自由市場の終焉: 国家資本主義とどう闘うか

  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532354640

作品紹介・あらすじ

中国、ロシア、湾岸諸国が主導する「国営企業による市場支配」を食い止められるか。気鋭の政治学者が、新たな資本主義の実態に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 表題で誘って、実は国家資本主義の終焉だった。

  • 最高。現代版世界史の教科書と言える。データが豊富。保存版。

  • 静かなる大恐慌、で見たのかな?
    新進気鋭の経済学者、と聞いたが、はて。あまり新しい視点は得られない。

    今のアメリカの軍産複合体やグローバル企業群と、ロシア、中国の国有企業群と、果たして何の違いがあるのか?
    彼らの歩んできた歴史や文化の違いとしか思えない。Eトッドの方が的を射ている。
    多分、この本が教えてくれるのは、イデオロギーとして自由市場を盲信する人々が少なからず現存する、ということだろう。レトリックとして賞賛、称揚するのは悪くない。
    が、本気で信じて国体を弱体化する愚を冒してはならない。

    「国会資本主義は、グローバリゼーション、すなわち何億もの人々を貧困から救い、グローバル規模で中産階級を勃興させている仕組みを、おおもとから壊すのだろうか?」
    このフレーズは、本気で著者の良心を疑う。かと言って、No Bland、は嫌いだが。

  • 【政治】イアン・ブレマー

  • 日経新聞にも時折コラムが出ている、ユーラシアグループ代表で「Gゼロ時代」などの著書でも有名なイアン・ブレマー氏の著書。

    中国やロシアのような「国家資本主義」の国々と「自由市場主義」の国々との比較、そして世界中に展開している民族主義や利己主義などの幅広い情報を詰め込んだ良書。

    特に新興国(中国の記述が多いが)が今後、グローバル市場の中でどのような勢力になっていくかを鋭く切り込んでいる本。

    難解ではあるが、非常に示唆に富む良書。

  • 国内の不満や圧力が高まってくると、非常に分かりやすい形で隣国をはじめ国外に政治問題を吹っかけてくるのは、よく見る手法のひとつであるが、結局そのような方法を採る背景には、国家が国民感情はじめ向かうべき方向を先導し、あるいは国外に下駄を大いに預けてしまう姿勢に疑問を持たない考え方が現われているのだろう。

    本書のいう国家資本主義とは、民間の競争にあって、共産主義の再来ともいえる大きな(大きすぎる)政府による国内産業保護を指す。

    先月訪問したコスタリカであった、巨額のコスタリカ国債が中国により購入されたため親台湾の姿勢に変化があったという話に本書でも触れられている。競争相手間においては壁を築き、一方でシンパを築く点にも余念がない。

    情報化の波のなかにあって多面的な戦略ともいえる国家資本主義の適者生存は、成立するとすれば市場経済のあり方を根底から変えていくといえる。

  • 歴史軸と地理軸で多岐に渡って情報が多い為、メモが意味をなしていませんが、とりあえず以降は本からの引用メモです。気になったら再度読めばいっか。//多国籍事業 世界の経済産出量の1/3を上位100社が。国営の巨大エネルギー。重商主義...富国強兵を目指す経済ナショナリズム。国家資本主義、自由市場資本主義。資源ナショナリズム。政府系ファンドswf。サウジアラビアの王室、ロシアの権力者層、中国の共産党幹部…。デカップリング。

  • 足で裏取りする天才が書いた地球のこれからは、フロリダ著「クリエイティブ・クラス」の様にホントに残酷だ。こうすればといいんだ、というサンプルが見当たらない。でも、だから、考えられる。

  • 国家資本主義台頭の経緯とその本質を整理、理解するのにとても良い本。日本を含む先進国の人口構成と移民政策など、様々な切り口で示唆に富んだ内容。

  • 国営企業の利益が政府系ファンドの資金源となり、国益を最大化する国家資本主義。
    新しいプレーヤーが政府の利権拡大と国民の政治的忠誠獲得のために経済を使うようになった。現代は自由資本主義(民間企業)対国家資本主義(国家)の競争の時代となり、国際政治上の摩擦が経済に歪を生んでいる。中国、アフリカ、中東、東南アジア他の国および地域に関する個別の解説あり。

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著者プロフィール

ユーラシア・グループのプレジデント及び創業者。
スタンフォード大学にて博士号(旧ソ連研究)、フーバー研究所ナショナル・フェロー。コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所を経て、ニューヨーク大学教授。現在はコロンビア大学国際公共政策大学院にて教鞭を執る。1998年、地政学リスク・コンサルティング会社、ユーラシア・グループをニューヨークに設立。毎年発表される「世界10大リスク」でも定評がある。 主な著書に『「Gゼロ」後の世界』『対立の世紀』がある。

「2022年 『危機の地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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