- Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560081112
感想・レビュー・書評
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ジーコからザックに至るサッカー日本だ表の台所を担当したシェフの手記。
組織目標(=試合での勝利)達成のために、自らに与えられた職務の範囲で、積極的に考え行動する裏方の物語、としても興味深い。
単純に、スポーツ選手の体を作り、支えるための料理書、としても面白い。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
年間も日本代表の専属シェフとして料理を振舞っているようで、配慮、気配り、技術など日本を背負う人だなぁと思う箇所ばかり。陰で徹する人は目立たないが感謝される人生を送っている。料理の他にも「日本代表」の裏にはさまざま目立たない仕事をこなしている人がいる。旅行会社、スケジュールの調整などの総務、ホテル、医者、健康管理、洗濯、飲み物、清掃、戦術。上を目指す人にとって、メディアのバッシングは心を痛めるときもあるようだが、いちいち気にしては身が持たないので「最善の事をする」ということに徹していた。事前の準備など、戦いを勝つために活動で学んだことを改めて確認する感じで読みました。上で活躍する人は謙虚で驕りがない。料理は世界共通。世界で活躍する人物は努力を惜しんでいない。この著作の印税を全額東日本大震災の福島県南相馬市に寄付する西さん。また以前読んだ永友もそうだ。スポーツ選手のこうした動きは素晴らしいと思う。
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サッカー日本代表が身近に感じられる一冊。料理人西さんの細やかな気配りとこだわりがステキだし、悪口が一切ないところもいい!レシピつき。ペペロンチーノは作ってみました。
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サッカー関連の本。選手の日常的な一面が見られる。
サッカーの本としてではなく、食事の楽しさが感じられる部分や、料理の工夫の部分が個人的には面白かった。選手たちがリラックスできるように、楽しく食事ができるように、そんな気配りがよかった。
遠征を通じて、料理が様々な国の人とつながる力になる。自国の文化を深く知っていることが、国際的につながる力になると感じました。 -
サッカーファンのためのワールドカップ、アジアカップの舞台裏を、厨房からレポートしたファン垂涎の一冊。
あの舞台裏にこんなことがあったとは、これまで一度も語られてきたことのないことなので、とっても面白い。たぶん、もういっかい読み直さないと・・・
ワールドカップの南アフリカ大会が好成績だった裏には、食事が良かったというのも大きな要素だったのかも。 -
料理からみたサッカー日本代表の裏舞台と味わうもよろし、
料理人としての職の記録として味わうもよろし。
巻末のレシピを味わうのもよろし。
『料理は世界共通のコミュニケーションツールである』 -
サッカーが、好きですか、帯同シェフがいるとは、この本を読むまで知らなかった。
いろんな裏話が読めて楽しかった。あと、圧力鍋の話が、良かったです。 -
マレーシアまでの飛行機で読んでいた代表専属シェフを取り上げた一冊。
完全に裏方のスタッフは取り上げられる機会がほとんどないので、このような機会で仕事内容を伝えるのはいいきっかけだと思うのです。
スポーツマンは食にも気を遣ってます。
よし、気を遣おう。 -
世界最高峰の舞台と言われるサッカーW杯。南アフリカ大会における日本代表ベスト16入りの快挙は記憶に新しいが、その躍進を「食」の面から支えたのが、本書の著者・西 芳照氏である。本書は、ジーコ、オシム、岡田、ザッケローニの時代まで、七年間にわたってサッカー日本代表の海外遠征シェフを勤めている男の奮戦記である。
国と国の威信をかけた戦いとなれば、その裏側も壮絶である。衛生管理、食事づくりの手際、現地スタッフとの協力体制、食事会場設定、食材の手配、周到に準備しても想像がつかないことの連続である。例えば、試合のたびにアウェイの洗礼を受けた重慶でのアジアカップの時のこと。厨房がせまく、ホテル内のレストランとの共有だったためスタッフがひしめき合い、裏側でもアウェイ戦を強いられていたそうだ。また、イランのような異文化環境では、イスラム教徒の断食月と試合が重なり、市場が食材の手配が難航したこともあったという。
本書を読んで改めて痛感するのが、食事とコミュニケーションの関わりの深さである。ワールドカップの遠征は事前合宿もふくめると約一カ月。ホテルから外に出られる機会も少なく、緊張感の続く毎日だ。そのため、食事会場での空気は、チームの状態を大きく左右することもある。実際にドイツ大会の時は、スタメン選手とサブ選手は、それぞれが別々のテーブルに固まっており、壁を感じることもあったそうだ。
西氏が食事会場を盛り上げるために編み出したのが「ライブ・クッキング」である。選手たちの目の前で、彼らの注文を聞いてからパスタやうどんをゆでたり、肉を焼いたりするものだ。調理自体をエンタテイメントとして楽しんでもらえるほか、選手との交流の場としても有効に機能したそうである。
直近の南アフリカ大会では、チーム全体として高地順化が大きなテーマであった。もちろん食の面でも同様である。そのため、「鉄分補充」「糖質補給」「抗酸化物質の摂取」ということを念頭に入れて、メニューが考案されたそうだ。その際の具体的なメニューも、本書に掲載されている。しかし、一番の問題は、おいしいごはんが炊けるか?ということであった。標高の高い地域では、気圧が下がるため沸点も低くなり、炊いたごはんの食感が悪くなってしまうのだ。
そこで活躍したのが圧力鍋。圧力鍋は標高で沸点が左右されないため、ふんわり、しっとり、ねっとりした「正しい日本のごはん」を炊くことができたそうだ。日本代表の活躍の要因は、意外にこんなところに潜んでいたのかもしれない。
「世界を驚かすサッカー」、そんな標語を掲げて勝ち進んだ日本代表。その裏側にある「勝つための食事学」には、日本人でも驚かされることが多いだろう。