スーパーパワー ―Gゼロ時代のアメリカの選択

  • 日本経済新聞出版社
3.71
  • (4)
  • (12)
  • (5)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 109
感想 : 8
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532356781

作品紹介・あらすじ

世界と日本が直面する地政学リスク。Gゼロ時代に突入し、アメリカが世界を主導する力は以前ほど絶大ではなくなった。だが、しばらくはアメリカが唯一の「スーパーパワー(超大国)」であることに変わりはない。アメリカは今後、世界を舞台にどういった役割を演じるのか?他国の問題解決から手を引いてしまうのか?「Gゼロ」という言葉を世に送り出した気鋭の政治学者が、世界のあらゆる地域に影響を及ぼすアメリカの外交戦略を3つの選択肢で示す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2015年と少し古い内容も含まれるが、世界におけるアメリカの位置付けを、過去と未来双方の視点で記載。国内回帰、限定関与、積極関与の3軸を競わせながら進める内容は比較対象が明確で参考となった。イアン・ブレマー氏自身は国内回帰を推奨し、国力を高めて経済的に豊かであることが民主主義の価値を世界で保つことにもなると述べている。

  • アメリカを中心として、国際政治を10個の問いでまとめあげている。アメリカの役割、大統領の役割、パパブッシュから現在に至るまで、ある意味支離滅裂なアメリカを表現して来た。これからの国際政治の選択として、「独立する国家」(消極的関与)、「マネーボール国家」(普通の国)、「必要不可欠な国家」(積極的関与)の3パターンを示しており、著者イアン・ブレマーは「独立する国家」選ぶとしていた。価値観を犠牲にしたくないとの理由であった。

  • 21世紀のアメリカは何を目標とすべきなのだろうか。我々は、「世界のすべての国が民主主義国になる」ために創造的に、根気よく、懸命に行動しないといけない。(p166)
    選挙の実施を求めるだけでは不十分だ。アメリカ政府は、法の支配、言論の自由、宗教の自由、集会の自由、そして人権の尊重を推進するために、こういった手段すべてを使っていくべきだ。』(p198)

  • 独立するアメリカはまさにトランプの路線だなあと思って読んでいたら、ブレマーの結論も独立するアメリカだったとは驚いた!
    貿易、移民はオープン方向なのでこの部分は真逆だが、国内回帰という意味では、トランプの方が原理に沿っていると言える。
    何れにしても、アメリカは孤立主義的な思想が日本人が思っているよりかなり強く、普遍的なのだと認識させられた。

  • ■書名

    書名:スーパーパワー ―Gゼロ時代のアメリカの選択
    著者:イアン・ブレマー

    ■概要

    世界と日本が直面する地政学リスク。Gゼロ時代に突入し、アメリカ
    が世界を主導する力は以前ほど絶大ではなくなった。だが、しばらく
    はアメリカが唯一の「スーパーパワー(超大国)」であることに変わ
    りはない。アメリカは今後、世界を舞台にどういった役割を演じる
    のか?他国の問題解決から手を引いてしまうのか?「Gゼロ」という
    言葉を世に送り出した気鋭の政治学者が、世界のあらゆる地域に影
    響を及ぼすアメリカの外交戦略を3つの選択肢で示す。
    (From amazon)

    ■気になった点

    なし

  •  著者は本書の目的を以下の通りであると記述している。

    ・「この本を書いている目的は、アメリカがいかなるスーパーパワーであるべきかを判断していただく手掛かりを提供することにある」
    ・「本著の目的はあなたの選択にある」

     終章まで読みすすめれば、上記の目的が達成されていることに気が付く。
    (文章が日本語として読みにくいところが多いが、同時通訳を聞いているとでも思えば、なんとか読み進めることは出来る。)
     日本では池上彰氏の政治や経済システムの解説をする著書などがあるが、本書はそのような丁寧な解説本ではない。アメリカ政治の事象を著者との対話として受け止めるような感じといえばいいだろうか。
     総じて難しい事象や表現は無いと言っていい。だからこそ、自分の思考を働かせ選択を導くことから逃れるわけいにはいかなくなる。

  • アメリカのイノベーション能力がもっともはっきり伺えるのはエネルギー産業。
    アメリカ大統領にはアメリカの国歌安全保障が直接侵されているときには他国の政府の支持のあるなしに関わらず、行動する義務がある。
    テロリストとアメリカででなく向こう岸、イラク、アフガン、イエメン、ソマリアなどで戦う。

  • 「Gゼロ時代」のイアン・ブレナーの最新作。アメリカ人の読者を想定しながら、アメリカ外交の3つの選択肢を示す。
    ①国内回帰、②費用対効果、③積極関与。
    どの論も説得力があり、さすがの力量だ。
    著者の結論は①なのだが、日本にはその想定と覚悟があるのだろうか。力の空白があらわになる時代に思考停止しているようで、暗鬱な気になる。

全8件中 1 - 8件を表示

著者プロフィール

ユーラシア・グループのプレジデント及び創業者。
スタンフォード大学にて博士号(旧ソ連研究)、フーバー研究所ナショナル・フェロー。コロンビア大学、東西研究所、ローレンス・リバモア国立研究所を経て、ニューヨーク大学教授。現在はコロンビア大学国際公共政策大学院にて教鞭を執る。1998年、地政学リスク・コンサルティング会社、ユーラシア・グループをニューヨークに設立。毎年発表される「世界10大リスク」でも定評がある。 主な著書に『「Gゼロ」後の世界』『対立の世紀』がある。

「2022年 『危機の地政学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

イアン・ブレマーの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×