サムライブルーの料理人 ─ サッカー日本代表専属シェフの戦い

著者 : 西芳照

• 白水社 (2011年5月6日発売)

感想・レビュー・書評

[snowtopさんの感想 · 2011年7月13日]

　サッカー日本代表専属シェフの西芳照さんによる、ノンフィクション。世界と戦ってきたプロ選手たちの食事を裏で支えてきた料理人の世界を描いている。

　選手たちが万全の体調で試合に出られるよう、どんなに環境が劣悪でも、単に栄養素を満たすだけの食事を用意するのではなく、リラックスしてたくさん食べてもらえるようなメニュー作りや目の前で調理するライブクッキングなど、ソフト面での工夫・努力に心を砕いている姿に頭が下がる。

　世界の舞台で活躍するサッカー選手もプロなら、その選手たちの体調を管理する料理人である西さんもプロ。お互いをプロと認めた者同士の、職種を超えた交流が感動的で、思わず目頭が熱くなったシーンが何度かあった。

　また「楽しく食事をする」ということが、スポーツ選手の栄養管理だけにとどまらず、ふだんの我々のＱＯＬに密接に関係していることを考えさせられる本だった。

[アヴォカドさんの感想 · 2011年7月6日]

そうなのだ、ウキウキ楽しく旅行に行くわけではない。
おいしいものを見つければラッキー、珍しいものを食べてみたい、とか、はずれてもそれはそれで思い出、とか、楽しく巡る時間や気持ちの余裕があるわけじゃない。

環境のまるで違う土地へ行き、プレッシャーとストレスの中、勝たねばならない試合を闘ってくるのだ。
国の代表としてベストのパフォーマンスをするために、コンディションを整えなければならない。

代表が海外遠征でどんな食事をしているのだろう、なんて、そういえば考えてみたことがなかった。ただ漠然と、ちゃんと用意された、何かおいしいものを食べているのかな…と思っていたくらいで。
スポーツ選手として、普段から食事は大事なはずだけれど、ひと月やふた月近くになる長丁場、なおのこと食事はとても大事になってくる。おなかを壊したり体調を崩したりしてはいいプレーは出来ないし、食事でリラックスすることも必要だ。
シェフを帯同するのは当然とも言える。

その帯同シェフ・西さんのエッセイで垣間見る、苦労とやりがい。
そうだよねえ、すべての食材を日本から持っていくにはお金もかかる、現地で調達出来るものは極力して、知恵と工夫でおいしくバランスのとれた食事を用意する。そのためには事前に調べたり、何を持っていくか考え、現場では困難にも対処し。。。
自分の料理で、選手の体重を減らさせない！ベストのパフォーマンスを出させてあげたい！という、24番目のメンバーとしての熱意と誇りが、みしみし伝わってくる。


追記
イングランド代表が試合後のスタッフルームで暖かい料理を食べていたこと、セルティックが試合の終わった帰りのバスのなかで暖かいパスタを出すことなどに、さすがサッカー先進国と感じました。（根性だけでは勝てません、経験と理論に基づいた準備とケアと積み重ね。）

[ゴンゴンゴンゴンさんの感想 · 2023年4月28日]

サッカー日本代表の専属シェフを勤めた方の自伝。書き手が専門ではないので、面白味はあまりなかった。ただ、選手やスタッフ何十人分の食事管理に責任をもち、行ったことない海外でそれを実行することは想像できないほど大変だし、それをやってきた実績はすごいと率直に思った

[大手前学園 大阪大手前図書館さんの感想 · 2022年10月24日]

忘れてませんか、もうすぐサッカーの祭典ですよ！！と、言いつつも私が注目するのは試合よりも、シェフ。裏方のドラマがおもしろい上に、絆を感じさせる話に思わず涙腺が・・さらりと読める文章も、息抜きにぴったりですね。巻末にある鉄分たっぷりレシピもおすすめ。
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所在記号:783.47||ニシ
資料番号:30042453
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[cereal140さんの感想 · 2019年12月24日]

まあまあ面白かった、確かに辛い練習の時とかはご飯がいちばんの楽しみだし、パフォーマンスにとても影響する

[osawatさんの感想 · 2019年12月5日]

ふむ

[mame-shibaさんの感想 · 2019年10月18日]

今さらだけど読んでみた。

[大手前大学・大手前短期大学 伊丹図書館さんの感想 · 2016年6月17日]

＜閲覧スタッフより＞
サッカー日本代表の遠征に帯同し、選手たちの食事を作る。そこには様々な苦労もあるけれど、やりがいや喜びもある。巻末には「最強レシピ」が収録されていて、代表選手が食べているメニューが作れます！
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所在記号:783.47||ニシ
資料番号:20099317
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[mさんの感想 · 2016年5月11日]

食は、人を良くする。本来の成り立ちは器と蓋だけど、わたしは西さんのいう「人を良くする」方を信じている。
とても良い一冊でした。読めてよかった。
食事がつくる体と笑顔。西さんの料理人としての考え方、生き方、全てが心に響く。何度も読み返したい。

巻末のレシピもよかった！作ろう！

そして、この本のすべての印税は福島へ義援金として寄付されることが最後に一行書いてあってびっくり。古本でなく、この本を普通に購入してよかった。
2016.05.11

[kujira34さんの感想 · 2016年3月11日]

ジーコはライブクッキングがお好き。
葛城の料理が好きなトルシエより趣味がいいと思う。

著者プロフィール

1962年福島県生まれ。2004年以降、サッカー日本代表の専属シェフとして海外遠征試合に帯同する。著書に「サムライブルーの料理人　サッカー日本代表専属シェフの戦い」など。

「2014年 『サムライブルーの料理人　3・11後の福島から』 で使われていた紹介文から引用しています。」