- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784534045720
感想・レビュー・書評
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デザイン思考を具体的にどのように進めていくのかが良くわかった。
しかし、まだ学生の自分としては、仕事をデザイン思考で進めて行くということのイメージが出来なかったのが残念。
デザイン思考のワークショップに参加してみたいと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デザインとは、人間自身の生活、生き方、そして、生命としてのあり方を提案する仕事。暮しの道具を作ること、仕事の計画を立てること、企業の利益を上げるために組織を編成すること、そうした人が何かをよりよく成し遂げるための人工物を考え、生み出す活動すべてがデザイン
デザイン思考の仕事術には、問題を構成する要素をその意味に応じて単位化し、その上で要素どうしをアナロジーをはたらかせて結合しながら問題の全体像を把握する方法が確立されている。また、問題発見の過程だけでなく、問題解決の場合でもモジュール化された要素の階層構造化、関係性の定義を重視しながらターゲットとなる人々の立場・ニーズに応じた包括的な解決策を組み立てていく
キープザチェンジ(IDEO)
フィールドワーク、エスノグラフィ
IDEOのデザインプロセス
①理解 市場、クライアント、技術などの制約事項
②観察 ニーズの発見
③視覚化 ストーリーボードやビデオ化
④評価と改良
⑤実現
情報の構造化
コンテキスチュアルインクワイヤリー(文脈的質問法)
何をどうつくるか→なぜつくるか、誰のどんな問題を解決するためにつくるのか
ペルソナ→シナリオ
日本民藝運動 柳宗悦 「用の美」
用とは機能的な用途のみならず心に訴えかける美的な用途も含めた用であり、その二つは民藝の品においては切っても切れない形で統合されている
デザイン思考の仕事術のための基本7姿勢
①「わかる」ことは重要じゃない。「わからない」ことにこだわる
②オフィス内の論理にではなく、外の世界の現実に従う
③他人の意見や作ったものを否定しない。厭ならよりよい代替案を具体的に示す
④頭のなかだけで考えない。ことばや形を外部化して組み立てる
⑤仲間内で群れない。異分野の人と積極的に接する
⑥先人に学ぶ。古きものに学ぶ。今に囚われない広い視点を持つ
⑦グループワークを重視する。協力を惜しまない
目の前にある普段と変わらない光景を「これはなぜここにあるの?」「なぜ、みんな、そんな風にするの?」と好奇心をもった目で見つめ直し、自分自身の物事の見方を変えることこそが重要。
「理解」「観察」の最初の2つのステップが問題発見過程で「視覚化」「改良」「実現」が問題解決の過程
仕事でよくある間違いは、この問題解決だけを進めようとしてしまうこと。何のために作るかを考えず、とにかく作ろうとする人が多い。問題発見のやり方を知らず、その必要性も理解していないというのは日本のビジネスシーンでよく見られる間違いのひとつ
KJ法
単位化した情報をその内容ごとに小さなまとまりにしていく。さらにその小さなまとまり同士に関連性を見つけて中くらいのまとまりに、それをさらに大きなまとまりにという風に、最初はバラバラだった情報群をグループ化していく中で隠れた問題の構造を発見し、総合的に推論を組み立てるというのがKJ法。単なる情報整理の方法ではなく、情報統合による創造的な推論の方法
人間行動の観察のための7つの着眼点
①類型的行動
人々が自分たちの行動をどんな概念で認識しているか、行動にどんなラベルを割り当てているかの把握
②行動の状況
行動の行われた背景を把握するということ
③行動の主体
④行動の対象
⑤手段・方法
⑥目的
⑦結果
もの、そして、その意味は人々が実際に生きる社会的文脈のなかに埋め込まれている。その文脈を観察によって明らかにする
ヴジャデ(IDEO トム・ケリー「イノベーションの達人」)
いつも経験しているものに驚きを感じること
情報の見方
・軸を変えてみる
・いくつかのものを並べてみる
・異なるもの同士をつなげてみる
・言い換えてみる
・文脈の中でみる
・見たものを他人に話してみる
チャールズ・パース
帰納(induction)、演繹(deduction)とアブダクション
アブダクション 観察データを説明するための仮説を形成する推論
ラダーアップ/ラダーダウン(評価グリッド法の一手法)
ある品物を見せて具体的にどういうところがそう感じさせるのか?(ラダーダウン)
そういう感じはあなたにとってどんなメリットがありますか?(ラダーアップ)
抽象的な価値判断⇔感覚的理解⇔客観的かつ具体的な理解
デザインというのは関係性を明らかにして、その関係性のなかにある問題を解決する仕事
調査や情報収集で、あなたの感想や意見は必要ない
問題を把握しないままにデザインを始めてしまうことが多い。最初から作るものは決まっている。解決すべき問題はそれが売れるかどうか。だから、売れそうな物にするために、顧客がどんなスタイリングが好みか、どんな機能を重視するか、いまの製品のどんなところに不満を抱いているのかを定量的に調査したりする
