元データの取得は、各経済学者が苦労しているようだが、まだまだ職人芸的要素が強そう。
コンピュータは元データを与えないと何もできない。「分析のためにそもそも何をデータ化すべきか」という仕事は当面は人に残りそうだと感じました。
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