- Amazon.co.jp ・本 (199ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492531716
感想・レビュー・書評
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業績の良い強い企業を作るためには、実際に仕事を行う現場が優れていなければならない。
当然の話だが、会社ごとに仕事の内容やすすめ方は違うので、あまりこのあたりのことは着目されていなかったように思う。
・現場のオペレーションの優劣が、企業の業績を大きく左右している。
・戦略と実行は一体で、戦略の中に実行が担保されていなければならない。
・現場が自律的、能動的に動く組織風土を作ることが大事。
・改善は、やりきるだけではなく、やりつづけなければならない。
コンサルタントとしての著者の長年の経験から、いかに現場のオペレーションや、マネジメントが大事かを、たくさんの実例とともに書いてあり、得るところが多かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「現場力を鍛える 「強い現場」をつくる7つの法則」遠藤功
ビジネス書(経営、業務改善)。特になし。
この本を手に取って読むのはおそらく非現場層が多いだろうけれども、現場力の重要性を説くだけでなく実際に現場力をどのように鍛えるべきか、非現場層からの「現場オペレーションがなぜ強くならないのか?」という分析と処方について意識しながら読みました。
そもそも現場とは何だろう。層の切取り方によって捉え方は異なるけれども、最も普遍的なのは「その企業のコアとなる商品をつくり出す職場」であり、製造業・運輸業・小売業・宿泊業等々どの業界にも現場がある。
組織上、つくり出す現場と管理する経営層には線引きがあって、どれだけ的確な経営戦略を打ち出しても、それを現場が主体的に実行しなければ意味はない。(その時点で的確な経営戦略とは言えない)
ここまでは往々にしてどんな会社でも突き当たる壁だけれども、事実この壁を乗り越えて強い現場力を誇る企業をリーディングケースにして、では現場力を鍛える法則とは何なのかを考える一冊です。
残念ながら「現場はこうあるべき」「経営層はこうするべき」のべき論に視座を置いていて、今ひとつ薬効が少ない印象はありますが(経営層がこの本を読んで現場力を鍛えられるかといったら、おそらく厳しい)、
少なくとも本文中で提案される5%-20%」の人材に対しては啓蒙できる内容も多々。
というのは、会社を動かすのは現場なんだという「中小企業マインド」、ボトムアップの「当事者意識の発露」、経営層がカバーできない「手本となる姿勢」など、これらの人々にこそ浸透するべき点について詳しく述べられているので。
以下私見ですが、
ほんらい社会人はより良い結果を得るよう働きたいと思うはずなので、その欲求と経営方針のベクトルを合わせることが必要不可欠でしょう。
極力フリーに、主権在現で回させてみたときに現れてくる欲求への動機こそが現場力の根源となるのではないか。
事実、研修などで実務を離れた際に、普段とはうって変わった活力を見せるひとの多いこと。決して業務に対して本質的に三無主義なのではなくて、様々な拘束が存在することで当事者意識が削られていく。
そこで、このような自発的な就業意識を、維持させる環境をつくるのが経営の仕事。実務上でも発揮するのが現場の仕事。
いかんせん訓示された経営戦略がそのまま末端まで浸透することなど期待薄なのだから、どうやって現場にその戦略の妥当性を「再発見」させるかにかかっている。
トップダウンと感じさせず、本当の現場主義に立脚しようとすれば、本心から現場を信頼し、叱咤激励し、率先して戦略を実行しなければならないはず。
言い換えれば、泥臭さのない経営者(非現場層)が現場の熱意を喚起できるはずもない、と思う。
さて大多数の経営層も初めは現場層であったことを考えれば、現場主義を実現できていない経営層は、どこかで泥臭さを捨ててきてしまったのだ。
ここで5%-20%たろうとするならば「なぜ経営層は泥臭さを脱ぎ捨ててしまったのか?」についても考察しなければ、同じ轍を踏むことになる。
…と、ここまで踏み込んで読めれば大満足なのですが。。続編もあるので買って読みます。あと、9年も前の本なので、最近はもっと進歩した論説が出ているでしょう。
とっかかりとして、(4)
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p59.経営者がまず取り組むべきことは、強い現場をつくるメカニズムを理解した上で、これが機能するための環境を整備することである。
p53.現場は決して「聖なる場」などではない。
p98.現場の意思、責任感こそが現場力の推進力である。そのために必要な権限は現場に与えられなければならない。
KPI = Key Performance Indictions
p125.小集団活動は低迷、形骸化しているのが実態である。リストラクチャリングによる現場の疲弊、やる気の喪失によって、日本企業本来の強みが失われている。
もういちど小さなチーム単位での改善活動を進めるしかない。
p127.ぶら下がる人間をなくし、主体性を持たせるには、小さなチームを数多くつくって、たくさんの「みこし」を担がせるのが最も有効である。
§第3章 「強い現場」をどうつくるのか
「否定学」
ECRS法
5-20-100の理論。
1.信頼する、任せる
2.監督する、鍛える
3.手本を見せる -
イマイチ具体性が無いようにおもえる。
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すべて納得できる内容だったため、読みやすく1日で読めた。
ただ、そもそも現場とは何を指すのかが曖昧だったので文脈によっていろいろな現場が思い起こされ、少し混乱した。 -
新着図書コーナー展示は、2週間です。通常の配架場所は、3階開架 請求記号:336//E59
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競争力の源泉は「現場」にあり.
