インド夜想曲 (白水Uブックス 99 海外小説の誘惑)

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560070994

感想・レビュー・書評

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  • 一緒に旅に連れて行かれているようなインドの描写、読者を物語の奥へ奥へ引き摺り込んでいく不思議な登場人物たち
    旅するように読んだ
    結末の落とし所がよくわからなかった

  • 2021.12.24 社内読書部で紹介を受ける。
    イタリア人によるインド紀行文。哲学的な内容らしい。これを紹介者は19歳の時に紹介されたとのこと。読書部参加者によると、哲学的な紀行文は『アルケミスト』に似ているんではないか?とのこと。

  • 終盤の展開に驚く短編。旅の空気感が良かった。

  • 失踪した友人を探してインド各地を旅する主人公の物語。会う人たちはなんとなく神秘的。バスの車内、安ホテル、待合室での占い師など印象的な場面が多い。不思議と読んでいて楽しい1冊だった。ただ理解できてないような気もする…不思議な小説。

  • 期待したほどではなかった。
    主人公がインドを旅している。読み進めてすぐ、友人を探しているということが分かる。12章になる旅の断片はそれぞれが独立したエピソードとしても読めるが、最後に物語は核心に近づく。病院の風景といい、バスの待合所で出会った猿のような少年といい、教会のような場所といい、独特な香りを放つ不思議な魅力を持ったエピソードがある。
    エッシャーの、スケッチをする手の絵を描く手の絵とか、自分の背後からカメラで撮影した映像を自分で見るとか、そんなものを思い起こさせるような短編集。

  • だまされたと思って読んでほしいアントニオ・タブッキ『インド夜想曲』( https://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2021/10/post-15e85a.html)というブログ記事に導かれて手に取った一冊。個人的には、フェルナンド・ペソアが出てきたところが印象深く-末期の言葉、死に瀕した際のメモ、「降誕祭」という詩の引用。友人を探している主人公が、インドの各都市、ホテルをめぐりつつ、様々な人々に問いかけ、語りかけ、語ってもらい、時に夢想もまじりつつ、たゆたいながら、最後にゴアのホテルでの美女との対話からこれがどういった旅だったのか示唆される、と。/たとえば、作品のひとつは、あるところに旅をしたいと一生思いつづけた男の話しで、ある日、ついに実現のめどがついた。すると、彼はそんな旅なんか、ぜんぜんする気が自分にはないことに気づく、といったような(p.33)/「だがそいつは見つかりたいと思ってるのか」「わからない」「それじゃ、探すのはよせ」(p.120)/引伸すと、コンテクストが本物でなくなる。なにごとも距離をおいて見なくてはいけない。抜粋集(アンソロジー)にはご用心(p.151)/終着地にたってふりかえってみれば、そこにたどりつくであろうことは、さりげなくいくつも散りばめられ、織り込まれていた。それを眺め渡すのはまたこころよい愉しみ。

  • はじまりから緊張がある予告があり、不思議な旅行の話の体裁になっている。150ぺーじほどの短い作品ながら、下手なサスペンスよりはるかにおもしろい

  • 数十年ぶりに再読。
    始めて読んだ須賀敦子の作品、翻訳本が苦手だったが、それを全く意識させない訳者の力に驚いたのを覚えている。
    今読んでみると中だるみを感じる部分もあったが、それでも全体として面白かった。

  • 登録もれ。最近またイタリアの文学作品を読みたいなぁと思って探していたら、登録もれを発見。幻想的な短編集。

  • 「読者は章ごとに移行する主人公の視座をとおして、旅行記のインドではなく、インドの深層とも言うべき事物や人物を、みずから体験し、生きてしまう。ほれはまた、各地で収集された言葉を綴りあわせた旅行記ということもできるだろう」p.154 、という訳者須賀敦子さんの言葉が的確。

    何故だか読み進めてしまう。

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著者プロフィール

1943年イタリア生まれ。現代イタリアを代表する作家。主な作品に『インド夜想曲』『遠い水平線』『レクイエム』『逆さまゲーム』(以上、白水社)、『時は老いをいそぐ』(河出書房新社)など。2012年没。

「2018年 『島とクジラと女をめぐる断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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