池上彰のやさしい経済学―2 ニュースがわかる

著者 :
制作 : テレビ東京報道局 
  • 日本経済新聞出版
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感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532355098

感想・レビュー・書評

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  • 1に続き、非常に分かりやすかったです。1,2を通して、経済って面白い分野なのかもーと感じるようになった。まだまだ分からないことだらけだけれども、政府が行っている経済政策は実は私たちに大きな影響を与えていたんだなと知った。

    バブルやリーマンショック、戦後の経済成長、IMFなどなど聞いたことがあっただけで、中身については全然知らなかったことを改めて知ることができて面白かった。これをきっかけにもう少し経済について知ってみたいなー。

  • 相変わらずのわかりやすさ。順を追った言葉のひもときが絶妙にうまい。

    以下、メモ。
    合成の誤謬。みんながやるとおかしくなってしまう。でも人間はみんな自分だけが出し抜けれるはず、と考えて行動する。

    インフレ。物価上昇、すなわち通貨の価値が下がること。
    デノミ。通貨の切り下げ。北朝鮮の無知な政策は大失敗。日本はGHQがやったので成功した。
    源泉徴収という仕組みは珍しい。日本は戦争資金を効率的に調達するために1940年に実施された。

    バブルのきっかけは1985年のプラザ合意。1ドル240円が翌年には200−160円、翌々年には140円に。日本の輸出産業が大打撃。景気対策として金利引き下げ。財テクとしての土地の売買大流行。国土の狭い日本では、土地の価格は上がり続けるという土地神話。土地を担保に金を借りると資産価値よりも多く借りられることも。株式投資もブームに。1987年NTT上場。1株119万円の売り出し価格が2ヶ月で318万円まで上昇。社債を個人が買うようになり、社債よりも利回りの悪い銀行にお金を預けなくなる。無理矢理ビル建設の融資を持ちかける営業。立ち退きに対する地上げ屋。高層ビルの乱立。
    濡れ手に粟で急に金持ちになった日本人。値段が高いという理由だけで飛ぶように売れたシーマ。住宅は普通のサラリーマンが買えな値段に。住宅が買えないならせっかく貯めたお金で車を買おうという心理。
    資産効果によって気が大きくなり、身の丈を超えた消費が盛んに。急増するボーナスや接待。

    過度な物価上昇を懸念した日銀は金利引き上げを検討。すると、為替不安により米市場でブラックマンデー。(1987年10月19日)
    金利引き上げとともに、土地が暴落。銀行の不良債権が膨らみ、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券、徳陽シティ銀行、、、銀行が次々と経営破綻。コール市場(銀行同士の貸し借り)が止まってしまい、お金の流れがストップ。日経平均も暴落。89年の38915円をピークに90年には20000円に。2010年には10000円を切ることに。失われた20年。
    バブルは大抵30年間隔で起きる。世代が変わるため。バブルを知らない世代が同じ過ちを繰り返してしまう。「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

    世界経済を守るIMFと世界銀行。日本の新幹線、高速道路は世界銀行からお金を借りて作った。
    朝鮮戦争、ベトナム戦争でドルを使いすぎた米国。金本位制のドルに不安を感じた各国は金への交換を急いだため、米国の金が不足。ニクソン大統領は金への交換、金本位制の中止を宣言(ニクソンショック)。ドルの価値が大きく低下。
    社会主義に対抗する資本主義の経済発展モデルとしての、1ドル360円。実力は320〜340円だった。
    しかし1973年、変動相場制に移行。以来外国為替市場が誕生し、通貨が金儲けの対象に。

    税金。直接税(所得税、法人税など)と間接税(消費税、酒税、たばこ税など)。日本は他国に比べて間接税の割合が低い。直接税は景気に敏感に反応してしまい、政府にとってリスキー。比較的安定な間接税比率を引き上げる(5:5)ための消費税増税議論。

    リーマンショック。サブプライムローンと複雑な金融商品、加えて格付け会社の格付け。

    戦後の復興。GHQ。インフレ操作(デノミ)。財閥解体による競争環境の整備。労働組合奨励による賃金上昇の土台作り。農地解放による生産性向上。そして朝鮮戦争特需と社会資本整備(ケインズ的公共投資による経済発展)。

  • 分かりやすく説明されています。
    バブルやリーマンについて書かれています。

  • 今まで何度も耳にした「リーマンショック」がどういうものかをようやく理解することができました。今まで避けてきた経済の話だったけど、この本のようにひとつずつ段階をクリアしていけば理解できるんだってことが、少しだけ自信につながりました!まだまだだけど、経済のことについて自分の考えをもてるようにしたいと思いました。

  • ニュース解説でおなじみの池上氏の経済学について書いた第二弾。

    本書では第一弾の内容を踏まえて今の日本や世界の経済で起きた出来事とと経済学との相関性を分かりやすく解説しています。

    固定相場から変動相場へと変わっていく為替の変遷や年金制度などの社会保障などに関して解説されています。
    実体験としてないバブルや戦後復興などは解説を読んで改めて理解を深めることが出来、リーマンショックに関してもニュースなどで表面的なことしかわからなかったので解説を読んで深層の部分を知ることが出来ました。
    特に戦後からの日本の復興に関してはGHQと国家が主導となって政策を行って、今の日本の繁栄があるという
    ことが本書を読んで理解できました。

    読んで感じたのが、合成の誤ひゅうやデフレ時の流動性選行などは非常に人びととの心理に対する影響が大きいことがわかりました。
    本書にもあるように経済とは資源の最適配分であることが根元にあり、理論だけではなかなか難しい部分はありますが、今回読んだ2冊の知識をもって今世の中で起きていることを考えていき、経済について自分なりの見解をもつことが重要であると感じました。
    本書を読んで最後に述べられている人間の愚かさと賢さの表裏一体の側面が経済には如実に現れていることも感じました。

  • 150111①
    150113②

  • 1巻に引き続き読了
    現実の問題を経済学をとおしてみるという講義
    とてもわかりやすかったです。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所: 3階開架
    請求記号: 331//I33//2

    【選書理由・おすすめコメント】
    著者がかつて京都の芸術系大学で行った集中講義「経済学」(14回シリーズ)がもとになっている(TV番組でも放映されました)。その内容は「金は天下の回り物」にはじまり、経済学の祖と言われるアダム・スミスやケインズの考え方などの紹介、「政府か日銀か」と題する財政政策や金融政策のこと、円高と産業空洞化、年金や消費税の問題、リーマンショック、戦後日本経済史などわかりやすく解説していますので気軽に読める本だと思います。(1,2年生向け)
    (経済学部 場勝義雄先生)

  • 1につづいてわかりやすかった。
    バブル、リーマンショックなど色々。
    背景が知りたかったからら、とてもよかった。
    基本的なこと。
    問題がついているのもよかった。

  • 著者なりの相変わらずの分かりやすさで、
    普段我々がよく見聞きする経済事象について説明する内容。
    図表も多く、更に分かりやすくなっている。

    2012年発刊で決して古くはないが、
    それでも本書の内容と現状とが大きく異なっているものも多い。
    考え方・背景を理解することで、今でも十分参考になる。

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著者プロフィール

池上彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京工業大学特命教授を務め、現在9つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』『「見えざる手」が経済を動かす』『お金で世界が見えてくる』『池上彰と現代の名著を読む』(以上、筑摩書房)、『世界を変えた10冊の本』『池上彰の「世界そこからですか!?」』(以上、文藝春秋)ほか、多数。

「2023年 『世界を動かした名演説』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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