地味な現場を嫌がる人が多いが,実際問題の本質は現場にあることが多い.
日本の現場力は世界で一位であるが,では強い現場力とは何か教えてくれるのがこの本です. -
こういう系統の本にありがちな「働く人間な事」がやはり抜け落ちている。いや本に抜け落ちているのではなく,企業側に抜け落ちている,と言えよう。
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学生時代のアルバイト先で感じていた歯がゆさを思い出しながら読んだ。その時にこの本を読んでいたなら、自分を官僚主義的な組織を改善するために動いたのだろうか。そのときに行動ができていたなら、今の自分にはかけがえのない経験となっただけに、くやしい。
現場が正しい戦略(適社性×納得性)を正しく実行することに知恵を割くことが大切である。現場力が強い会社にはオペレーショナル・エクセレンス(圧倒的な業務効率性によるコスト優位、新たな顧客価値の創出)あり、そのためには、
①企業哲学としての現場力、②脱・ことなかれ主義、③主権在現、④自律的サイクル、⑤見える仕組み、⑥オルガナイズ・スモール、⑦継続する力
を達成することが必要である。 -
著者の遠藤氏は外資系コンサルティング会社ローランド・ベルガーのCOO。外資系コンサルティング会社のコンサルタントはポジショニング志向かと思いきや、著者は内部資源志向、特に現場のオペレーションを重視している。現場重視のビジネス書は精神論になりがちだが、遠藤氏は外資系コンサルティングだけに、戦略論の体系に基づいて論理的に解説している。ただし、ビジョナリーカンパニー等、本書巻末の参考文献に挙げられた書籍を読んだことがある読者にとっては新しい気付きは少ないかもしれない。
遠藤氏は持続的な競争優位性のために「オペレーショナル・エクセレンス」の追求を提唱しているが、
これは単なるオペレーショナル・エフェクティブネス(他社よりもうまくやること)ではない。競争の激しい現在では価格や性能で多少の優位性はあっても、長期的な優位性は実現できない。重要なのは優位性を生み出すベースとなっている組織能力である。遠藤氏は現場の組織能力を重視しているが、スタッフ部門による戦略立案の重要性を必ずしも否定していない。適切な戦略があることが、組織能力を活かすための前提条件としている。
一方、「ストーリーとしての競争戦略」の著者である楠木氏は遠藤氏と対照的にコンセプト重視の競争戦略を提唱している。同書の中では遠藤氏の「オペレーショナル・エクセレンス」に相当するものは「オーガニゼーショナル・ケイパビリティ」は呼ばれており、競争優位性の一要素として扱われている。
どちらが正しいわけではなく、両書を互いに補完するものとして読むことをお薦めする。 -
某研修の課題図書で読んだ。
①参考になった点
・否定学。
⇒重要なのは、そのやり方がこれからも適切かどうか。未来に照準を合わせる。
効率化を考える前に、その仕事をやめる事ができないか考える。
⇒否定が無くなった現場は腐る。
②疑問に思った点
・KPIに落とし込んで見える化する
⇒誰が、いつ、どうやって数値化するのか。
・夢の共有が組織の壁を破壊する。