動きのない情報は人を動かす動機にはならない。ヴジャデで挙げた項目は情報を動かしながらその意味するところを享受する方法
情報過多だと言われるようになったのは、情報が増えたからではなく人間が情報の生かし方を忘れていったから
パースの記号論
直感を否定、ひらめきには必ず媒介があるはず
帰納法と演繹法では新しい観念を生み出すことはできない→アブダクション
推論の過程を「記号過程」=自然に存在するもの、現実に存在するあらゆるものをみて解釈する過程
記号過程の3要素 パースの3項論理
表象(Representamen)、対象(Object)、解釈項(Interpretament)
ex. 森の中の木の傷 表象:近くに鹿がいる 対象:鹿 解釈項:鹿は木の皮をはぐというハンターの知恵
表象と対象は絶対的な関係で結ばれている訳ではない
表象が表象として成り立つためには、それを対象と結びつけて解釈する第3項=解釈項が必要
解釈項を生み出すのが、ビュジャデや視点=推論のしくみ
ペルソナとシナリオ
エクスペリエンスゴール 利用者はどんな感じを求めているかといった人間の本能的な認知と関係したゴール
エンドゴール 利用者は何をしたいのかといった、人間の行動的な認知と関わるゴール
ライフゴール 利用者はどうなりたいのかといった、人間の内省的な認知と関わるゴール
主役ペルソナ 商品を実際に利用する人
脇役ペルソナ 主役ペルソナと異なるニーズ、特殊な利用方法を行う利用者
端役ペルソナ 主役の利用行動に影響を与える人物 ex. 子供が主役である場合に影響を与える母親、商品を販売している店員、ブログなどで商品やサービスの購入・利用に大きな影響力を持った人物
黒衣ペルソナ 商品・サービスの設計開発に影響を与える人物
リフレーミング
物事を捉える枠組み(フレーム)を意図的に変化させること
クリッペンドルフ「意味論的転回 デザインの新しい基礎理論」
①既知のものを変形する ex. サイズを変える、内側と外側をひっくり返す、材料を換える..
②代わりとなるメタファーを利用する ex. プロジェクト計画を旅のプランに見立てる
③与えられた状況の類似を探す ex.一見似ていないものをつなげて類似を見出す
④いろいろな理論的視点、特にさまざまな分野から獲得される視点を用いる ex. 別の分野で用いられている方法を適用してみる フィールドワークをデザインサーベイに、箸で食べるスパゲティ..
⑤さまざまなステークホルダーの概念の枠組みを引き出す 別の立場で考える ex. 子供の背の高さだったらどうか..
⑥問題やデザインを概念化するためにさまざまなメディアに翻訳する hex.表現の方法、メディアを変えてみる、言葉だけで表現していたものを写真やイラストだけを使って表現 -
実際にアイデアを現実のサービスや製品に仕立てていくときのアプローチとして、デザインというものを触媒して考えていくステップの提言。一時期はやったペルソナ手法をどのように実際の製品に展開していくか、といったところでの具体的なポイントがかいてある。
ワークモデル分析など、システムの設計に近いアプローチも入っていて、小難しいところが(完全ではないけれど)わかりやすく書いてあります。
イノベーションを実現するための具体的アプローチとして、参考になると思います。 -
IDEOの実践方法
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■思考
■デザイン思考
①ものをつくって提案できる国はたくさんありますが、ものをつくって生活を提案できる国はあまりない。イタリアは、例えば家具なら家具を通して新しい生活の仕方、新しいビジョンを売ってきたわけです。
②わかることは重要じゃない。わからないことにこだわる。
③オフィス内の論理にではなく、外の世界の現実に従う。
④他人の意見や作ったものを否定しない。厭ならよりよい代替案を具体的に示す。
⑤頭の中だけで考えない。ことばや形を外部化して組み立てる。
⑥仲間内で群れない。異分野の人と積極的に接する。
⑦先人に学ぶ。古きものに学ぶ。今に囚われない広い視点をもつ。
⑧グループワークを重視する。協力を惜しまない。
⑨デザインしすぎてもいけない。
⑩進歩のかげに退歩しつつあるものをも見定めてゆくことこそ、今われわれに課せられているもっとも重要な課題ではないかと思う。(民族学者:宮本常一)
⑪デザイン思考の仕事術においては、いかに世の中で当たり前のこととされているものを疑い、そこに改善の余地があることを発見できるかがポイントである。
⑫デザインプロセス(ISO13407)
⑬IDEO(デザインプロセス)
⑭ペルソナは、フィールドワーク調査をもとに作成する利用モデルで、人がある商品やサービスを利用する際に、どんな役割を担い、どういう利用目的をもつのか、利用にあたっての具体的なゴールは何かを明記します。利用者像を明確にすることで利用者がどんな期待を潜在てきにもっているかを検討できるようにするものです。
⑮シナリオを作成する利点は他の人への説明が楽になるという点だけではありません。他人に説明してかわってもらいやすくなるということは、自分たち自身でも理解しやすくなるということなのです。