インド夜想曲 (白水Uブックス 99 海外小説の誘惑)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560070994

感想・レビュー・書評

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  •  西洋人がインドに求める神秘性とオリエンタリズムに満ちた作品。

  • いかにも文学作品的で少し難しいけど揺蕩う感じで読んでる最中面白かった。本当に眠れない夜に読みたい作品。

  • 失踪した友人を探してインドを旅する僕。
    美しくて醜く、貧相で優雅、真逆なものが混じり合っている。舞台は、やはりインドでなくてはならないだろう。
    幻想的で魅惑的で不思議な読書体験だった。再読したくなる本。

  • ①文体★★★★★
    ②読後余韻★★★★★

  • インド映画が大好きなので、内から見たインドは履修していたのだけれども、外から見たインドの鮮烈さ、やばい

    虫とか臭いとかの描写が鮮明すぎて悪心を起こす、これはインド発信では得られない視点すぎてもうこれだけでもスタンディングオベーション

    幻想的というかどこかふわふわと夢見心地な描写だから夜にぴったりな書き味ではある、でもインドのスラム描写が生き生きしすぎて夜読みたくない、褒めてるよ、好きだよタブッキ

  • とても読みやすい訳でした。
    猥雑な表現、描写もあるのですがちょっと離れた場所からそれを眺めているような、ふわふわした感覚で旅をしている気持ちになる小説。たどり着いた場所はどこなのか。
    初タブッキでした。ほかの作品も読んでみたい。

  • 紅い絨毯
    スタンド光の青
    ワインの銘柄など

    作品の中盤までは
    色彩表現が主軸になっていた印象がある

    物語の対象が次第に
    物から人へと移っていく…

    現実が空想を
    追い越すような展開が興味深い

    前世で旅したような
    将来体験するような新鮮な記憶

  • 文章から薫る"インドの臭い"に酔いながら、夢中になって読み進めた。20代前半に旅したマドラス(チェンナイ)、ボンベイ(ムンバイ)、バンガロール、ゴアといった土地の情景、人々の生活が鮮やかに立ち昇る。インド世界の幻想的神秘を宿す独特の文体に導かれ、シンプルな旅行記としての面白さに魅了されながら、物語は思わぬサスペンス的空気を帯びて加速していく。息を呑んで読み進めラスト、嘲笑うかのような仕掛けとともに、突然幕は下ろされる。まるで長い夢を見ていたような、まさに"夜想曲"たる読後感。この美しい調べに、もっと漂っていたかった。

  • いつの間にか本の中の"僕"の後ろに憑いていって、インドを旅している。断片的な夢をみているような浮遊感のある読書体験でした。よかった。

  • 文章そのものも、太すぎないフォントにスッキリとして見える余白も、とても読みやすく、この旅行記に専念させてくれた。


    前書きで、これが≪影≫の探求であると示される。
    スーツケースの比喩、自分がどこにもいないと言われ、アトマンの居場所を訊くと…後に船の上、星の光の中で、友人の本名に気付く(そういえば、回想の2人の女性も混同?されている)

    最終章でもうひとりの僕が語る再会シーンは、鏡合わせのよう。
    宗教についても知識があれば、もう少し納得ポイントが増えるのか、でも全てが解決していないようなこの読後感もよい。

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著者プロフィール

1943年イタリア生まれ。現代イタリアを代表する作家。主な作品に『インド夜想曲』『遠い水平線』『レクイエム』『逆さまゲーム』(以上、白水社)、『時は老いをいそぐ』(河出書房新社)など。2012年没。

「2018年 『島とクジラと女をめぐる断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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